コカ・コーラ、2026年Q2は予想上回る W杯で販売数量が約17年ぶりの伸び、通期見通しも上方修正

2026年7月29日 13:10

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記事提供元:Tech Times

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コカ・コーラは28日(火)、2026年第2四半期決算を発表し、主要な全指標でアナリスト予想を上回った。米国、カナダ、メキシコで初めて共同開催されたFIFAワールドカップが追い風となり、パンデミック期の特殊な比較を除けば、四半期の販売数量は約17年ぶりの大幅な伸びを記録した。さらに、コネクテッドパッケージによって生まれた8000万件のデジタル上の消費者接点を通じ、1四半期で2500万件のファーストパーティデータを収集し、ワールドカップ後も長期にわたって活用できるターゲティング資産を構築した。

■主要指標はすべて予想を上回る

7月3日を末日とする第2四半期の純売上高は前年同期比7%増の134億ドル(約2兆1976億円、1ドル=164円換算)に達し、ウォール街のコンセンサス予想である131億ドルを上回った。アナリストが最も注視する比較可能EPS(1株当たり利益)は0.97ドルで、コンセンサス予想の0.93ドルを上回り、2025年同期比で11%増加した。為替変動や一時的要因を含む報告ベースのEPSは16%増の1.03ドルとなり、純利益は前年同期の38億1000万ドルから44億3000万ドル(約7265億円、同)に増加した。

買収、事業売却、為替変動の影響を除いた非GAAP指標であるオーガニック売上高は6%増加した。原液販売の4%増と、価格および製品ミックスによる2%の押し上げが寄与した。比較可能営業利益率は前年同期の34.7%から35.6%に拡大した。オーガニック売上高の成長と営業費用の減少が、原材料などの投入コスト上昇やマーケティング支出の増加を上回った。年初来の営業キャッシュフローは75億ドル、フリーキャッシュフローは69億ドルに達した。

決算発表後、コカ・コーラ(NYSE:KO)の株価は米国市場の取引開始前に3%以上上昇した。2026年初頭にCEOに就任したエンリケ・ブラウン氏は、決算について説明するため、米東部時間午前10時15分にCNBCへ出演する予定となっている。

■歴史的な意味を持つ販売数量の伸び

今四半期の世界のユニットケース販売数量は5%増加し、同社のすべての地域別報告セグメントでプラス成長を記録した。全地域がそろって増加するのは珍しい。CNBCの報道によると、この5%という数字は、パンデミック期の特殊な比較を除けば、同社にとって約17年ぶりの大幅な四半期販売数量の伸びに相当するという。

この数字を際立たせるのが、今月上旬に決算を発表した競合ペプシコの状況である。ペプシコのラモン・ラガルタCEOは、ガソリン価格の上昇が家計を圧迫し、コンビニエンスストアの客足を減少させているとして、米国の消費者の状況は「われわれが予想していたよりも悪い」と述べた。米国のレギュラーガソリン価格は5月下旬、1ガロン当たり4.56ドルと4年ぶりの高値に達した。ペプシコがLay's、Tostitos、Doritosを最大15%値下げした後も、同社の北米部門では販売数量への圧力が続いた。こうした状況を踏まえると、コカ・コーラがすべての地域で同時に販売数量を伸ばしたことは、構造的に異なる結果だといえる。

今四半期の販売数量全体の伸びに最も大きく貢献した4カ国は、インド、中国、米国、ブラジルだった。

■FIFAワールドカップが構築したデータプラットフォーム

決算発表資料に掲載されたブラウンCEOのコメントは、2026年のFIFAワールドカップが販売数量を押し上げたとしており、公式の数値もその見方を裏付けている。しかし、この話題だけに注目する投資家は、実際に生まれた成果の価値を過小評価している可能性がある。

コカ・コーラはワールドカップのキャンペーンを180以上の市場で同時に展開した。大会開幕前には、FIFAワールドカップのトロフィーツアーが約30市場の70カ所以上を巡り、約70万人のファンにリーチした。体験型施策や小売プログラムは2000万以上の小売店舗で展開された。ソーシャルおよびデジタルチャネルでは、2500人以上のコンテンツクリエイターに支えられ、キャンペーンは600億回以上のインプレッションと90億回以上の視聴を獲得した。この規模により、大会期間中、「コカ・コーラ」ブランドはシェア・オブ・ボイスで首位となった。

販売数量への効果も表れた。今四半期は「コカ・コーラ」ブランドが5%増、「パワーエイド」が8%増となり、いずれもワールドカップのキャンペーンが一部寄与した。

しかし、データ面での成果はさらに重要かもしれない。物理的な缶やボトルをデジタル上の体験につなぐQRコードやNFC対応製品ラベルなどの「コネクテッドパッケージ」を通じ、コカ・コーラは8000万人以上の消費者にリーチし、キャンペーン期間中に2500万件以上のファーストパーティデータを収集した。ファーストパーティデータとは、ブランドが自社チャネルを通じて消費者から直接収集する情報である。主要ブラウザの提供企業が2024年にサードパーティーのトラッキングCookieを制限し始めて以降、デジタル広告における持続可能な主要ターゲティング手段となっている。データブローカーから購入するサードパーティーデータとは異なり、ファーストパーティーデータは消費者の同意に基づいて収集され、ブランド自身が保有し、デジタルチャネルを横断したリターゲティングに継続的に利用できる。業界のベンチマークによると、コネクテッドパッケージのスキャン率は14%以上に達する可能性があり、約0.01%とされる標準的なデジタル広告のクリック率を大幅に上回る。

端的に言えば、今回のワールドカップはコカ・コーラ史上最大の単一のファーストパーティデータ収集イベントでもあった。同社は、今後ワールドカップが開催されるかどうかにかかわらず、将来のマーケティング活動にこの資産を活用できる。

■販売数量を利益率に変えるビジネスモデル

コカ・コーラの事業構造にあまりなじみのない読者のために説明すると、今四半期の利益率拡大は、単に飲料を多く販売した結果ではない。同社は、資産保有を抑えた原液中心のビジネスモデルを採用している。独自の原液、シロップ、飲料ベースを製造し、コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズやコカ・コーラFEMSAなどの大手中核ボトラーを含む、約225の独立したボトリングパートナーに販売している。これらのパートナーが最終製品の製造、包装、流通、店頭での販売促進を担う。工場、トラック、ラストマイル物流といった資本集約的なコストはボトラーが負担する。一方、コカ・コーラはブランドの所有権、製法に関する知的財産、原液販売による収益を保持する。

これが、第2四半期の比較可能営業利益率が35.6%に達した理由である。自社で生産設備を保有する多くの消費財メーカーには到達しにくい水準だ。オーガニック売上高の成長は、垂直統合型の競合企業と比べて、より効率的に最終利益へ反映される。

■ゼロシュガーの成長は大会効果ではない

ポートフォリオの中で最大の構造的トレンドを最も明確に示しているのが「コカ・コーラ ゼロシュガー」である。同製品の販売数量は今四半期、すべての地域セグメントで16%増加した。2025年通期の14%増、2026年第1四半期の13%増に続く結果であり、大会による一時的な押し上げではなく、持続的な2桁成長を示している。

構造的な推進力となっているのは、世界のゼロシュガー飲料市場である。同市場は2025年に708億ドルと評価され、2033年まで年平均9.7%で成長すると予測されている。カロリーを含まない代替飲料に対する需要は、健康意識の高まり、世界60以上の国・地域における砂糖税、セマグルチドやチルゼパチドなどのGLP-1減量薬の普及拡大によって加速している。こうした薬は、高カロリーの食品や飲料に対する食欲を抑える可能性があるとみられている。ゼロシュガーはもはや一部の消費者向けの「ダイエット」飲料ではなく、コカ・コーラの世界の消費者のうち、拡大する層にとって標準的な選択肢になりつつある。

「ダイエットコーク」と「コカ・コーラ ライト」の合計販売数量は、北米とアジア太平洋地域に牽引され、今四半期に7%増加した。フレーバー炭酸飲料は、主にアジア太平洋地域の需要に牽引され、4%増加した。

■水とスポーツ飲料が牽引、コーヒーは減少

水、スポーツ飲料、コーヒー、紅茶のカテゴリーは、非炭酸飲料の中で最も好調で、販売数量は全体で6%増加した。水はアジア太平洋、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、中南米に牽引され6%増加した。スポーツ飲料は北米、EMEA、アジア太平洋に牽引され5%増加し、紅茶も6%増加した。一方、コーヒーはアジア太平洋地域の低迷が響き、2%減少した。全般的に好調だったポートフォリオの中で、唯一の弱点となった。

ジュース、付加価値乳飲料、植物由来飲料は、アジア太平洋と北米に牽引され2%増加した。

■全地域で成長も、収益性には一部課題

今四半期は、すべての地域別報告セグメントでユニットケース販売数量が増加し、異例の広がりを見せた。販売数量の伸びで首位となったのはアジア太平洋地域の8%増で、主にインドと中国の好調な業績を背景に、フレーバー炭酸飲料と「コカ・コーラ」ブランドが牽引した。中南米は販売数量が3%増加し、ブラジルとメキシコを中心に金額ベースのシェアを拡大した。北米は販売数量が3%増加し、「コカ・コーラ」ブランドと、ジュース、乳飲料、植物由来飲料が牽引した。EMEAは4%増で、「コカ・コーラ」ブランドと、水、スポーツ飲料、コーヒー、紅茶のカテゴリーが牽引した。

一方、収益性の状況は一様ではなかった。北米は、オーガニック売上高の成長と営業費用の減少により、為替変動の影響を除いた比較可能営業利益が12%増加した。EMEAは収益性における唯一の弱点であり、販売数量は増加したものの、マーケティング投資と営業費用の増加が重荷となり、為替変動の影響を除いた比較可能営業利益は5%減少した。アジア太平洋地域の同利益は横ばいだった。オーガニック売上高の成長と営業費用の減少が、投入コストとマーケティング支出の増加を相殺した。また、同地域では日本と中国でのシェア拡大をインドでの低下が上回り、全体の金額ベースのシェアは低下した。

■通期見通しを上方修正

経営陣はこの好調な四半期を受け、複数の指標について2026年通期のガイダンス(業績見通し)を上方修正した。比較可能EPSの成長率見通しは従来の8~9%から9~10%へ引き上げられた。オーガニック売上高の成長率見通しは、従来の4~5%から約5%へ引き上げられた。フリーキャッシュフローの見通しも、約122億ドルから約124億ドルへ引き上げられた。

比較可能純売上高に対する為替変動の影響については、引き続き約1%の追い風を見込む。一方、買収および事業売却による影響は2~3%の逆風になると予測している。従来見込んでいた4%の逆風より小さく、売却手続きが進行中のコカ・コーラのアフリカにおけるボトリング事業について、売却時期の前提を更新したことを反映している。

今回のガイダンス上方修正に先立つ2026年第1四半期には、オーガニック売上高が10%増加し、比較可能EPSも18%増加していた。同社は高い比較対象がある中でも、第2四半期に成長を維持した。なお、同社は米国内国歳入庁(IRS)との税務紛争が続いていることを開示しており、その影響はガイダンスから除外されている。同社に不利な結果となった場合、影響は現在の予測と異なる可能性がある。

■fairlifeへのランサムウェア攻撃の影響

コカ・コーラは7月16日、SEC(米証券取引委員会)に提出したForm 8-Kで、乳飲料子会社のfairlife, LLCがランサムウェア攻撃を受け、生産関連システムに不正アクセスされ、米国内の全生産が一時的に停止したことを明らかにした。その後、ランサムウェアグループ「Anubis」が犯行声明を出し、身代金が支払われなければ、盗んだ1テラバイトのデータを公開すると脅迫した。7月28日時点で、コカ・コーラはこのインシデントによりデータが持ち出されたことを確認している。Anubisが設定した期限は7月27日に過ぎ、ファイルはダウンロード可能な状態になった。fairlifeは7月27日時点で、米国内の生産の大部分を再開している。

同社は最新の発表で、このインシデントが財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼしたとは考えておらず、重大な影響を及ぼす可能性が合理的に高いとも考えていないと述べている。攻撃が公表されたのは7月16日で、第2四半期は7月3日に終了しているため、fairlifeは第2四半期決算の大きな寄与要因ではなかった。財務上の影響が生じる場合は、主として2026年第3四半期に表れるとみられる。fairlifeは、コカ・コーラが炭酸飲料以外の分野を拡大する上で重要な戦略的資産とみなされており、アナリストは今後数年間で売上高が数十億ドル規模に達すると予測している。

■ワールドカップによる販売数量増は再現可能か

率直に言えば、第3四半期に同じ規模の伸びが再現されることはない。大会は7月中旬に終了し、それを支えたマーケティングキャンペーンも前例のない規模だった。2026年第3四半期には同等のイベント施策がないため、マーケティング実施時期による、為替変動の影響を除いた比較可能EPSへの追い風は弱まる可能性がある。同社自身も、第2四半期のマーケティング費用の一部は計上時期によるもので、本来なら第3四半期に発生していた可能性のある支出の一部を第2四半期へ前倒ししたとしている。

一方、再現可能なのはポートフォリオの構造的な勢いである。「コカ・コーラ ゼロシュガー」は複数年にわたって2桁成長を続けており、その成長はサッカーとは無関係な消費者の健康志向や商品選好の変化に基づいている。また、ファーストパーティデータの蓄積には、規模の拡大に伴って価値が高まる性質がある。第2四半期に収集された2500万件のデータは、それ以前の四半期に収集したデータに加わり、規模が拡大するほど価値を高めるターゲティング資産となる。さらに、約225のボトリングパートナーと約900の生産工場を通じて、200の国と地域に展開する同社の世界的な事業基盤により、インド、中国、ブラジル、アフリカで販売数量を押し上げる機会を得られる。多くの消費財企業にとって、同等の効率でこうした市場へ到達することは難しい。

■注目ポイントQ&A

●2026年第2四半期にコカ・コーラの販売数量が大幅に伸びた要因は何ですか?

世界のユニットケース販売数量は5%増加し、約17年間で最も力強い四半期実績の一つとなりました。主な要因は、180以上の市場で展開したFIFAワールドカップ施策、「コカ・コーラ ゼロシュガー」の継続的な2桁成長(今四半期は16%増)、インド、中国、ブラジルを中心とする新興市場の幅広い成長です。すべての地域別報告セグメントで販売数量が増加する、珍しい結果となりました。

●なぜ「コカ・コーラ ゼロシュガー」は急速に成長し続けているのですか?また、その成長は持続可能ですか?

「コカ・コーラ ゼロシュガー」の販売数量は2025年通期に14%増加し、2026年第1四半期は13%増、第2四半期は16%増となりました。背景には、消費者の健康意識の高まり、60以上の国・地域における砂糖税、GLP-1減量薬の普及拡大という構造的な要因があります。GLP-1減量薬は、高カロリー飲料への欲求を抑える可能性があるとみられています。世界のゼロシュガー飲料市場は、2033年まで年平均約9.7%で成長すると予測されています。「コカ・コーラ ゼロシュガー」の最近のパッケージデザイン刷新は欧州での普及を加速させており、現在はアジア太平洋と中南米にも展開されています。

●コネクテッドパッケージとは何ですか?なぜコカ・コーラのファーストパーティデータが重要なのですか?

コネクテッドパッケージとは、缶やボトルに付けられたQRコードやNFC対応ラベルを通じ、スキャンした消費者をデジタル体験につなぐ仕組みです。消費者がワールドカップのプロモーションでコカ・コーラのQRコードをスキャンすると、デジタルキャンペーンに参加し、同意した場合はコカ・コーラのマーケティングデータベースにデータが記録されます。主要ブラウザでサードパーティーのトラッキングCookieが広く制限される中、ブランドが直接収集し、自ら保有するファーストパーティデータは、精度の高いデジタル広告を行うための主要な手段になっています。コカ・コーラは第2四半期だけで2500万件のデータを収集しました。大会終了後も将来のキャンペーンのターゲティングに利用できる重要な資産です。

●fairlifeへのランサムウェア攻撃は第2四半期決算にどう影響し、投資家は何を注視すべきですか?

fairlifeの生産停止は第2四半期の終了後に発生しました。コカ・コーラの第2四半期は7月3日に終了し、攻撃が公表されたのは7月16日だったため、第2四半期の財務結果には影響しませんでした。同社は、このインシデントが重大な影響を及ぼす可能性が合理的に高いとは考えていないと述べています。ただし、コカ・コーラは7月28日、データが盗まれたことを確認しました。ランサムウェアグループ「Anubis」が設定した期限は過ぎ、ファイルはダウンロード可能な状態になっています。投資家は、サイバーセキュリティー上の重大事象に関するSEC Form 8-KのItem 1.05に基づく追加提出が行われるかを注視する必要があります。提出された場合、同社がこのインシデントを重要性の基準に該当すると判断したことを示します。fairlifeの生産回復費用や売上高の減少が決算に表れるとすれば、2026年第3四半期が最初の対象期間となります。

元記事: Coca-Cola Beats Q2 Estimates With Record Volume as FIFA World Cup Lifts Full-Year Guidance

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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