Google初の紛失防止タグ「Pixel Tag」発表、UWBとBluetooth Channel Soundingに対応

2026年8月13日 23:01

印刷

記事提供元:Tech Times

(Google)

(Google)[写真拡大]

Googleは初の純正紛失防止タグ「Pixel Tag」を正式発表した。UWB(超広帯域無線)とBluetooth Channel Soundingに対応し、Find Hubアプリで視覚的な距離や方向の手掛かりを使った高精度探索が可能になる。米国では11月11日に発売(日本では11月中の発売予定)され、価格は1個29ドル(日本では5,010円)、4個セット99ドル(日本では16,940円)だ。

■UWBとChannel Soundingに対応した高精度探索

Googleが正式発表したPixel Tagは、同社初の純正紛失防止タグだ。GoogleのFind Hubネットワークを利用し、鍵や財布、荷物などの位置を確認できる。

Pixel Tagの価格は1個5,010円、4個セットで16,940円で、11月11日にGoogle Storeで発売される。Googleは、鍵やバッグに取り付けるためのキーチェーンループも別売りする予定だ。

一般的なBluetoothトラッカーでは、地図上の位置や音を手掛かりに紛失物を探す。これに対し、高精度探索では、対応するスマートフォンに視覚的な距離や方向の手掛かりを表示し、近くにあるタグまでユーザーを案内する。

Pixel TagはUWBとBluetooth Channel Soundingに対応する。Googleは、これらの技術によって高精度探索を利用できるとしている。ただし、公式情報では、各技術を利用できるスマートフォンの詳細な対応機種一覧や、Bluetooth Channel Soundingだけを利用した場合の方向検出機能、測距精度、最大距離は示されていない。

9to5Googleのハンズオンによれば、Pixel TagのUWBによる高精度探索では、対応するスマートフォンから50m以内で視覚的な距離と方向の手掛かりを利用できる。UWB機能を使うには、スマートフォン側もUWBに対応している必要がある。

Bluetooth Channel Soundingは、Bluetooth接続機器間の距離を高精度に測定するための技術だ。Bluetooth SIGによると、位相ベース測距(PBR)とラウンドトリップタイム(RTT)を利用して距離を算出する。

PBRでは、複数の周波数で送受信した信号の位相差から距離を測定する。RTTでは、2台の機器間で信号が往復する時間を利用し、PBRの測定結果を補完するとともに、中間者攻撃への対策にも役立てる。

Bluetooth SIGは、Channel Soundingが数十cm単位の誤差で距離を測定できるよう設計され、初期実装ではプラスマイナス20cm程度の精度が確認されているとしている。ただし、これはBluetooth Channel Soundingという技術全般の説明であり、Pixel Tagにおける実測値ではない。

Pixel TagのBluetooth Channel Soundingを利用するには、対応するBluetooth 6.0搭載Android端末が必要になる。Googleの公式情報ではAndroid 9以降を対応条件としているが、高精度探索の具体的な機能や利用条件は、スマートフォンのハードウェアやソフトウェア、地域によって異なる可能性がある。購入前に対応機種と利用可能な機能を確認する必要がある。

■薄型デザインとキーリング穴の省略

Pixel Tagは、約28×46.1mm、厚さ5.4mmの細長い形状を採用している。厚さ8mmのAirTag(第2世代)より約3分の1薄く、財布やパスポートケースなどにも収めやすい設計だ。

Googleによると、本体には耐久性のあるステンレススチールを採用し、曲げやひび割れに耐えられるよう設計されている。背面にはポリカーボネートが使われ、カラーはFogの1色となる。

電源にはユーザーが交換できるCR2032コイン型電池を使用する。Googleは最長1年のバッテリー駆動時間を掲げているが、利用頻度や環境、交換用電池のメーカーなどによって実際の駆動時間は変わる。

本体にはキーリング用の穴がないため、鍵やバッグに取り付ける場合は別売りのキーチェーンループなどが必要になる。

重量は電池装着時で11.8g、電池を除くと8.8gだ。IP67相当の防塵・耐水性能を備え、試験条件では水深1mの真水に最大30分間沈めても耐えられる。ただし、GoogleはPixel Tagが完全防水ではなく、耐水・防塵性能は通常の使用によって低下する可能性があると説明している。

本体のボタンを押して、接続したスマートフォンを鳴らすこともできる。通常のスマートフォンからタグを探す操作とは逆に、タグからスマートフォンを見つけられる機能だ。

また、「置き忘れ」アラートを有効にすると、タグを置いたまま離れた可能性がある場合に通知を受け取れる。アラートのタイミングや有効性は、ネットワーク接続や端末の設定によって異なる。

セットアップではAndroidのFast Pairを利用する。電池の絶縁タブを引き抜き、タグを対応するAndroid端末に近づけて、画面の案内に従えばペアリングできる。基本的なFind Hub機能はAndroid 9以降の対応端末で利用可能だ。

Pixel Tagは最大10人と共有できるため、家族などが共同で使う鍵や荷物を複数人で探すこともできる。Pixel WatchのFind Hubアプリやブラウザーからタグの位置を確認したり、Pixel BudsからGeminiにタグを鳴らすよう依頼したりする機能にも対応する。

■Find Hubネットワークの仕組みと航空会社連携

Pixel Tagが所有者のBluetooth通信範囲外にある場合は、Find Hubネットワークを利用して位置を探せる。Googleによると、このネットワークには10億台を超えるAndroidデバイスが参加している。

近くにあるAndroid端末が紛失したタグのBluetooth信号を検出すると、その位置情報をFind Hubネットワーク経由で所有者に伝える。Googleは、位置情報がエンドツーエンドで暗号化されるとしている。

Find Hubは、Googleが2025年5月に従来の「デバイスを探す(Find My Device)」を発展させて導入した名称だ。端末や紛失防止タグだけでなく、家族や友人の位置共有なども扱うサービスとなっている。

Googleは2026年3月、Find Hub対応タグの位置を航空会社と共有する機能を導入した。紛失した荷物に取り付けたタグをFind Hubアプリで選び、安全な共有URLを生成して、提携航空会社のアプリやウェブサイトに送信できる。

共有リンクは所有者がいつでも無効にできるほか、7日後に自動的に期限切れとなる。スマートフォンが荷物の返却を検出した場合も共有は停止される。

Googleによると、AJet、エア・インディア、チャイナエアライン、ルフトハンザグループ、サウディア、スカンジナビア航空、ターキッシュ エアラインズなど、10社を超える航空会社がFind Hubの位置情報共有に対応している。カンタス航空も今後対応する予定だ。

GoogleはSITAおよびReunitusと連携し、それぞれの手荷物追跡システムであるWorldTracerとNetTracerにFind Hubの位置共有機能を統合している。

一方、AppleもAirTagなどの位置を航空会社と共有する「Share Item Location」を提供している。Appleによると、50社を超える航空会社が同機能のリンクを受け入れており、航空会社連携の数ではAppleの方が多い。

■AirTag第2世代やSmartTag2との比較

Pixel Tagは、AppleのAirTagやSamsungのGalaxy SmartTag2、Motorolaのmoto tag 2などが競合する紛失防止タグ市場に参入する。

Appleは2026年1月にAirTagの第2世代モデルを発売した。米国価格はPixel Tagと同じく1個29ドル、4個セット99ドルだ。

AirTag第2世代にはApple設計の第2世代UWBチップが搭載され、Appleによると、初代より最大50%遠い位置から「正確な場所を見つける」機能を利用できる。Appleは具体的な最大距離を公表していないため、Pixel Tagの50mと単純に比較することはできない。

AirTagはAppleの「探す」ネットワークに対応し、セットアップと管理には対応するiPhoneまたはiPadとApple Accountが必要だ。Android端末から自分のAirTagを登録して管理することはできない。

AirTag第2世代の厚さは8mm、重量は11.8gで、ユーザー交換式のCR2032電池とIP67相当の防塵・耐水性能を備える。本体にキーリング穴はなく、鍵やバッグに取り付けるにはアクセサリーが必要だ。

SamsungのGalaxy SmartTag2は、SmartThings Findネットワークを利用するSamsung Galaxy端末向けの製品だ。本体にキーリング穴を備え、省電力モードでは最長700日のバッテリー駆動時間を掲げている。

Motorolaのmoto tag 2はCES 2026で発表され、Pixel Tagと同様にUWBとBluetooth Channel Sounding、Google Find Hubに対応する。

Motorolaによると、moto tag 2のBluetooth Channel Soundingを使うには、Channel Soundingが有効になったBluetooth 6.0対応スマートフォンとAndroid 16以降が必要だ。500日を超えるバッテリー駆動時間とIP68相当の防塵・耐水性能も特徴となる。

moto tag 2はPixel Tagに先立って発表されたため、Pixel Tagを「UWBとBluetooth Channel Soundingの両方に対応する初のFind Hubトラッカー」と位置付けることはできない。Pixel Tagの特徴は、Googleが自ら開発した初の純正Find Hubタグであることと、厚さ5.4mmの薄型設計にある。

■初日から組み込まれた不要な追跡への対策

紛失防止タグが本人の知らない間に人の追跡に悪用される問題を受け、AppleとGoogleは異なるプラットフォーム間で不要なトラッカーを検出する仕組みを導入している。

Pixel Tagが登録所有者ではない人物と一緒に移動していると、対応するスマートフォンに不明なトラッカーについての警告が表示される。警告を受けたユーザーはタグから音を鳴らして場所を確認し、無効化するための案内を確認できる。

Pixel Tagは、こうした不要な追跡への対策を有効にした状態で出荷される。ただし、警告が表示されるタイミングや有効性は、ネットワーク接続や端末の設定などによって異なる。

■11月に購入すべきか?

Pixel Tagが適しているのは、Google純正のFind Hub対応タグを求めるAndroidユーザーだ。

UWB対応Android端末を持っている場合は、対応条件を満たせば、最大50mの範囲で視覚的な距離と方向の手掛かりを利用した高精度探索が可能になる。

Bluetooth Channel Soundingに対応する端末では、同技術による高精度な測距を利用できる。ただし、対応するBluetooth 6.0端末であっても、Pixel Tagで利用できる機能の範囲やソフトウェア要件は機種によって異なる可能性がある。Googleが公開する互換性情報を購入前に確認したい。

UWBやBluetooth Channel Soundingに対応していない端末でも、Android 9以降などの基本要件を満たせば、地図表示や音を鳴らす機能、Find Hubネットワークを利用した遠隔探索などを利用できる。

1個29ドルという価格はAirTag第2世代と同水準だ。Pixel TagはGoogle純正製品としてFind HubやAndroid端末との連携を重視するユーザーにとって有力な選択肢となる。

一方、iPhoneを中心に利用しているユーザーは、Appleの「探す」ネットワークに対応するAirTagなどを選ぶ方が管理しやすい。

■注目ポイントQ&A

●Google Pixel TagはUWBによる高精度探索をサポートしていますか?

はい。Pixel TagはUWBに対応しています。9to5Googleのハンズオンによると、対応するUWB搭載Android端末では、50m以内で視覚的な距離と方向の手掛かりを利用できます。具体的な対応機種や地域ごとの利用条件は、Googleの互換性情報を確認してください。

●Bluetooth Channel Soundingとは何ですか?なぜPixel Tagにとって重要なのですか?

Bluetooth Channel Soundingは、Bluetooth機器間の距離を高精度に測定する技術です。位相ベース測距とラウンドトリップタイムを組み合わせ、専用のUWB無線を使わずにBluetooth接続を通じて距離情報を取得できます。

Pixel TagはBluetooth Channel Soundingに対応しています。ただし、スマートフォン側も対応するBluetooth 6.0ハードウェアやソフトウェアを備えている必要があります。GoogleはPixel Tagにおける同技術単独での最大距離や方向検出の仕様、対応機種の詳細を明らかにしていないため、購入前の確認が必要です。

●Channel SoundingとUWBをサポートするmoto tag 2とPixel Tagはどう違いますか?

CES 2026で発表されたmoto tag 2も、UWB、Bluetooth Channel Sounding、Google Find Hubに対応します。moto tag 2は500日を超えるバッテリー駆動時間とIP68相当の防塵・耐水性能を掲げています。

Pixel TagはGoogle初の純正Find Hubタグで、厚さ5.4mmの薄型設計が特徴です。バッテリー駆動時間は最長1年で、防塵・耐水性能はIP67相当です。対応機種、販売地域、価格、サイズなどを比較して選ぶことになります。

●荷物が紛失した場合、Pixel Tagの位置を航空会社と共有できますか?

はい。提携航空会社であれば、Find HubアプリからPixel Tagの位置を共有する安全なURLを生成し、航空会社のアプリやウェブサイトを通じて送信できます。

Googleによると、2026年3月時点で、AJet、エア・インディア、チャイナエアライン、ルフトハンザグループ、サウディア、スカンジナビア航空、ターキッシュ エアラインズなど、10社を超える航空会社が対応しています。

共有リンクは所有者がいつでも停止でき、7日後に自動的に期限切れになります。スマートフォンが荷物の返却を検出した場合も共有は自動的に停止されます。

元記事: Google Pixel Tag Ships November 11: Channel Sounding Extends Precision Finding Beyond UWB

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード

関連記事