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東京海上HDが1株を15株に分割―MS&AD・SOMPOと株主還元を比較

東京海上HDは普通株式1株を15株に分割する方針を示した。[写真拡大]
東京海上HDは2026年8月25日、普通株式1株を15株に分割する方針を示した。9月30日を基準日とし、10月1日付で効力が発生する。MS&AD、SOMPOを含む損保大手3社について、業績と株主還元を比較する。
株価が変わらないと仮定すれば、東京海上HDの最低投資額は分割前の約74万円から約5万円へ下がり、個人投資家にも買いやすくなる。同社は株式分割と合わせて、株主優待制度も導入する。100株以上を3年以上継続して保有する株主を対象に、電子マネーなどを贈呈する。
初回基準日は2027年3月31日。100株以上を3年以上継続保有して優待対象となった株主には、初回に7500円相当の電子マネーなどを贈呈し、その翌年以降も100株以上の保有を継続すれば毎年2500円相当を贈呈する。株式分割によって投資単位は小さくなるが、企業価値や保有株式の実質的な価値が変わるわけではない。損保株への投資では、買いやすさや優待だけでなく、業績と配当、自己株式取得を含む株主還元を確認したい。
東京海上HDの2027年3月期第1四半期は、親会社の所有者に帰属する四半期利益が前年同期比3.3%増の2643億円だった。一時的な損益などを調整した同社独自の指標である修正純利益は、同97億円減の2613億円となった。通期の修正純利益は9500億円を予想している。年間配当の会社予想は分割前換算で約245円となり、前期の218円を上回る。配当を株主還元の基本としながら、自己株式取得も機動的に実施する方針だ。
MS&ADの第1四半期は、保険収益が前年同期比14.1%増の1兆6861億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同33.4%増の3286億円だった。通期の同利益は4250億円を予想している。年間配当は、前期の160円に対して、2027年3月期は170円を会社予想としている。
SOMPOの第1四半期は、保険収益が前年同期比28.0%増の1兆6169億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同52.8%増の1811億円だった。通期の同利益は4900億円を予想している。年間配当は、前期の150円に対して、2027年3月期は200円を会社予想としている。
3社には、海外保険事業の拡大や政策保有株式の売却、株主還元の強化という共通点がある。一方、自然災害による保険金支払額や海外事業の収益、為替変動などによって業績が大きく変わる可能性もある。第1四半期の利益だけでなく、本業の収益力や通期予想に対する進捗も確認したい。
東京海上HDは、15分割によって損保大手3社の中でも買いやすさが大きく変わる。ただし、株主優待には3年以上の継続保有が必要であり、新たに購入すればすぐに受け取れるわけではない。買いやすさと優待なら東京海上HD、足元の四半期利益ならMS&AD、年間配当予想の伸びならSOMPOという違いを踏まえ、継続的な利益成長と株主還元を両立できるかを見極めたい。(記事:林田孝治・記事一覧を見る)
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