IOWN APNと画像認識AIにより約300km離れた工場での外観検査に成功
配信日時: 2026-02-19 10:08:51
~ローカル環境と同水準のAI外観検査時間を達成~
日東工業株式会社(代表取締役社長:黒野 透、以下「日東工業」)、NTT西日本株式会社(代表取締役社長:北村 亮太、以下「NTT西日本」)とNTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、代表取締役社長:小島 克重、以下「NTTドコモビジネス」)は、IOWN※1 APN※2により約300km離れた関東のデータセンターと静岡県の掛川工場※3を接続し、ローカル環境と遜色ない速度・品質で、画像認識AIによる画像データの解析およびロボットアームの制御を実施する共同実験※4(以下 本取り組み)に成功しました。IOWN APNの持つ「大容量・低遅延・ゆらぎゼロ」の特長により、遠隔のデータセンターに工場内データとAI基盤を集約できるようになることで、外観検査業務の効率化と、複数工場の検査品質統一化に貢献できます。今後は、複数の製品への対象拡張やデータセンターと接続する工場拠点の拡大をめざしてまいります。
1.背景
製造業の現場では、熟練工の減少や製品バリエーションの増加に伴い、外観検査の高度化・効率化が急務となっています。特に複数工場を持つ企業では、各工場の検査品質のばらつきや人手依存による運用負荷が課題となっています。
しかし、高精度なAI外観検査を導入するには、工場ごとにAI基盤やサーバーを設置・運用する必要があり、設備投資や保守運用のコストが生じます。また工場外のデータセンターを活用しようとすると、工場とデータセンターが離れている場合は従来のネットワークでは遅延や通信のゆらぎが発生し、リアルタイム制御を伴う工程でのAI活用が困難でした。
こうした中、日東工業、NTT西日本、NTTドコモビジネスは、「大容量・低遅延・ゆらぎゼロ」を特長とするIOWN APNを用いてデータセンターと工場を接続し、画像解析可能なAI基盤を工場外のデータセンターに集約する遠隔からのAI外観検査の有効性を検証しました。
2.本取り組みについて
(1)概要
本取り組みでは、NTT株式会社支援のもと約300km離れた関東の日東工業のデータセンターと静岡県の掛川工場間をIOWN APNにて接続し、画像データおよびAI外観検査結果の伝送を実施しました。
1. 画像データ伝送によるAI判定
掛川工場のベルトコンベア上を流れる製品をラインカメラで撮影し画像をデータセンターへ伝送。画像認識AI「Deeptector(R)※5」(以下、Deeptector)により不具合箇所・種類をリアルタイムで特定。
2. AI外観検査結果データの伝送とロボット制御
DeeptectorのAI外観検査結果に基づき不具合の有無と不具合箇所の座標データを掛川工場のロボットに伝送。リアルタイムにロボットを制御し、不具合箇所へシールの貼付を実施。
<本取り組みのイメージ図>
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/32702/576/32702-576-d78146005201a454bb378f21f8f92cc1-2078x1222.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
(2)評価結果
本取り組みでは、ローカル環境と遜色ない速度・品質で画像データの解析およびロボットアームの制御を実証しました。
- 画像認識AIを工場外のデータセンターに離隔しても、ネットワークの遅延時間が日東工業の外観検査要件に影響を与えないことを確認。
- 日東工業は1日1000点を超えるパーツや製品の外観検査を実施しているが、画像認識AIを導入することで、判定基準に合致しないパーツや製品が流れた場合のみ、目視確認を実施し、検査員の負担軽減に効果があることを示すデータの獲得。
- IOWN APNにより遠隔の監視運用拠点に工場内データとAI基盤を集約することで、監視運用拠点から工場内の設備状況や外観検査結果の確認、システム運用が可能になり、運用効率化および複数工場の検査品質統一化に資するデータの獲得。
(3)各社の役割
・日東工業:実証フィールドとなる掛川工場およびデータセンター環境の提供、光反射に強く細かな疵が撮像可能なラインカメラ選定、遠隔からのAI外観検査およびロボットアームによるシール貼付工程の外観検査要件を踏まえた評価
・NTT西日本:All-Photonics Connect powered by IOWN※7の提供、県内接続のIOWN APN構成検討
・NTTドコモビジネス:docomo business APN Plus powered by IOWN※8の提供、県間接続のIOWN APN構成検討
3.今後の展開
日東工業とNTT西日本、NTTドコモビジネスは、本実証で得た知見を基に、AI外観検査の対象を複数の製品へ拡大し、工場全体のさらなる効率化を進めていきます。各社は引き続き連携し、IOWN APNを活用したAI外観検査の実生産ラインへの適用をめざします。
※1:IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速・大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。
IOWN構想とは:https://group.ntt/jp/group/iown/
※2:APN(All-Photonics Network)とは、IOWNを構成する主要な技術分野の1つとして、端末からネットワークまで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入した次世代ネットワークです。エンド・ツー・エンドでの光波長パスを提供する波長ネットワークにより、圧倒的な低消費電力、高速大容量、低遅延伝送の実現をめざすものです。
APN(All-Photonics Network)とは: https://group.ntt/jp/group/iown/function/apn.html
※3:日東工業の掛川工場:https://www.nito.co.jp/company/domestic/kakegawa/
※4:本共同実験で確認した成果については、2025年11月19日(水)~26日(水)にNTT武蔵野研究開発センタでNTTが開催された「R&Dフォーラム2025」の「IOWN×スマートファクトリー」の展示ブースにて紹介しました。
「NTT R&D FORUM 2025 IOWN∴Quantum Leap」公式サイト: https://www.rd.ntt/forum/2025/
※5:「Deeptector(R)」は、NTTドコモソリューションズ株式会社の登録商標です。
Deeptector(R):https://www.nttcom.co.jp/deeptector/
※6:Rei Rackとは、日東工業が提供する高発熱IT機器を冷却可能なクーラー実装型サーバラックです。本取り組みにおいて、APN装置等の通信機器を収容しました。
Rei Rack:https://ntec.nito.co.jp/content/ppreview.html?code=C686-C748-S11757
※7:All-Photonics Connect powered by IOWN とは、2024年11月18日報道発表 世界最高水準となる最大800Gbpsのユーザー拠点間帯域保証型通信サービスです。
All-Photonics Connect powered by IOWN:https://www.ntt-west.co.jp/news/2411/241118a.html
※8:docomo business APN Plus powered by IOWNとは、NTTドコモビジネスが提供するIOWN構想にもとづきAPN技術を取り入れた大容量・低遅延・ゆらぎのないネットワークサービスです。
docomo business APN Plus powered by IOWN :https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2025/0918.html
*「docomo business APN Plus」は、NTTドコモが商標登録を出願中です。
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