阿南高専開発の超短パルスレーザー微細加工試験機をセミコンジャパン2023に出展
配信日時: 2024-01-31 10:00:00
阿南工業高等専門学校(徳島県阿南市 校長:箕島弘二 以下「阿南高専」)は、最先端の加工技術である超短パルスレーザー微細加工を行うことができる試験機を開発し、セミコンジャパン2023(令和5年12月13日(水)~15日(金)、東京ビッグサイト)において、開発した試験機と試作した加工サンプル展示を行いました。展示会には、ブース説明補助者として開発を手伝った本科2年生4名も参加しました。
今年度より阿南高専は、新規光関連技術により徳島県内での光関連産業生産額や雇用者数増加を目指す内閣府地方大学・地域産業創生交付金事業展開枠(次世代”光”創出・応用による産業振興・若者雇用創出計画)において、「微細レーザー加工技術活用事業」に取り組んでいます。微細レーザー加工とは、フェムト秒の超短パルスレーザーによる加工で、極めて短い時間間隔でパルス照射を行うため加工対象に与える熱影響が極めて小さくなり、熱に弱い材料の加工やナノからマイクロメートルオーダーの超微細な加工を実現することが可能な最先端のレーザー加工技術です。本事業での今年度の取り組みとして、様々な材料に対して微細レーザー加工を行うことができる試験機を開発しました。複数台のレーザーを搭載可能で、材料や工法に応じて最適な波長や加工系を選択でき、統合加工ソフトウェアにより容易に加工データを作成できる特徴があります。
開発した試験機と試作した微細加工サンプルを展示することで微細レーザー加工技術に関する産学連携を推進するため、半導体関連の大規模な展示会であるセミコンジャパン2023に出展しました(担当教職員:長谷川竜生教授、尾崎貴弥技術職員、岸敏生技術補佐員)。高専や大学向けのアカデミアブースでは面積が小さく大きな装置を展示できないため、一般用の2ブースを使って展示を行いました。一般ブースでの高専出展は阿南高専のみで、企業の出展ばかりの中に高専の出展があることにたいへん注目を集めました。
また、加工試験機開発には卒研生だけでなく、人材育成をかねて阿南高専電気コースのアントレプレナーシップ実習である「電気技術イノベーション実習」として2~4年生の学生も参加しており、その中の2年生4名が説明補助者として展示会に参加しました。学生はこのような大きな展示会の参加はもちろん初めてで、低学年にもかかわらず立派に来場者に説明を行いました。また、出展している企業ブースの見学も行い、半導体業界が巨大産業であることを知り、この業界への興味が高まったようです。
開催中は多くの来場者があり企業・教育研究機関より多くの反響がありました。今後は開発した試験機を中心として、県内外の企業等の新規事業・新製品開発を微細加工技術で支援する産学連携活動を推進し、学生の卒業研究やアントレプレナーシップ教育として取り組むことで、光・半導体関連技術者の育成に取り組んでいきます。
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◆電気技術イノベーション実習
阿南高専電気コース2~4年の全ての学生が参加して、学生自身が各10名超規模の模擬会社を起業し、個々の有する専門技術を組み合わせて様々なものづくりに挑戦していくアントレプレナーシップ実習です。学生自身が模擬会社経営に携わることで、社会から求められる人材像やコミュニケーション能力の重要性などに自ら気付くことができます。この実習での失敗・成功体験を通して、自己省察と成長のサイクルを自分自身で確立し、現状分析の仕方、問題解決能力、意思決定力が養われることを期待しています。
◆阿南工業高等専門学校について
阿南工業高等専門学校は、昭和38年に徳島県や地域産業界からの強い要望に応え、実践的技術者を育成する国立の高等教育機関として設立されました。8,000名余りの卒業生は、産業界を中心として地方公共団体や教育機関など幅広い方面で活躍しています。
平成26年4月からは、機械工学科・電気電子工学科・制御情報工学科及び建設システム工学科の4学科を創造技術工学科1学科に集約し、これまでの学科を引き継ぐ機械、電気、情報、建設の4コースに、新たに化学を加えた1学科5コースの体制で、複合・融合型技術者を育成しています。
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【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 阿南工業高等専門学校
所在地:徳島県阿南市見能林町青木265
校長:箕島 弘二
設立:1963(昭和38)年4月
URL:https://www.anan-nct.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
◆本リリースに関するお問い合わせ先
独立行政法人国立高等専門学校機構
阿南工業高等専門学校
総務課総務係(総務広報担当)
TEL:0884-23-7100
e-mail:soumukoho@anan-nct.ac.jp
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