原油価格調整で航空株はどう動くか JAL・ANA「利益転化力」の差

2026年6月23日 13:52

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 原油価格の調整を受け、航空株への関心が高まりやすい局面に入っている。

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 航空会社にとって燃油費は大きなコストであり、原油価格が落ち着けば収益改善への期待が出やすい。今回は、日本航空(JAL)とANAホールディングスの2社を軸に見ていきたい。

 航空株がまだ上がるのかを考えるうえでは、燃料費の動向、訪日需要、運賃維持力が分かれ目になりそうだ。

■JALは国際線と非航空事業の収益が焦点

 JALは、国際線需要の回復と収益性の高さが評価材料になる。

 2026年3月期は売上収益が2兆125億円となり、再上場後の最高収益を達成した。EBITも2,180億円と過去最高益となり、年間配当案は1株当たり96円としている。

 JAL株価を見るうえでは、原油価格調整による燃料費負担の軽減に加え、国際線と非航空事業の収益をどこまで伸ばせるかが焦点になりそうだ。

 ただし、JALは2027年3月期について慎重な見通しも示している。中東情勢の緊迫による原油価格の高騰を含め、世界情勢の不確実性に留意が必要としており、通期予想は売上収益2兆950億円、EBIT1,800億円、当期利益1,100億円としている。

 原油価格が落ち着けば、この慎重な見通しに対して上振れ期待が出る可能性がある。一方で、為替や地政学リスクが再び悪化すれば、燃油費や利益率の重しになりやすい。

■ANAは収益基盤の広がりが評価

 ANAホールディングスは、訪日需要と事業の広がりが強みになる。

 2026年3月期は、旺盛な訪日需要の取り込みやNCAの連結化効果により、売上高が2兆5,392億円となった。営業利益は2,174億円、当期純利益は1,690億円となり、売上高、営業利益、当期純利益のいずれも過去最高を更新した。

 ANA株価を見るうえでは、国際線の回復に加え、貨物や非航空事業を含む収益基盤の広がりが評価されやすい。

 ANAも2027年3月期は、燃油費高騰の影響を織り込んでいる。売上高は過去最高の2兆7,700億円を計画する一方、営業利益は1,500億円を見込む。

 原油価格の調整が続けば、燃料費の前提が和らぎ、利益面での安心感につながりやすい。もっとも、航空株は原油価格だけでなく、旅客需要、為替、運賃競争の影響も受けるため、単純に燃料費だけで判断するのは難しい。

■投資家の注目ポイントは

 投資家目線では、今後の航空株を見るうえで3つの点を確認したい。

 1つは、原油価格の調整が燃料費の低下としてどこまで利益に反映されるか。2つ目は、訪日需要や国際線需要の回復が続くか。3つ目は、運賃を維持しながら人件費や整備費など燃料費以外のコスト上昇を吸収できるかである。

 原油価格の調整はJALとANAにとって追い風になりやすいが、株価の明暗を分けるのは、燃料費低下の恩恵を需要回復と利益成長に結びつけられるかになりそうだ。(記事:林田孝治・記事一覧を見る

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