シリウム、今後20年間で3.3兆ドル相当の45,900機の航空機追加を予測

プレスリリース発表元企業:Cirium

配信日時: 2024-11-12 22:58:00

シリウム、今後20年間で3.3兆ドル相当の45,900機の航空機追加を予測

シリウムのフリート予測によると、2024年から2043年の間に45,900機の新たな旅客機、貨物機、ターボプロップ機が納入される見込み
現在、世界の稼働中の航空機数はパンデミック前の水準を上回る
2027年までの短期予測では、サプライチェーンの問題により航空機の納入が5%減少する見通し


(ロンドン)- (ビジネスワイヤ) -- 世界で最も信頼されている航空分析の提供元であるシリウムは、年次フリート予測を発表し、世界の商業旅客機および貨物機市場に関する将来の見通しを明らかにしました。

今回で12年目となる独立予測によると、今後20年間で航空会社が新しく、より持続可能な航空機に継続して投資するにつれて、45,900機の航空機が世界中で納入されると予想されています。その総価値は3.3兆米ドルに相当します。

今年の「Cirium Ascend Consultancy」による予測は、航空業界が引き続きサプライチェーンの問題に直面し、航空機の納入が遅れている中で発表されました。報告書では、部品不足によって、2024年から2027年の間の納入が2023年のデータと比較して5%減少することが予測されています。

また、データによると、2024年第4四半期中には合計26,100機の航空機が運航中で、パンデミックが始まった2020年1月と比較して5%の増加となっており、航空業界の強力な成長軌道と回復が示されています。この増加は、単通路機の納入と運航に基づいており(13%増)、一方で、双通路機の数はパンデミック前の水準を3%下回っています。さらに、稼働中のリージョナルジェット機の数もパンデミック前の水準を8%下回っており、ターボプロップ機は13%という最大の減少を記録しています。

今後20年を見据えると、シリウムのフリート予測では、2024年から2043年の間に納入予定の45,900機の新型航空機のうち、約98%が旅客機になるとされており、同社は、座席キロ(ASK)が年間4.4%の成長を遂げると予測しています。それにもかかわらず、今後20年間で約3,500機の貨物機が納入されると予想されており、業界の貨物機フリートは年間2.6%の成長が見込まれています。航空会社は現在の需要の急増を最大限に活用しようとしており、これらの納入の大部分(70%)は新造機ではなく、旅客機から貨物機への改造(P2F)によって行われると予想されています。

エアバスとボーイングは、商業航空機の2大OEMメーカーとしての地位を引き続き維持し、両社で約84%の航空機を納入すると予想されています。この割合は2043年までに価値ベースで90%に上昇するとされ、一方でCOMAC(中国商用飛機責任公司)は需要の6%を占めると予測されています。また、今後20年以内に新たなプログラムの可能性があることに加え、ATRやエンブラエルなど他のOEMに対して約1,800億ドルの需要が見込まれています。

アジア全体は今後も航空機成長の主要地域となっており、今後20年間で約45%の納入がアジア向けとなる見込みです。そのうち、中国が約20%を占めるとされており、ほぼ北米の合計に匹敵する規模となります。この成長は、インド国内の商業航空の拡大によっても加速されており、同国の旅客機数は2023年末の720機から、今後20年間で3,800機以上に増加すると予測されています。インドは今回、この報告書にて初めて別途で取り上げられています。

Cirium Ascend Consultancyのコンサルタント部門統括であるロブ・モリスは、次のように述べました。「航空業界が次の成長サイクルに入る中で、当社の新しいフリート予測は、航空会社が航空機を更新および拡大しようとしていることから、新たな航空機に対する需要が継続していることを示しています。」

「しかし、サプライチェーンの問題やその他の製造上の課題によって引き続きOEMに遅延が生じ、多くの航空会社にとって納入スケジュールが不確実になることは明らかです。この点は、当社の予測にも織り込まれています。」

「インドのような市場が大きな成長を見せる中、今後20年間は製造業者にとって競争が激化することが明確になっています。航空会社は継続して航空機に投資するでしょう。」

「この予測はまた、航空機の成長と新型航空機の効率性を両立させながら単位あたりの排出量削減を推進するという、持続可能性とネットゼロの課題も浮き彫りにしています。」

報告書の一環として、シリウムは今後20年間に単通路機が業界の成長を牽引すると予測していることも明らかにしました。年間成長率は3.9%が見込まれており、長距離路線の成長がパンデミック後に緩やかになっていることから、双通路機の3.3%を上回るとされています。また、リージョナル機は年間0.8%の緩やかな成長率で増加することが予測されています。

シリウムのフリート予測の要約をダウンロードするには、[こちらをクリック]してください。

編集者への注記

本予測は、30席以上の航空機およびそれに対応する貨物機を対象としています。既存の商業航空機や新型航空機の開発は、持続可能な航空燃料(SAF)の割合を増やした従来の推進技術に集中すると予想されているため、本予測には、電動、ハイブリッド、または水素動力の航空機プログラムは含まれていません。シリウムについて

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