熟成ニンニク抽出液「S1PC」の抗老化作用に関する研究成果を発表 世界的な科学ジャーナルに論文が掲載
配信日時: 2026-05-08 15:45:00



世界的なヘルスケア市場における熟成ニンニク抽出液のパイオニアとしての地位を築いている湧永製薬株式会社(代表取締役社長:湧永寛仁)と、老化・寿命のメカニズムの理解に基づいた抗老化方法論の研究および社会実装を目的とした開発を行っている一般社団法人プロダクティブ・エイジング研究機構(代表理事:今井眞一郎)は、両者の共同研究により、S1PCがもたらす抗老化作用についての研究成果を発表いたしました。
湧永製薬とプロダクティブ・エイジング研究機構の共同研究により、熟成ニンニク抽出液中に含まれるS1PCと呼ばれる物質が、LKB1/STRAD/MO25の結合を促進、サーチュインの活性化により視床下部のNAD濃度を上昇させ、老齢マウスで老化指標の改善、筋力の増強などの抗老化作用をもたらすことを証明しました。ヒトにおける臨床試験も実施し、新たな抗老化方法論のエビデンスを提示いたしました。
【論文概要】
熟成ニンニク抽出液由来成分「S1PC」が、脂肪組織からのeNAMPTの分泌を促進し、視床下部を介して加齢に伴う筋力低下を改善することを証明した研究がCell Metabolismに掲載されます。一般社団法人プロダクティブ・エイジング研究機構(Institute for Research on ProductiveAging; IRPA)の吉岡潔志主任研究員と、湧永製薬株式会社中央研究所との共同研究チームは、熟成ニンニク抽出液に含まれる「S-1-プロペニル-L-システイン(以下、S1PC(※))」(図1)が、「脂肪-脳(視床下部)-筋肉」という臓器間コミュニケーションを介して健康を支え、老化に拮抗する作用を発揮することを明らかにしました。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/594899/LL_img_594899_1.png
図1 S1PC構造式
S1PCが、脂肪組織の中にあるLKB1と呼ばれる重要な酵素に働きかけて、老化・寿命制御に重要な酵素である「細胞外NAMPT(eNAMPT)」を含む細胞外小胞(eNAMPT-EV)の血中への分泌を促進することを、世界で初めて発見しました。分泌されたeNAMPT-EVは脳の視床下部に到達して細胞のエネルギー源である「NAD」の合成を高め、交感神経を介して加齢に伴う筋力の衰え(フレイル)や老化指標を改善することが、マウスを用いた実験で明らかになりました。さらに、ヒト臨床試験においても、25mgのS1PCの摂取により、健康な量の脂肪を蓄えた被験者の血中でeNAMPTが増加することが確認され、培養細胞、マウス、ヒトで共通した作用をもたらすことが明らかになりました。
以上の結果から本研究では、S1PCが今までに見つかったことのないLKB1の活性化剤として作用すること、S1PCが骨格筋を中心に抗老化作用をもたらすことを示し、その作用機序の解明だけでなく、生体に備わった「脂肪-脳-筋肉」という健康を支え、老化に拮抗する働きをしている重要な臓器間コミュニケーションの存在を明らかにしました。S1PCはこの臓器間コミュニケーションの活性化を介して全身の抗老化に寄与することから、次世代の抗老化ニュートラシューティカル(機能性食品成分)としての応用が期待されます。
本研究の成果は、2026年5月7日に国際学術誌『Cell Metabolism』にて発表されます。
(解説)
ニンニクはギリシャ時代から健康維持に良いとされ、世界中で人類に重宝されてきました。特に、熟成ニンニク抽出液に含まれるS1PCという成分には、様々な健康効果が報告されており、近年注目を集めています。本研究では、このS1PCが持つ全く新しい作用機序と、生体におけるその詳細な効果について解析を進めました。
近年、加齢に伴う細胞のエネルギー源「NAD」の低下が、様々な臓器の老化に深く関わることが明らかになってきています。NADの合成に必須の酵素であるNAMPT(nicotinamid ephosphoribosyltransferase)は、脂肪組織から細胞外小胞(extracellular vesicles; EVs)に内包されて血中に分泌され(eNAMPT-EVと呼ばれます)、脳の視床下部などに到達してNADを増やし、健康の改善と寿命の延伸に寄与することが知られています。
研究の結果、摂取されたS1PCは脂肪組織に取り込まれて、代謝を制御する上で重要な役割を担っているLKB1という酵素を活性化させることが明らかになりました(図2)。LKB1が働くためには、STRAD、MO25と呼ばれる二つの因子とともに複合体を作ることが重要なのですが、S1PCはLKB1とSTRADの結合を促すような働きを持つことが明らかになりました。この結合によってLKB1が活性化されると、哺乳類サーチュインの代表格である「SIRT1」をリン酸化によって活性化します(図2)。
SIRT1は脂肪細胞中でNAMPTに働きかけることにより、脂肪細胞からNAMPTがeNAMPT-EVとして血液中へ分泌されるのを促進します。
血液に乗ったeNAMPT-EVは、脳の視床下部へと直接届けられ、そこでNADが作り出されます(図2)。視床下部のNADが増えて機能が高まると、今度は脳から骨格筋へ向かう交感神経の活動が活発になります。この活発な指令を受け取った筋肉では、加齢による筋力低下が改善し、身体の虚弱(フレイル)が軽減されることが確認されました。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/594899/LL_img_594899_2.png
図2 脂肪組織におけるS1PCのeNAMPT-EV分泌促進作用のメカニズム
ここでもう一点、注目すべき発見は、NADの材料として知られる「NMN」との関係です。NMNは、体内でNADに変換される物質として、世界的に健康維持の分野で非常に高い関心を集めている「抗老化物質」の最有力候補です。本研究では、このNMNとS1PCを同時に摂取することで、eNAMPT-EVの分泌がさらに増強されることも明らかになりました(図3)。S1PCがeNAMPT-EVの分泌を促すSIRT1の活性化剤として働き、そこにSIRT1の動力源となるNADの原材料であるNMNが加わることで、SIRT1の働きがさらに増大し、健康を支える臓器間コミュニケーションがより強力に活性化されると考えられます。この点で、NMNとS1PCの組み合わせは、SIRT1の活性を増強する理想的な組み合わせであると言えます。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/594899/LL_img_594899_3.png
図3 血中eNAMPTに対するS1PCとNMNの組み合わせ効果
さらに本研究では、このS1PCによるeNAMPT-EVの分泌促進効果がヒトにおいても認められるかどうかを検証しました。健常な男女を対象とした臨床試験を行った結果、適度な脂肪量を維持している中年以上の被験者において、S1PCの経口摂取により血中のeNAMPT量が有意に増加することが確認されました。
これらの結果は、熟成ニンニク抽出液由来の成分であるS1PCが、単なる栄養成分にとどまらず、ヒトにおいても脂肪組織からのeNAMPT分泌促進を介した「生理的なNADブースター」として働き得ることを示しています。これまで悪者扱いされがちだった脂肪組織が、実は私たちの健康を支えるために重要なメッセージを脳に向けて発信している、ということが明確に示された、と言えます。本研究で明らかにされた、健康を支え、老化に拮抗する臓器間ネットワークの理解を深めることで革新的な抗老化アプローチへの発展が可能となります。中でもNMNとS1PCの組み合わせは、健康寿命延伸の夢を実現するための、次世代の抗老化ニュートラシューティカル(機能性食品成分)としての実用化が強く期待されるもの、と言えるでしょう。
【論文】
https://www.cell.com/cell-metabolism/fulltext/S1550-4131%2826%2900144-0
※“S1PC”は株式会社ワクナガホールディングスの登録商標です。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/594899/LL_img_594899_4.png
湧永製薬株式会社
■湧永製薬株式会社
湧永製薬は1955年の創業以来、「人々の健康に奉仕することを創業の精神とし、自主技術の開発による優れた製品を通じ、広く社会に貢献する」の理念をかかげ医薬品・健康補助食品の研究開発に取り組んでまいりました。 特にニンニク研究では世界トップレベルを目指し、熟成ニンニク抽出液の研究を約70年にわたり継続し、共同研究を含めた学術論文や学会発表は1,000件を超えています。
これからも世界中の人々の健康と幸福に貢献することを使命に、より信頼される企業を目指して歩み続けてまいります。
https://www.wakunaga.co.jp/company/research_development
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/594899/LL_img_594899_5.jpeg
代表取締役社長:湧永寛仁
【湧永寛仁】
1973年大阪府生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、1999年に湧永製薬取締役に就任。営業・生産部門を歴任し、2007年に代表取締役社長就任。医薬品・健康補助食品の両分野でグローバル展開を牽引し、2017年には欧州に営業拠点を設立。ペット分野では犬用健康補助食品「ワンサポート」と「セルアップオーラル」を上市。
業界団体理事のほかスポーツ団体でも要職を歴任し、MBAを取得するなど幅広く社会活動に携わる。
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一般社団法人プロダクティブ・エイジング研究機構
■一般社団法人プロダクティブ・エイジング研究機構
一般社団法人プロダクティブ・エイジング研究機構(Institute for Research on Productive Aging;IRPA)は、2019年に設立された研究機関であり、最先端の老化・寿命研究を通じて、日本が「健康長寿国家」として持続的に発展する社会の実現を目指しています。
IRPAの理念は、「プロダクティブ・エイジング(Productive Aging)の実現」です。これは、国民、とりわけ高齢者が心身の健康を維持し、個人の生活および社会への貢献の双方において、生産的で充実した人生を送ることを目指す概念です。
この理念のもとIRPAは様々な活動を推進してまいります。
https://www.irpa.ne.jp/
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代表理事:今井眞一郎
【今井眞一郎】
1964年東京生まれ。老化・寿命研究の第一人者であり、サーチュインの老化・寿命制御における重要性、抗老化物質NMNの機能を発見、世界で老化・寿命研究の最先端を牽引する。慶應義塾大学医学部卒、同大学院で細胞老化を研究。2001年よりワシントン大学(米国ミズーリ州・セントルイス)医学部発生生物学部門・医学部門で研究室を主宰。2017年、日経ビジネスの「次代を創る100人」に選出された。著書に『開かれたパンドラの箱 老化・寿命研究の最前線』(朝日新聞出版)など。
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プレスリリース提供元:@Press
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