サムスン、汎用メモリ後工程のベトナム移管を検討か 韓国でHBM能力拡大

2026年8月16日 23:00

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記事提供元:Tech Times

Photo: luboivanko © 123RF.com

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Samsung Electronics(サムスン電子)が、韓国の天安(チョナン)と温陽(オニャン)で手掛ける汎用DRAMおよびNANDフラッシュのパッケージング・テスト工程の一部を、ベトナムへ移管する案を検討していると報じられた。韓国国内の後工程能力を、AIアクセラレータ向け需要が拡大している広帯域幅メモリ(HBM)へ振り向ける狙いとされる。

韓国メディアDealSiteの情報を基にしたDigiTimesの2026年8月14日付報道によるもので、サムスンは計画を正式には発表していない。対象となる業務の範囲や移管時期も明らかになっていない。

■HBM増産で重要性を増す後工程

HBMは複数のDRAMダイを垂直方向に積層し、シリコン貫通電極(TSV)を介して接続するメモリである。広い入出力インターフェースによって高いメモリ帯域幅を確保できるため、GPUをはじめとするAIアクセラレータで重要な役割を担う。

HBMの製造では、DRAM自体を製造する前工程だけでなく、TSVの形成、ウェハーの薄化、ダイの積層・接合、検査といった後工程にも専用の設備と処理能力が必要になる。半導体製造装置大手Applied Materialsによると、HBMの製造フローでは一般的なDRAMの製造に対して約19の材料工学工程が加わる。

汎用DRAMやNANDのパッケージング設備をそのままHBM積層に利用できるわけではない。限られたクリーンルーム内でHBM向け設備を増やすには、既存設備の移設や生産ラインの再配置が必要になる。このため、今回報じられた移管案は、韓国でHBM向け後工程能力を確保するための選択肢と位置付けられる。

サムスンは天安をHBMの主要な後工程拠点として活用している。TrendForceは2026年6月、同社が天安のHBM後工程能力を拡大し、年末までに熱圧着(TCB)方式とハイブリッド銅接合(HCB)方式の処理能力を引き上げる計画だと伝えた。温陽もサムスンの主要な半導体パッケージング拠点であり、報道では両拠点の高度な後工程能力をHBMへ重点配分する構想が示されている。

■ベトナムでは半導体テスト工場を建設

サムスンはベトナムに長期にわたる生産基盤を持つ。サムスンの公式情報によると、同国では6カ所の製造拠点を運営し、2022年にはハノイに研究開発センターを開設した。2024年末までの累計投資額は232億ドルに達している。

さらにサムスンは、ベトナム北部のタイグエン省で同国初となる半導体テスト工場を計画している。ロイターが確認した当局向けの提案書によると、投資額は39兆ドン、約15億ドル(約2,385億円、1ドル=159円換算)で、2027年11月の稼働開始を予定する。

工場の建設予定地はハノイの北約60キロメートルにあり、2026年5月時点ですでに工事が始まっていた。主に成熟世代のDRAMとNANDを対象とし、提案書に記載された年間処理能力はDRAMが1,533億ギガビット、NANDが2,556億ギガビットである。

ベトナム当局は2026年3月に投資を承認した一方、ロイターの報道時点では、建設や操業に必要な許認可をすべて取得したかどうかは明らかになっていなかった。サムスンも同報道へのコメントを控えている。

今回報じられた移管構想とタイグエン省の新工場がどのように連動するのかは、公表されていない。新工場の稼働予定は2027年11月であり、韓国側の設備再編や業務移管の具体的な日程も現時点では確認できない。

■HBM4は2026年2月に量産開始

サムスンは2026年2月、第6世代の10ナノメートル級DRAMプロセス「1c」と4ナノメートルのロジックベースダイを採用したHBM4の量産・出荷開始を発表した。

同社発表によると、HBM4は2,048本の入出力端子を備え、ピン当たり11.7Gbpsで動作する。12層製品の容量は24GBから36GBで、1スタック当たりの帯域幅は最大3.3TB/秒に達する。サムスンは最大13Gbpsでの動作にも対応できるとしている。

HBMは一般的なDRAMよりもウェハーを多く消費する。TrendForceは、主要メモリメーカー3社におけるHBM向けウェハー投入量が、2026年末にはDRAM全体の約22%に達すると予測している。その一方、HBMのビット供給量がDRAM全体に占める割合は約9%にとどまる見通しで、HBMへの生産配分が汎用DRAMの供給能力に与える影響は大きい。

HBMの生産量を増やすには、DRAMウェハーの投入量だけでなく、積層、接合、検査を安定して処理できる後工程能力を並行して拡張する必要がある。汎用メモリの後工程をベトナムへ移管する案は、こうした設備配置を見直す動きとして注目される。

■汎用メモリを全面的に手放す動きとは限らない

サムスンは一部の成熟製品で生産体制を見直している。TrendForceによると、同社は2025年3月にMLC NAND製品の生産終了を通知し、最終出荷を2026年6月に設定した。TrendForceは、他社による生産縮小も含め、世界のMLC NAND生産能力が2026年に前年比41.7%減少すると予測している。

一方、ベトナムの新工場は成熟世代のDRAMとNANDのテストを想定している。したがって、今回の構想は汎用メモリ事業からの全面撤退ではなく、製品と工程に応じて韓国とベトナムの役割を組み替える動きとみるのが妥当である。

計画が実施されれば、韓国ではHBMを中心とする高度な積層・接合工程を拡充し、ベトナムでは汎用メモリのテストなどを担う分業体制が進む可能性がある。ただし、移管の実施、対象設備、投資額、雇用への影響、具体的なスケジュールはいずれも正式に発表されていない。

■注目ポイントQ&A


●メモリの「後工程」とは何ですか?

前工程で製造したウェハーを切り分け、接続、積層、封止、検査などを行い、出荷可能な半導体製品に仕上げる工程です。HBMでは複数のDRAMダイを積層・接合するため、高度な後工程技術と専用設備が必要です。

●なぜ汎用メモリの業務をベトナムへ移す案が出ているのですか?

報道によると、天安と温陽の設備やクリーンルームをHBM向けに振り向けるためです。サムスンはベトナムに大規模な生産基盤を持ち、タイグエン省では成熟世代のDRAMとNANDを扱うテスト工場も建設しています。

●移管は正式に決まったのですか?

決まっていません。サムスンは移管計画を正式には発表しておらず、対象となる業務や設備、実施時期も明らかになっていません。

●移管すればHBMの供給量はすぐに増えますか?

設備の移設や新しいラインの構築、量産条件の確立には時間がかかります。後工程能力の拡張につながる可能性はありますが、具体的な増産量や供給開始時期は確認されていません。

元記事: Samsung Weighs Shipping Legacy Memory Backend to Vietnam to Unlock HBM Capacity

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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