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ソニーのミニLEDテレビ「Bravia 7 II」実機テスト:真のRGBバックライトが実現する有機ELに迫る「漆黒」の表現力

(Sony.com)[写真拡大]
米メディアTom's Guideのマネージングエディターであるスティーブン・ランブレヒト氏は2026年7月6日、ソニーの新型ミニLED液晶テレビ「Bravia 7 II」(2,600ドル、約41万8,600円)の検証結果を公開した。本機に搭載された「True RGB」バックライト技術は、従来のミニLEDテレビが抱えていた暗部表現の構造的な課題を克服し、有機EL(OLED)に迫るコントラスト性能を実現しているという。高輝度と優れた暗部表現の両立を目指すユーザーにとって、新たな選択肢となる可能性が示されている。
■「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」で検証:従来機が暗いシーンで破綻した理由
海外ドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン1の第7話「ドリフトマーク」は、現代のテレビ性能を測る上で最も過酷なテスト映像の一つとして知られている。独立系キャリブレーションチャンネルのHDTVTestの検証によると、このエピソードの一部は明るさがわずか1ニト強しかなく、大半のテレビのバックライト制御システムが正常に追従できる限界を下回っていた。従来の液晶テレビではバックライトの制御アルゴリズムが無理に補正しようとした結果、深刻な光漏れ(ハロー現象)が発生し、有機ELテレビでは画面全体が自動減光されて何も見えなくなる現象が多発した。
ランブレヒト氏がこのエピソードをBravia 7 IIとサムスンのNeo QLEDで比較テストしたところ、Bravia 7 IIは夜の砂浜を歩く2人の登場人物のシーンにおいて、顔の表情や影のディテールをしっかりと描き出した。画面全体を無理に明るくするのではなく、作品が持つ暗く重厚なトーンを維持したという。ソニー独自のバックライト制御アルゴリズム「XR Backlight Master Drive」が、「意図的な暗闇」と「バックライトの制御不足」を正確に判別し、制作者の意図通りの映像を再現しているとみられる。
■True RGBと従来のミニLED:アーキテクチャの決定的な違い
サムスンのNeo QLEDやTCLのQM8Lといった一般的なミニLEDテレビは、バックライト光源に青色または白色のLEDチップを使用している。これを量子ドットフィルムや蛍光体層に通すことで、液晶パネルが表示に必要な赤・緑・青(RGB)の光に変換する。この方式は効率的だが光のロスがあり、さらに3つの色チャネルが同じ調光領域(ディミングゾーン)を共有するため、赤色の輝度を上げると同じエリアの緑や青のバックライトも連動して明るくなってしまう課題があった。
一方、Bravia 7 IIのTrue RGBバックライトは、各調光ゾーンに独立して制御できる赤・緑・青の専用LEDチップを配置している。これにより、暗い背景の中で鮮やかな赤色を表現する際、赤色LEDだけを最大輝度で発光させ、隣接する青色や緑色のLEDは消灯したままにできる。これが、暗い背景に浮かぶ高彩度な光の周囲に発生する光漏れ(ブルーム現象)を物理的に排除する仕組みだ。
キャリブレーション専門のレビュアーであるCalebRated氏が実施したBT.2020色域測定によると、バックライトを通常の白色モードからRGBモードに切り替えることで、色域カバー率が71%から87.93%へと大幅に向上した。色再現の正確性においても、色域カバー率自体は91%と高いものの色ズレがあったハイセンスの「UR9」を上回る精度を示したという。
■SoCの制約によるトレードオフ:HDMI 2.1ポートが2基のみの制限
画期的なバックライト技術を搭載する一方で、Bravia 7 IIにはハードウェア上のトレードオフも存在する。海外メディアのFlatpanelsHDによると、ソニーはRGB LEDの統合プロセスにおける動作安定性を最優先するため、前世代と同じMediaTek製のシステム・オン・チップ(SoC)「Pentonic 1000」を採用した。
この選択により、競合他社が4基のHDMI 2.1ポートを標準装備するなか、Bravia 7 IIは2基のみの搭載にとどまっている。また、「Dolby Vision 2」や「HDR10+」にも非対応だ。例えば、eARC対応のサウンドバーで1基のHDMI 2.1ポートを使用し、さらに2台の最新ゲーム機を接続したい場合、どちらか1台のゲーム機は4K/60Hz制限のあるHDMI 2.0bポートに接続せざるを得なくなる。
■映画「オンリー・ゴッド」で実証された鮮烈な赤の表現力
ニコラス・ウィンディング・レフン監督の映画『オンリー・ゴッド』(2013年)は、漆黒の闇の中に超高彩度のネオンレッドが光るシーンが多用されており、テレビのバックライト性能を試す極限のテスト素材として知られている。輝度チャネルを共有する一般的なテレビでは、鮮やかな赤色の光が周囲の暗部ににじみ出し、輪郭がぼやけたり影の黒が浮き上がったりしてしまう。
ランブレヒト氏がこのシーンをBravia 7 IIでテストしたところ、専用の赤色LEDアレイが機能し、周囲の暗部を汚すことなくネオンの光を鮮明かつ高彩度に描き出した。同氏は「これまでの民生用機器で見た中で、最も監督の意図に近い表現だ」と評価している。この色再現性の向上は、画像処理によるものではなく、バックライトの物理的な構造改革がもたらした成果と言える。
■ゲーム性能:入力遅延10.4msで専用モニターとの差を縮小
暗部表現のテストとは別に、Tom's Guideが測定したBravia 7 IIの入力遅延(インプットラグ)は10.4ミリ秒(ms)だった。初代Bravia 7の17.1msから約39%改善されており、2026年のテレビ市場における競争力のある水準に達している。120fps環境において1フレームの表示時間は約8.3msであるため、約6.7msの遅延短縮はほぼ1フレーム分の遅延削減に相当し、動きの速い対戦ゲームでも体感できるレベルの進化だ。
本機は4K/120Hz、可変リフレッシュレート(VRR)、自動低遅延モード(ALLM)に対応。さらにPlayStation 5(PS5)接続時には「Auto HDR Tone Mapping(オートHDRトーンマッピング)」が機能し、ゲーム開始時の面倒な手動キャリブレーションを不要にする。ランブレヒト氏がPS5で『Lego Batman: Legacy of the Dark Knight』をプレイした際も、素早いアクションシーンにおいて入力遅延は一切感じられなかったと報告している。
■暗いシーンにおいて、True RGBは有機ELとどう違うのか?
今回のテスト結果をもってしても、True RGBと有機ELの優劣が完全に決着したわけではない。有機ELは画素(サブピクセル)単位で完全に消灯できるため、画素レベルでのコントラスト比は依然として無限大であり、LGの「C6 OLED」などの優れた有機ELテレビが表現する黒の絶対的な暗さは、いかなるバックライト搭載液晶パネルをも凌駕する。
しかし、Bravia 7 IIのテスト結果が示したのは、5〜20ニト程度の「完全な黒ではないが、極めて暗い領域」において、有機ELとの視覚的な差がほとんど認識できないレベルまで縮まっているという事実だ。従来のミニLEDテレビがハロー現象や黒浮きを起こしていたこの輝度領域において、Bravia 7 IIの独立色チャネル調光は極めて有効に機能する。
さらに、Bravia 7 IIが有機ELに対して圧倒的に優位なのは「明るさ」だ。有機ELの最高峰モデルが同条件のテストで約1,600ニトにとどまるのに対し、Bravia 7 IIは2,077ニトのピーク輝度を記録した。これにより、水面に反射する太陽光や車のヘッドライト、レンズフレアといったHDRコンテンツ内のハイライト表現が、よりリアルに描写される。
価格面では、Bravia 7 IIの65インチモデルが2,600ドル(約41万8,600円)となっており、RGBミニLEDカテゴリ内の競合であるサムスン「R85H」(2,099ドル、約33万7,939円)やハイセンス「UR9」(2,199ドル、約35万4,039円)を上回るプレミアムな位置づけだ。実質的な競合は、異なるディスプレイ技術を持つLGのC6 OLEDとなるだろう。
■注目ポイントQ&A
●True RGBバックライトが、従来のミニLEDよりも暗いシーンに強いのはなぜですか?
従来のミニLEDは、赤・緑・青の3色で1つの白色または青色バックライト光源を共有していました。そのため、暗い背景の中で一部だけを明るく光らせようとすると、周囲の暗い部分まで一緒に明るくなってしまう「ハロー現象」が発生していました。True RGBは、ゾーンごとに赤・緑・青のLEDチップが独立しているため、例えば赤い光を表示する際は赤色LEDだけを発光させ、緑と青のLEDは消灯したままにできます。これにより、光のにじみを物理的に防ぐことができます。
●Bravia 7 IIの黒の表現力は、有機ELテレビと比べてどうですか?
画素単位で完全に消灯できる有機ELの方が、完全な漆黒(0ニト)を表現する能力においては依然として優れています。しかし、Bravia 7 IIのTrue RGB技術は、5〜20ニト程度の「わずかに明るさがある暗いシーン」において、有機ELとの視覚的な差を大幅に縮めています。また、ピーク輝度は2,077ニトに達し、一般的な有機ELテレビ(約1,600ニト)を大きく上回るため、明るい部分の表現力ではBravia 7 IIが優位に立っています。
●Bravia 7 IIはゲーム用途に適していますか?
はい、適しています。入力遅延は10.4msと非常に高速で、4K/120Hz、VRR、ALLM、PS5との連携機能にも対応しています。ただし、HDMI 2.1ポートが2基しかなく、そのうち1基はサウンドバー等で使用するeARCポートと共通である点に注意が必要です。サウンドバーと2台の最新ゲーム機(PS5とXbox Series Xなど)を同時に接続する場合、どちらか1台は4K/60Hz制限のあるHDMI 2.0bポートに接続する必要があります(AVアンプを経由させる場合はこの問題を回避できます)。
●True RGBが解決する「ハロー現象(ブルーミング)」とは何ですか?
液晶テレビにおいて、暗い背景の中に明るい文字や物体が表示された際、その周囲にうっすらと光が漏れて霧がかかったように見える現象のことです。バックライトの調光エリアが、表示したい明るい物体よりも広いために発生します。従来のミニLEDは調光エリアを細分化することでこれを抑えていましたが、True RGBはエリア内の色チャネルを個別に消灯・減光することで、この現象をさらに効果的に抑制します。
元記事: Sony Bravia 7 II Stress Test: True RGB Backlight Achieves Near-OLED Blacks
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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