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新NISAの成長投資枠、年間240万円をどう使う?初心者が知っておきたい盲点

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新NISAの成長投資枠は、つみたて投資枠より幅広い商品を選べるため、積極的な運用に向く制度だと理解されがちである。一方、非課税枠の復活方法や損失の扱いを知らないまま利用すると、想定していた使い方ができない場合もある。2026年度税制改正は成立・公布済みだが施行前であり、2027年からの変更も踏まえて、初心者は成長投資枠をどう捉えればよいのだろうか?
■成長投資枠は「自由に使える240万円」なのか
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる。成人向け制度の年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合計最大360万円である。非課税保有限度額は総額1,800万円で、このうち成長投資枠で利用できるのは1,200万円までとなる。
成長投資枠の対象には上場株式や投資信託等が含まれるため、一定の投資信託に対象が限定されるつみたて投資枠より選択肢は広い。ただし、あらゆる商品を購入できるわけではない。整理・監理銘柄のほか、信託期間が20年未満の投資信託、毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等は対象外である。
選択肢の広さは、運用目的や保有期間に応じて商品を選びやすいというメリットになる。一方で、商品の値動きやコスト、分配方針などを自分で確認する範囲も広がる。年間240万円を使い切ること自体が目的ではなく、家計から無理なく拠出できる金額と、許容できる値動きから逆算する視点が焦点になりそうだ。
■非課税効果は利益が出たときに表れる
NISA口座内で生じた配当金、分配金、譲渡益は非課税となる。通常の課税口座では、譲渡益や配当に20.315%が課税されるため、利益が大きいほど税負担の差も大きくなる。
例えば、成長投資枠で保有した投資信託を売却し、100万円の利益が出たとする。課税口座なら税額は100万円×20.315%で20万3,150円となるが、NISA口座ならこの利益に対する税額は0円である。非課税保有期間が無期限であることも、長期間保有する選択肢を取りやすくする要素である。
ただし、非課税になるのは利益が生じた場合の税負担であり、値下がりを防ぐ仕組みではない。また、上場株式の配当金をNISAで非課税にするには、受取方法を株式数比例配分方式にする必要がある。商品を購入するだけでなく、配当金の受取設定も確認しておきたい。
■売却すれば枠がすぐ戻るという誤解
成長投資枠の商品は途中で売却できるが、売却代金と同額の年間投資枠が直ちに戻るわけではない。復活するのは、売却した商品の簿価、つまり取得価額に相当する非課税保有限度額の空きであり、利用できるのは翌年以降である。売却した年の年間投資枠は復活しない。
例えば、240万円で購入した投資信託を400万円で全部売却しても、翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は240万円である。売却時の時価である400万円ではない。また、翌年に買い付けられる金額は、復活後の非課税保有限度額の空きと、その年の年間投資枠の双方の範囲内となる。復活した240万円が年間投資枠360万円に上乗せされるわけではない。
当年中の枠復活は2026年度税制改正に向けて要望されたものの、同改正では見送られた。短期間で売買を繰り返す使い方では、年間投資枠を再利用できない点が制約になり得る。
■損失が出たときに見える成長投資枠の落とし穴
NISAの非課税メリットと表裏の関係にあるのが、損失の税務上の扱いである。NISA口座で生じた損失は、特定口座や一般口座の利益と損益通算できず、損失の3年間の繰越控除も適用されない。
課税口座であれば税負担を調整できる可能性がある損失でも、NISA口座では税務上なかったものとして扱われる。このため、値動きの大きい商品を成長投資枠に集中させる場合は、利益が出たときの非課税効果だけでなく、損失が出たときに損益通算できないデメリットも併せて考える必要がある。
商品が何らかの理由で課税口座へ払い出された場合には、払出時の時価が課税口座での新たな取得価額となる。その後、価格が元のNISAでの購入額まで戻っただけでも、払出時の時価との差額に課税される場合がある点にも注意したい。
■2027年改正で成長投資枠はどうなるのか
2026年度税制改正に関する法律は2026年3月31日に成立・公布され、NISAの主な改正は2027年1月1日から適用される。2026年7月15日時点では、決定済みだが施行前という段階である。
改正では、0~17歳を対象とする未成年つみたて投資枠が設けられるが、未成年が利用できるのはつみたて投資枠のみである。成長投資枠は引き続き18歳以上が対象となる。また、つみたて投資枠では一定の要件を満たす債券中心型・バランス型投資信託が対象になり得るほか、定期売却サービスに限って手数料の徴収が可能になる。一方、毎月分配型投資信託が成長投資枠で解禁されるわけではない。
したがって、成立した改正を理由に成長投資枠の年間上限や対象年齢が変わると捉えるのは適切ではない。今後の政省令・告示や金融機関の実務対応については、追加情報を確認する必要がある。
■投資判断のために確認したいポイント
まず確認したいのは、投資する資金をいつ使う予定なのかという点である。近い時期に必要となる資金まで成長投資枠へ回すと、値下がりした局面で売却を迫られる可能性がある。次に、つみたて投資枠と成長投資枠をどう役割分担させるかを考えたい。選べる商品の範囲だけでなく、保有期間、値動きへの許容度、損失時に損益通算できないことを踏まえる必要がある。
さらに、売却後に戻るのは簿価ベースの非課税保有限度額であり、翌年以降の再利用となること、年間投資枠には上乗せされないことも確認したい。上場株式の配当金を受け取る場合は、受取方式の設定も判断材料となる。
成長投資枠は非課税で幅広い商品を保有できる一方、枠を埋めることそのものが運用成果を決める制度ではない。非課税効果だけでなく、損失の扱い、売却後の枠復活、資金を使う時期を自分の状況に照らし、利用額や商品の選び方を検討する必要がありそうだ。
※本記事は、マーケットに関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。掲載内容は作成時点の情報に基づいており、その正確性、完全性、将来の成果を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。
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