【調査結果公表】ヤングケアラー協会が学校教員に対するヤングケアラー支援の課題調査を実施

プレスリリース発表元企業:一般社団法人ヤングケアラー協会

配信日時: 2025-03-27 17:45:53

~学校現場における支援の実態と課題が見えてきた~



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93034/10/93034-10-9b5bb01bbdc97e0c2b7e89b7b6ed4090-313x315.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


一般社団法人ヤングケアラー協会(本社:東京都品川区、代表理事:宮崎成悟)は、全国の小・中・高等学校の教員を対象に、学校現場におけるヤングケアラー支援の実態と課題を把握するための調査を実施しました。本調査では、ヤングケアラーの把握や支援の難しさ、学校と外部機関の連携状況、教員が求める支援策などを分析しました。

調査結果から、学校現場においてヤングケアラーの支援に取り組もうとする姿勢が見える一方で、支援の充実に向けた改善点も明らかになりました。また、教員の負担や外部機関との連携における課題が示され、さらなる支援体制の強化が求められています。

本調査の結果をもとに、学校現場におけるヤングケアラー支援の課題を整理し、今後の対応に向けた情報を提供いたします。
◇ 調査概要

調査対象:全国の小・中・高等学校の教員
対象者数:309名
調査方法:オンラインアンケート

◇ 調査結果のポイント

1. ヤングケアラーの把握が難しい理由
ヤングケアラーの把握が難しい理由として、「家庭内の事情に立ち入ることへの躊躇」(64.7%)が最多で、次いで「生徒本人の自覚の欠如」(55.0%)と「普段の関わりではわからないことが多い」(51.1%)が挙げられました。プライバシーへの配慮や家庭環境への関与の難しさに加え、日常的な学校生活では気づきにくいことが課題となっています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93034/10/93034-10-80ce4d0d1df0c2e562d61b0e433cec7a-2947x1595.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


2. 支援や連携における課題
支援や連携の課題として、「適切な支援方法の見極め」(57.3%)や「生徒・家族との関係づくり」(54.7%)が挙げられました。さらに、「外部機関との連携の難しさ」(49.8%)という回答も多く、学校内の支援の課題に加え、自治体や関係機関との情報共有が十分に行われていない現状がわかります。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93034/10/93034-10-f9b07dc6152edcaa2f860d306af5aa1e-3767x1462.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


3. 学校で行われている支援の取り組み
学校内での支援策として、「校内での情報共有」(56.6%)や「個別支援」(54.4%)が中心となっています。校内で一定程度支援が行われているものの、「自治体との連携」は39.2%にとどまり、学校と外部機関の協力体制の強化が求められています。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93034/10/93034-10-d1063e24c5518ade52ced74a484f63bd-2947x1604.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


4. 学校が自治体や教育委員会に期待する支援
教員が求める支援として「専門家や支援員の派遣」(68.0%)、「外部機関との連携支援体制の構築」(56.3%)、「教員向け研修の充実」(50.1%)が挙げられました。現場の負担を軽減し、適切な支援につなげるために、役割分担と連携体制の整備が求められています。

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93034/10/93034-10-057693e4b919f5c32d402c94479582ac-3258x1595.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


5. 統一的な対応ルールと教職員向け研修の実施状況
ヤングケアラー支援に関する統一的な対応指針が「なかった」と回答した学校は71.2%に上り、支援方針の未整備が課題となっています。また、「ヤングケアラーに関する研修を受けたことがある」教員は22.3%にとどまり、ヤングケアラーの理解を深める機会が限られていることが示されました。

・統一的な対応指針の有無
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93034/10/93034-10-be65070f47ab1ff6790154ac6201fa46-2947x1659.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


・研修の機会
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93034/10/93034-10-ef9bf7169213297e46701ae221be8b9e-2947x1595.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


◇ 調査からわかったこと
本調査の結果から、学校現場でのヤングケアラー支援には以下の課題があることが示されました。
- 学校での対応指針の整備学校ごとに対応方法が異なる状況が見受けられる中、統一的な対応指針の整備が求められています。現場での適切な対応を支えるために、基準の明確化が必要です。
- 外部機関との連携強化学校内での支援活動が進められている一方で、自治体や福祉機関との連携が十分に行われていないことが課題となっています。情報共有や支援窓口の明確化が重要です。
- 教員向け研修の充実ヤングケアラーに関する研修を受けた教員は少なく、学校現場での支援方法を学ぶ機会が限られています。教員が必要な知識とスキルを習得できる研修の充実が望まれています。

本調査を通じて、学校現場におけるヤングケアラー支援の状況が見えてきました。今後は、学校・行政・関係機関が連携し、より効果的な支援体制の構築を目指すことが求められています。

本調査の詳細なレポートは、こちらからダウンロードいただけます。
短縮URL:https://x.gd/MVmnr

◇ 一般社団法人ヤングケアラー協会について
ヤングケアラー協会は、元ヤングケアラーを中心とした団体です。
ヤングケアラーのコミュニティの運営や、ヤングケアラーのキャリア支援、ヤングケアラーのLINE相談窓口、ヤングケアラーコーディネーター、自治体・企業・教育機関向けの講演・研修等、ヤングケアラー当事者の相談窓口やイベント運営に加え、社会に広く認知されるための啓発活動などを行っています。
- 代表者 : 宮崎 成悟
- 所在地 : 東京都品川区旗の台2丁目9-32 ベルビューヒル101号室                     
- 活動領域 : 全国
- HP : https://youngcarerjapan.com/

窓口、ヤングケアラーコーディネーター、自治体・企業・教育機関向けの講演・研修等、ヤングケアラー当事者の相談窓口やイベント運営に加え、社会に広く認知されるための啓発活動などを行っています。

◇本調査に関する取材等のお問い合わせ先
E-mail:seigo.miyazaki@youngcarerjapan.com
担当:宮崎 成悟

※Policy Fundからのご支援で本調査の実施や報告書の作成しました。
Policy Fundは、政策を軸にした社会課題解決を加速するための、政策提言への寄付基金です。
HP : https://policy.fund/

PR TIMESプレスリリース詳細へ