海洋性微細藻類由来のフコキサンチンが、肌⽼化を加速させるSASPを抑制することを発見
配信日時: 2026-06-15 12:08:53
~原料開発企業と共同研究、化粧品原料などに応用期待~
東京工科大学(東京都八王子市、学長:香川豊)応用生物学部 食品・化粧品専攻の吉田雅紀教授らの研究グループは、微細藻類由来の原料を手がけるcircuRE act株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:塩原祥子)との共同研究により、海洋性微細藻類ソラリスに含有される「フコキサンチン」が、SASP(老化細胞随伴分泌現象)を抑制することを発見しました。
本研究成果は、2026年6月25日・26日に開催される「第51回日本香粧品学会」にて発表いたします。
【研究背景】
SASPとは、老化した細胞が炎症を引き起こす物質(サイトカインなど)を分泌する現象です。これにより周囲の細胞の老化促進や慢性的な炎症、肌構造の破壊が引き起こされ、シワ・たるみといった老化現象が進行します。また、これらは紫外線(UVB)によって増加するため、光老化の主要因と考えられています。本研究では、微細藻類であるソラリス(Fistulifera solaris)(注1)由来のエキスに含まれる成分「フコキサンチン」に着目し、表皮細胞におけるSASP因子(SASP factors)への影響を評価しました。
【研究内容と成果】
表皮細胞を用いたIn vitro試験にて、UVB照射群及び未照射群のフコキサンチン添加後の各種サイトカインの発現量を、PCRを用いて計測しました。この結果、紫外線照射により炎症物質IL-6や MCP-1、肌のコラーゲンを分解する酵素MMP-3が増加しましたが、フコキサンチンの添加によりこれらの増加は有意に抑制されました。特にIL-6およびMCP-1の抑制が顕著にみられました。一方でMMP-1への影響は限定的でした。また、肌のバリア形成に関与するタンパク質インボルクリン(Involucrin)は増加傾向が確認されました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/168477/25/168477-25-df86f3eb745342f66e53a4882cb20cb0-2000x2000.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
海洋性微細藻類ソラリスの乾燥藻体と抽出エキス
【学術的なポイントと今後の展開】
本研究により、フコキサンチンは炎症や肌構造の分解を引き起こすSASP関連因子の発現を抑制することが示されました。これは、肌の老化の連鎖を抑え、健常性維持(バリア機能向上)にも寄与する可能性があります。フコキサンチンは内因性老化および光老化の双方に対して有効に作用する可能性があり、新たな抗老化成分としての応用が期待されます。
(注1) ソラリス(Fistulifera solaris):昆布やワカメなどの大型藻類に比べてフコキサンチン含有量が非常に多い(乾燥ベースで100g 中950~1000mg)のが特徴。希少原料とされ量産が難しかったため市場に出回ることは稀でしたが、同社にて国内で培養し抽出精製までワンストップで行う生産体制を整えていく計画です。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/168477/25/168477-25-38a63698b5cd130c62dd34154c0a6e78-1536x1024.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
海藻類におけるフコキサンチンの含有量比較
【学会発表】
発表学会: 第51回日本香粧品学会学術大会
URL: https://www.jcss.jp/event/51tab-3.html
発表日時: 2026年6月25日(木) 12:20~13:20 ポスターセッション1.
会 場: 有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町 2-5-1) / 発表場所:11階 展示会場 P03
演 題: フコキサンチンによる表皮細胞のSASP抑制
※展示会ブース(11階22番)にてソラルナエキスの説明、サンプル配布を実施いたします
■東京工科大学 応用生物学部 ⽪膚生理学研究(吉田雅紀)研究室
化粧品における有効成分の開発を目的とした皮膚に関する基礎研究を行っています。最も大きな目標はシミの改善方法の確立ですが、そのために色素細胞だけでなく表皮の分化や増殖のシステムを研究しています。
[主な研究テーマ]
1. 色素細胞の遊走やメラニン合成の調節機構
2. 産毛からの肌診断方法確立
3. 表皮の分化、増殖の調節機構
4. 接触性皮膚炎モデルマウスや乾燥性敏感肌モデルマウス皮膚の透明化解析
[研究室ホームページ]
https://masaki-yoshida-lab.bs.teu.ac.jp
■サキュレアクト(circuRE act)株式会社 概要
海の恵みである海洋性微細藻類から国産原料の開発と販売。また、その原料を活用した消費財の企画、販売を手掛けている。サステナブルな原料開発で環境負荷低減を目指している企業です。
circuRE act 株式会社(サキュレアクト)
本社:東京都千代田区神田小川町 3-28-5 axle 御茶ノ水
代表取締役:宮坂(塩原)祥子
設立:2023年3月13日
ホームページ: https://circureact.com/
公式SNS(インスタグラム): https://www.instagram.com/team530_japan/
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