米国FDAが武田薬品のタクザイロ®(ラナデルマブ・フライオ)を2歳以上の小児における遺伝性血管性浮腫(HAE)発作の予防薬として承認

プレスリリース発表元企業:Takeda Pharmaceutical Company Limited

配信日時: 2023-02-08 00:36:00

米国FDAが武田薬品のタクザイロ®(ラナデルマブ・フライオ)を2歳以上の小児における遺伝性血管性浮腫(HAE)発作の予防薬として承認

タクザイロは米国で2歳以上6歳未満の小児HAE患者向けに承認された予防薬として初にして唯一の医薬品1-4
承認は第3相HELP試験の有効性データの外挿、および2歳以上12歳未満の小児患者を対象とした第3相SPRING試験の追加データに基づく1
HAEは生命を脅かす可能性のある衰弱性の希少疾患で、予測不可能で重篤な血管浮腫発作をもたらし、小児期の早期に発症する可能性がある5,6


(大阪 & 米マサチューセッツ州ケンブリッジ)-(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品(TSE:4502/NYSE:TAK)は本日、タクザイロ®(ラナデルマブ・フライオ)の使用を2歳以上12歳未満の小児における遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作予防に拡大する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を米国食品医薬品局(FDA)が承認したと発表しました1。今回の承認以前、6歳以上12歳未満の小児に対し承認された唯一のルーチン予防治療選択肢は、3~4日毎の投与を必要とするもので、2歳以上6歳未満の小児HAE患者には承認された予防治療がなかったため、タクザイロはこの年齢層にとって初の予防治療薬となります1-5。推奨用量は、単回投与プレフィルドシリンジ150 mg/1 mL溶液を、2歳以上6歳未満の患者は4週間毎、6歳以上12歳未満の患者は2週間毎です1

HAE発作は、腹部、顔面、足、生殖器、手、喉に対して深刻な衰弱性の腫脹を引き起こすことがあります5,7。致命的となり得る上気道血管性浮腫は、3歳という低年齢の患者で報告されています6。2017年から実施された調査(N=445)で、平均的なHAEの診断には症状の発現から平均で8.4年かかっています8。HAE患者を対象としたこの調査では、50%が不安を経験し、34%が社会活動に困難を感じ、58%がキャリアアップに症状が悪影響を及ぼしていると報告しています8

米国遺伝性血管性浮腫協会(HAEA)の会長兼最高経営責任者(CEO)であるアンソニー・カスタルド氏は、次のように述べています。「2歳という低年齢の小児患者を対象とした本日のタクザイロの承認は歓迎すべきものであり、これによりHAEを患う子どもたちが利用できる重要な治療選択肢が加わることになります。」

今回のsBLA承認は、12歳以上18歳未満の患者を対象とした第3相試験であるHELP試験の有効性データの外挿と、成人と小児の患者の類似した薬物曝露を示す追加の薬物動態分析、さらには2歳以上12歳未満のHAE患者21人を対象とした非盲検第3相試験であるSPRING試験の安全性・薬力学データに基づいています1。SPRING試験の主要評価項目は、タクザイロの安全性および薬物動態の評価でした9。試験で最も発生頻度が高かった治療関連有害事象は、注射部位疼痛(29%)、注射部位紅斑(14%)、注射部位腫脹(5%)、投与部位疼痛(5%)、注射部位反応(5%)でした9。HAE発作の予防は、副次的目的として評価しました9。タクザイロは52週間の治療期間で、小児患者におけるHAE発作の発生率をベースラインとの比較で平均94.8%、1カ月当たりの発生回数を1.84回から0.08回に減少させました(N=21)9。患者の大半(76.2%、n=16)は発作がなく、無発作日の割合は平均99.5%でした9。有効性に関するこれらの結果は、非盲検非対照試験から得られたもので、本試験は統計的仮説検定のためにデザインされたものではありません。これらのデータから何らかの結論を得るためには、さらなる検証的試験が必要です。

武田薬品U.S.ビジネスユニットのプレジデントでU.S.カントリーヘッドのジュリー・キムは、次のように述べています。「今回のタクザイロの適応拡大承認は、HAEコミュニティーにとって大きな前進であり、本疾患を抱える最も若い患者の一部に対し、利用可能な長期予防治療を提供することになります。武田薬品は、希少疾患領域の献身的なリーダー企業であり、今回の承認は、当社のタクザイロへの確信に加え、継続的な研究、臨床プログラム、実臨床でのデータ収集を通じてHAE患者さんのニーズに応える当社の献身ぶりを明確に示すものです。」

タクザイロは当初、成人および12歳以上の小児におけるHAEの発作を防ぐ予防薬として2018年に米国で承認されました1。現在、世界中の60を超える国で使用可能であり、実薬治療期間が最も長くHAEにおける最大規模の予防試験の1つを含む充実した臨床開発プログラムによって支えられています10,11

タクザイロ®(ラナデルマブ・フライオ)注射剤について

タクザイロは、血漿カリクレインに特異的に結合し、その活性を低下させる完全ヒトモノクローナル抗体で、2歳以上の患者におけるHAE発作の予防を適応としています。タクザイロは、単回投与プレフィルドシリンジもしくは単回投与バイアルに入れられた溶液を皮下注射にて、自己投与(12歳以上の患者)するか介護者が投与することを想定しています。患者または介護者は、医療専門家による訓練を受ける必要があります。2歳以上12歳未満の小児患者の場合、タクザイロは医療従事者または介護者が単回投与プレフィルドシリンジの溶液を皮下注射にて投与します。各患者の年齢層における推奨用量については、完全な処方情報をご覧ください。2歳未満の小児に対するタクザイロの安全性と有効性は確認されていません1

タクザイロの安全性情報(米国向け)

タクザイロは、アレルギー反応を含む重篤な副作用を引き起こす場合があります。下記の何らかの症状が発現した場合、直ちに医療従事者に連絡するか、緊急救助を呼んでください。

喘鳴呼吸困難胸部圧迫感速い心拍失神発疹じんましんタクザイロ投与で最も多く観察された副作用は、注射部位反応(疼痛、赤み、あざ)、上気道感染、頭痛、発疹、めまい、下痢、筋肉痛でした。

これらはタクザイロであり得る副作用のすべてではありません。詳細情報については、医療従事者または薬剤師にお尋ねください。副作用はFDA(1-800-FDA-1088)に報告することができます。

タクザイロは、妊娠中または授乳中の女性を対象とした研究が実施されていません。妊娠中、妊娠予定、授乳中、授乳予定の方はタクザイロの服用によるリスクについて医療従事者にご相談ください。

患者向け情報を含め、完全な処方情報をご覧ください。

遺伝性血管性浮腫について

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、腹部、顔面、足、生殖器、手、喉など、身体のさまざまな部位で浮腫(腫れ)の発作を繰り返し起こす希少な遺伝性疾患です。腫脹は身体を衰弱させ痛みを伴うことがあります5,7。気道を塞ぐ発作は、窒息の原因となり、生命を脅かす可能性があります7。HAEは、世界中で5万人に1人が罹患していると推定されています12。HAEは多くの場合、認識・診断・治療が不十分となっています12

武田薬品について

武田薬品は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、患者さん、従業員、そして地球に対する約束に従って、人生・生活を変える治療薬を創出し、お届けすることに傾倒しています。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少な遺伝性疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組んでおり、免疫・炎症性疾患を得意分野としています。また、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

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医療情報

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References

タクザイロ®(ラナデルマブ・フライオ)注射剤。米国向け処方情報ヘイガーダ®(C1エステラーゼ阻害剤皮下注射剤[ヒト])。米国向け処方情報シンライズ®(C1エステラーゼ阻害剤[ヒト])。米国向け処方情報Farkas H, Martinez-Saguer I, Bork K, et al. International consensus on the diagnosis and management of pediatric patients with hereditary angioedema with C1 inhibitor deficiency. Allergy. 2017 Feb;72(2):300-313. doi:10.1111/all.13001.Busse PJ, Christiansen SC, Riedl MA, et al. US HAEA Medical Advisory Board 2020 guidelines for the management of hereditary angioedema. J Allergy Clin Immunol Pract. 2021 Jan;9(1):132-150.e3. doi: 10.1016/j.jaip.2020.08.046.Bork K, Hardt J, Schicketanz KH, Ressel N. Clinical studies of sudden upper airway obstruction in patients with hereditary angioedema due to C1 esterase inhibitor deficiency. Arch Intern Med. 2003 May;163(10):1229–35. doi:10.1001/archinte.163.10.1229.Banerji A. Hereditary angioedema: Classification, pathogenesis, and diagnosis. Allergy Asthma Proc. 2011 Nov-Dec;32(6):403–407. doi:10.2500/aap.2011.32.3492.Banerji A, Davis KH, Brown TM, et al. Patient-reported burden of hereditary angioedema: findings from a patient survey in the United States. Ann Allergy Asthma Immunol. 2020 Jun;124(6):600-607. doi:10.1016/j.anai.2020.02.018.Maurer M, Lumry WR, Li HH, et al. Efficacy and safety of lanadelumab in pediatric patients aged 2 to <12 years with hereditary angioedema: results from the open-label, multicenter Phase 3 SPRING study. Presented July 1-3, 2022 Prague, Czech Republic at European Academy of Allergy and Clinical Immunology Hybrid Congress 2022.武田薬品の社内データBanerji A, Bernstein JA, Johnston DT, et al; for HELP OLE Investigators. Long-term prevention of hereditary angioedema attacks with lanadelumab: the HELP OLE Study. Allergy. 2022 Mar;77(3):979-990. doi:10.1111/all.15011.Longhurst HJ, Bork K. Hereditary angioedema: an update on causes, manifestations, and treatment. Br J Hosp Med. 2019 Jul;80(7):391-398. doi:10.12968/hmed.2019.80.7.391.本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。



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