親が英語を話せなくても子どもの英語習得のためにできる2つのこと

プレスリリース発表元企業:ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所

配信日時: 2022-10-18 07:30:00

ポール研究員の動画アニメーション画面

0〜6歳を対象とした早期英語教育、早期バイリンガル教育に関して、様々な意見が交わされています。
そこで「ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所」(※以下、IBS)<東京都新宿区 所長:大井静雄>では、保護者の皆様や教育関係者の皆様から寄せられる疑問に対し、当研究所員のポール・ジェイコブスがこれまでに発表されている研究結果をもとに、アニメーションを使いながらわかりやすく楽しく解説する動画を定期的に配信しています。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/329049/img_329049_1.png
これまで2回の動画配信を行い、「解説がわかりやすい!」「ためになる!」と、たくさんの感想が寄せられました。第3回目となる今回の配信は、
「親が英語を話せません。乳幼児の英語習得で親ができることはありますか?」という疑問です。ポール研究員の動画の内容と、これまでの研究を補足しながら解説いたします。

<悩み>
親が英語を話せません。乳幼児期の英語習得で、親は子どものためにどんなことができますか?
<バイリンガル サイエンス研究所の回答>
英語が話せない親であっても、子どもの英語習得のために親ができることはある。例えば……

1 子どもの行動に反応することで、ことばを学びやすい状況をつくれる
2 一緒に映像を見て、学ぶべきことばに注意を向けさせてあげると、子どもは学びやすくなる

■ エビデンス1「親の反応が子どもの言語習得に与える効果」がわかる研究
生後12カ月の乳児36人とその親を対象に、玩具を使って親子で遊ぶやりとりの観察研究があります。
グループ1 親が子どものジェスチャーや発声に対する反応(近寄る、微笑みかける、子どもに触れる、名前を呼ぶなど)をすぐに示す。
グループ2 親が上記のような反応を遅れて示す。

<結果> グループ1(親がすぐに反応する)の子どもは、ジェスチャー(特に、玩具を親に見せたり、玩具に手を伸ばしたりする仕草)や発声数が増え、より大人に近い発音になっていました。つまり、「親が子どもの行動にすぐ反応することが、子どもの言語発達に良い影響を与えられる」ことがわかりました。これは母語に関する研究ですが、「親が話すことば」だけでははく「親の反応」も子どもの言語発達を手助けすると考えられます。

■ エビデンス2「親の行動が子どもの語彙学習に与える効果」がわかる研究
2歳4カ月〜2歳8カ月の子ども88人を2つのグループに分け、映像から知らない語彙を学習できるかを調べた実験です。
グループ1 親は一緒に映像を見て、子どもと画面との間で視線を行き来させたり、映像に出てくる動きやセリフを真似したりする。
グループ2 親は一緒に映像を見ず、子どもの隣で書類の記入に集中する。

<結果> グループ1の子どもたちは、映像から新しいことばを学習した。グループ2の子どもたちは、グループ1に比べ、正確に学ぶことができなかった。つまり、「親が子どもと一緒に映像を見て、学ぶべき情報に子どもの注意が向きやすくなるような行動をすると、子どもはことばを学びやすくなる」ことがわかりました。子どもは1歳になるまでの間に、他者の行動をヒントに、「どの情報に注意を向けるべきか?」を判断できるようになります。映像で学習する場合も、同じ映像を見ている他者の行動を通じて、画面上からどの情報を学ぶべきかがわかりやすくなると考えられます。


■ まとめ:子どもは様々な状況を手がかりにして、ことばを学んでいる
親は、「英語を流暢に話せないと、子どもは英語を学べないのではないか」と考えがちです。しかし、子どもは親が口に出す語彙や文からだけではなく、様々な状況を手がかりにしてことばを学びます。
小さいころから親が子どもに英語で話しかけられないからといって、子どもがバイリンガルになれないわけではありません。今回の動画でご紹介した研究結果は、英語力に自信がない親を勇気づける内容です。
親は、「子どもに英語をもっと教えなきゃ」「私が手本にならないと」といったプレッシャーを感じる必要はなく、「一緒に英語にふれる“仲間”になろう」という姿勢が大切であることをポール研究員がわかりやすく動画で解説しています。

主任研究員:ジェイコブス・ポール Paul Jacobs
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/329049/img_329049_2.jpg
IBSにてバイリンガリズムや第二言語習得に関するレビュー論文、海外論文のレビュー記事、海外研究者のインタビュー記事の執筆などを行う。第二言語習得、異文化や多言語環境、幼児期からの早期英語教育に精通し、2022年、VR/AIを活用した最先端の英語学習法研究のレビュー論文を発表。米国コロラド州出身、日本育ちのバイリンガル。小学生時に来日し、中学高校と日本で過ごす。コロラド大学に進学後、再来日。ワールド・ファミリーバイリンガルサイエンス研究所の主任研究員として、日本では入手困難な海外の先行研究事例や科学的実証に基づいた外国語教育情報を積極的に発信している。現在、沖縄在住。趣味はサッカー観戦と料理。3歳の娘を日本語と英語のバイリンガルに育てるべく、妻と協力し家庭内の会話はすべて英語。

詳しい内容はIBS研究所で公開中の下記動画をご覧ください。
https://bilingualscience.com/movie/2022101101/


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