4-6月期のDRAM売上、米マイクロンが売り上げ成長率でサムスン・SKハイニックス上回る―サーバー向け製品が寄与

2026年9月8日 12:51

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記事提供元:Tech Times

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2026年第2四半期の世界DRAM市場では、従来型DRAMの契約価格上昇とAIサーバー需要を背景に、業界全体の売上高が前四半期から大幅に増加した。大手3社では、サーバー向けDRAMを重視した米マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)の売上成長率が韓国のサムスン電子(Samsung Electronics)とSKハイニックス(SK Hynix)を上回った。

一方、売上高ではSamsungが首位を維持し、SK Hynixが2位、Micronが3位となった。SK HynixはHBM市場で首位を保っているものの、製品構成に占めるHBMの比率が高かったため、従来型DRAMの価格上昇による平均販売価格の押し上げ効果が相対的に小さかった。

■DRAM市場の売上高は前四半期比59.5%増

TrendForceによると、2026年第2四半期の世界DRAM業界の売上高は1547億2600万ドル(約23兆8300億円、1ドル=154円換算)となり、前四半期比59.5%増加した。

大規模言語モデルの学習やAI推論を支えるサーバー需要が拡大し、HBM3E、LPDDR5X、大容量RDIMMの出荷が増えた。追加供給の多くがサーバー用途へ振り向けられた一方、DRAM全体のビット出荷量の伸びは小幅にとどまったため、売上高の増加には契約価格と平均販売価格の上昇が大きく寄与した。

大手3社のうち、Samsungの売上高は前四半期比63.4%増の609億8100万ドル(約9兆3910億円)となり、市場シェア39.4%で首位を維持した。SK Hynixは同37.9%増の385億9000万ドル(約5兆9430億円)で、市場シェアは前四半期の28.8%から24.9%へ低下した。

Micronは同65.5%増の360億ドル(約5兆5440億円)となり、大手3社で最も高い成長率を記録した。市場シェアは前四半期の22.4%から23.3%へ上昇し、SK Hynixとの差は売上高で約25億9000万ドル、市場シェアでは1.6ポイントまで縮小した。

■サーバー向けDRAMを重視したMicron

Micronの伸びを支えたのは、高単価のサーバー向けDRAMを重視した製品構成である。TrendForceによると、同社は生産能力に制約があるなかでも、大容量RDIMMなどのサーバー向け製品を優先した。

RDIMMは、メモリーコントローラーとDRAMの間にレジスターを置き、サーバーで多数のメモリーチップを安定して扱いやすくするモジュールである。AIサーバーや一般的なデータセンター向けサーバーの需要拡大により、大容量製品を中心に需要が強まった。

従来型DRAMの契約価格が大幅に上昇したことで、サーバー向けDRAMの比率を高めていたMicronは平均販売価格の上昇を売上高に反映しやすかった。もっとも、四半期単位の増収率だけで、長期的な市場順位の逆転が決まったわけではない。今後は需要に対応できる生産能力を確保できるかが焦点となる。

■Samsungはビット出荷量の伸びでも大手3社をリード

Samsungは、大手3社のなかで最も高いビット出荷量の伸びを記録した。出荷量の増加と平均販売価格の上昇が重なり、DRAM売上高で首位を維持した。

同社はHBM4の量産と出荷も開始している。HBMは複数のDRAMダイを積層し、広いインタフェースを通じてプロセッサーと大量のデータをやり取りする高帯域幅メモリーで、AIアクセラレーターの性能を支える主要部品となっている。

Counterpoint Researchによると、2026年第2四半期のHBM売上高シェアは、SK Hynixが50%で首位、Samsungが33%で2位、Micronが18%で3位だった。端数処理のため、3社の合計は100%をわずかに上回る。

Samsungのシェアは第1四半期の21%から33%へ上昇した一方、SK Hynixは58%から50%、Micronは21%から18%へ低下した。ただし、第2四半期のHBM売上高の中心は依然としてHBM3Eであり、HBM4の出荷拡大が本格的に表れるのは2026年後半と予測されている。

■HBM比率の高さがSK Hynixの平均販売価格上昇を抑制

SK HynixはHBM市場で首位を維持したが、DRAM全体の売上成長率ではSamsungとMicronを下回った。

TrendForceは、大手3社のなかでSK Hynixの総ビット出荷量に占めるHBMの比率が最も高く、そのため平均販売価格の上昇幅が相対的に限られたと分析している。第2四半期は従来型DRAMの契約価格が大きく上昇したため、従来型サーバーDRAMの比率が高い企業ほど、その効果が売上高に現れやすかった。

これは、SK HynixのHBM事業そのものが競争力を失ったことを意味しない。同社はHBM売上高で世界首位を保っており、Samsungとの差も17ポイントある。今回の売上成長率の差は、各社が扱う製品の構成と、製品ごとの価格動向の違いを反映したものといえる。

■Micronは台湾・銅鑼の工場取得を計画

Micronは生産能力の拡大に向け、台湾のPowerchip Semiconductor Manufacturing Corporation(PSMC)が保有する銅鑼のP5工場を取得する計画も進めている。

Micronは2026年1月、同工場を18億ドル(約2772億円)で取得する独占的な基本合意書をPSMCと締結したと発表した。対象には、300mmウエハーに対応する約30万平方フィート(約2万7871平方メートル)の既存クリーンルームが含まれる。

Micronの発表時点では、取引の完了は2026年第2四半期を予定し、契約の締結や必要な規制当局の承認を条件としていた。同社は取得後に製造装置を導入し、段階的にDRAM生産を立ち上げ、2027年後半から有意なウエハー生産量への寄与を見込んでいる。

銅鑼工場はMicronの台中拠点に近く、既存の人材や製造基盤を活用できる可能性がある。ただし、取得計画が将来の市場シェアに与える影響は、取引の完了、生産装置の導入時期、歩留まり、需要動向などにも左右される。

■成熟プロセス製品では台湾メーカーが成長

大手3社が先端プロセスやサーバー、HBM向け製品を重視するなか、DDR4やDDR3などの成熟プロセス製品を扱う台湾メーカーも売上高を伸ばした。

Nanya Technologyの第2四半期DRAM売上高は前四半期比68.3%増の26億1200万ドル(約4022億円)、Winbond Electronicsは同75.8%増の9億9800万ドル(約1537億円)となった。

PSMCの自社生産によるコンシューマー向けDRAM売上高は1億1500万ドル(約177億円)で、前四半期比167.8%増加した。ただし、この数値は主に自社ブランドのDRAM製品を対象としており、ファウンドリー事業を含めた場合の増収率は54%となる。

大手メーカーが先端製品に生産資源を移すことで、成熟プロセス製品の需要の一部を満たしにくくなり、その需要が台湾メーカーへ向かった。TrendForceは、Micronからの製造プロセス技術のライセンス供与が実現すれば、PSMCが次の供給拡大を進める可能性があるとしている。

■HBMの拡大で従来型DRAMの供給余力は限られる

HBMと従来型DRAMは製造工程や生産設備の一部を共有する。DRAMメーカーがHBMや高性能サーバー製品を優先すれば、同じ生産基盤を利用するコンシューマー向け製品への配分は減りやすくなる。

HBMは複数のDRAMダイを垂直に積層し、TSV(シリコン貫通ビア)と呼ばれる垂直配線で接続する。一般的なDRAMモジュールより工程が複雑で、積層や接合を含む高度な製造・実装能力を必要とする。

こうした製品構成の変化は、DDR4やDDR3など成熟製品の供給にも影響を及ぼしている。大手3社から十分な供給を確保できない顧客が台湾メーカーへ調達先を広げていることも、Nanya、Winbond、PSMCの売上増加につながった。

TrendForceは、2026年から2027年にかけて、大手3社が新工場によるウエハー投入量の大幅な増加より、先端プロセスへの移行を通じてビット供給量を増やすと予測している。工程の最適化、クリーンルームの取得、他製品からの生産スペース再配分による増産も見込まれるが、ウエハー投入量の伸びは限定的になる見通しだ。

■第3四半期は価格上昇率が鈍化する見通し

TrendForceは、2026年第3四半期の従来型DRAM契約価格について、前四半期比13~18%の上昇を予測している。引き続き値上がりが見込まれるものの、第2四半期までの急激な上昇からは勢いが鈍化する見通しだ。

背景には、一部の大容量RDIMM需要が中・小容量製品へ移っていることや、PC、スマートフォンメーカーがさらなる部品価格の上昇を製品価格に転嫁しにくくなっていることがある。

一方、メーカーが供給を大幅に削減しているコンシューマー向けDRAMでは、相対的に強い価格上昇が予測されている。AIサーバー向け需要が拡大するなか、限られた生産能力をHBM、先端DRAM、従来型製品へどのように配分するかが、各メーカーの売上成長率と市場シェアを左右する状況が続きそうだ。

■DRAM供給を巡る米国の訴訟も継続

米国では、DRAMの供給と価格形成を巡る集団訴訟が進行している。2026年6月25日、消費者やコンピューター関連事業者がSamsung、SK Hynix、Micronなどを相手取り、米カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所に反トラスト訴訟を提起した。

原告側は、3社がHBMへの生産移行を利用して従来型DRAMの供給を協調して制限し、価格を押し上げたと主張している。これは原告側の主張であり、各社の責任が認定されたものではない。

被告各社は2026年9月2日、訴えの却下を求める申立てを提出した。訴訟は審理の初期段階にあり、市場の供給不足や価格上昇が違法な協調行為によるものかどうかについて、裁判所の判断は示されていない。

元記事: Micron Posted Fastest DRAM Revenue Growth in Q2 2026; SK Hynix’s HBM Lead Was Its Liability

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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