2023年第1四半期スマートフォングローバル市場の出荷量を発表〜前年同期比14%減少の中、Appleは第1四半期としてのシェアが過去最高に〜
配信日時: 2023-06-01 09:00:00
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ (英文名: Counterpoint Technology Market Research 以下、カウンターポイント社)は、ホリデーシーズン後の四半期でさらなる市場縮小に直面し、2023年第1四半期スマートフォングローバル市場の出荷は、前年同期比で14%、前四半期比で7%の減少となったという調査結果を含むMarket Monitor Serviceによる最新調査を発表致しました。
図1: 主なスマートフォンメーカー別四半期ごとのグローバルスマートフォン出荷推移
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMTkxNTIjNzc3NDVfZldDbkJOZ2VPay5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社Market Monitor Preliminary Data, Q1 2023
※OPPOの数字にはOnePlusを含む
スマートフォングローバル市場動向に関して、カウンターポイント社シニアアナリストHarmeet Singh Walia氏は次の通り述べています。
「2013年以来の低調なホリデーシーズンの後を受けて、2023年第1四半期のスマートフォン出荷はさらに落ち込んだ。原因は、中国の回復が期待より遅かった上、大西洋の両側での金融不安もあり、市場の動揺が消費者心理を冷え込ませていることなどに起因する。さらに、主要企業が、消費者の買い控えが起こって在庫が増えたことから発売機種数を絞り、その絞った機種が丈夫で長持ちする機種が中心だったことも、数字が伸びない理由となった。」
必然的に、スマートフォングローバル市場の売上と営業利益も落ち込みましたが、出荷数量の減少ほどではありませんでした。もともと単価の高いAppleの出荷が例年ほどは落ち込まず、2023年第1四半期に5,800万台を出荷したことも理由の一つです。結果としてAppleはスマートフォン売上全体のほぼ半分を占める結果となりました。またSamsungは、出荷台数こそ、前年同期比では19%減少し(それでも前四半期比で4%増加)6,060万台に下落しましたが、平均売価でみるとGalaxy S23の発売により、前年同期比17%、前四半期比35%上昇して340米ドルとなり、同社の売上の落ち込みは少なく済んだ結果となりました。AppleとSamsungは、共に利益率が最も高いトップ二社のポジションを守り、両社合わせてスマートフォングローバル市場における営業利益の96%を占めています。
図2: 主な携帯電話ベンダーの出荷台数・売上高・営業利益シェア
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM3Nzc0NSMzMTkxNTIjNzc3NDVfQmhsckZiVEhsSi5wbmc.png ]
出典: カウンターポイント社Market Monitor Preliminary Data, Q1 2023
※OPPOの数字にはOnePlusを含む
Appleの業績に関して、カウンターポイント社リサーチディレクターJeff Fieldhask氏は次の通り述べています。
「Appleが市場平均より高い業績を出しているのには、いくつかの理由がある。まず、同社のエコシステムの吸引力が強く、経済環境が厳しい中でもユーザーが安価なスマートフォンに買い替えづらかったことがあげられる。次に、多くの人々がサステナビリティを重視するようになる中で、Appleは二次(中古)市場でも半分近くを獲得しているだけではなく、お金を多く出しても長持ちする機種を求めるユーザーを惹きつけている。第三に、同社は西側諸国のZ世代が好むブランドであり、持続的な成功のためのポジショニングを確立している。さらに、同社は中国の高価格帯端末市場からHuaweiが撤退した穴を埋めてきた。このように、Appleは経済を含む様々な逆風に対して競合より上手に対処しながらも、そんな逆風の中でもブレない強固なブランドロイヤリティを持つユーザーを相手に好業績を続けてきた。また、Appleがこの業績を達成したということは、高い需要に応えることができた、ということである。同社は、2022年第4四半期には鄭州の工場でのトラブルによってiPhone 14シリーズの需要に対応しきれなかったが、シェアを落としたり他社に乗り換えられたりすることなく、これを乗り切ったことになる。」
SamsungとAppleを除いた世界の主要スマートフォンメーカーとして、中国のXiaomi、OPPO*、vivoが挙げられますが、これらのメーカーは2023年第1四半期に二桁の出荷減となり、出荷の回復にはいましばらく時間を要しそうにあります。季節性の商売がスローダウンする時期と、中国の経済回復が遅れていることが重なって現れています。また、OPPO*は海外市場でも苦労しており、Nokiaとの知財紛争に敗れ、ドイツ市場からの撤退を余儀なくされました。これら3社の売上と利益率は厳しく、OPPO*とvivoはともに出荷もASP(平均売価)も落ち込み、結果として売上は二桁の落ち込みとなりました。XiaomiはASPが若干上昇したものの、それでも2023年第1四半期の売上は二桁落ち込む結果となりました。
スマートフォン市場全体として、このあと数四半期は厳しい状況が続くと思われますが、短期的な見通しに関して、カウンターポイント社リサーチディレクターTarun Pathak氏は次の通り述べています。
「スマートフォン市場に与えている要因は、どれもすぐに解消しそうにはない。また、OPEC諸国による原油減産の決定でインフレ率が上昇するとみられるため、消費者の購買力は下がる。結果として、スマートフォン出荷の減少が落ち着きを見せても、年末の祝祭シーズンまで市場が明確に回復することは考えにくいだろう。」
※OPPOの数字にはOnePlusを含む
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://report.counterpointresearch.com/posts/report_view/Pulse/3903
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2023年1月1日~2023年3月31日)
【カウンターポイント社概要】
Counterpoint Technology Market ResearchはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/
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