病院の経営赤字が懸念される中、ユカリアは存在感を示している

2026年1月1日 15:36

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 ユカリア(286A、東証グロース)。病院の経営支援が柱。介護施設の運営、紹介も手掛ける。一昨年(2024年12月12日)上場。公開価格1060円に対し初値975円と、小さく生まれた。

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 だがユカリアのIPOに際して住友生命/コモンズ投信/りそなアセットマネジメントの3社が、「コーナーストーン投資」を実施した。上場が承認された時点で、中長期的に株式を保有することを前提に「一定期間の株式取得が約束された投資」を行ったのである。

 三沢英生社長はこうコメントを発した。「社会にポジティブなインパクトを創出するための継続的な取り組みを評価してもらった」。対して例えば住友生命の上林潤平氏は、「ユカリアの新しい門出に、グロース投資家、インパクト投資家として関われたことを大変嬉しく思う」とした。

 周知の通り医療機関の赤字が、大きな問題となっている。そうした中、ユカリアの主軸事業はどんな評価を受けているのか。

 昨年末に、こんなリリースが発信された。『阿蘇医療センターの経営改善支援事業の受託に関する』・・・。阿蘇医療センターの設立は2014年8月6日。熊本県阿蘇市で124床(一般病床120、感染症4床)を運営する総合病院。公募型プロポーザルの結果、受託者として採用されたという内容。

 また、こんなリリースも・・・。『富士通との協業覚書締結』。富士通は国内トップシェアの電子カルテルシステム事業で培った医療分野での知見・技術を有する・・・今後両社の知見・アセットを活かし、「AIエージェントによる医療業務オペレーションの効率化をはじめとする医療業務変革サービスの検討をすすめていく」としている。

 ユカリアは実際にどんな方法で医療機関の再建を果たしていくのか。かつて新札幌豊和病院のケースでは、ヒューリック(3003、東証プライム)との資本業務提携で不動産ノウハウを活かした建て替えが行われた。不動産の証券化による資金調達資金を原資としてのことだった。

 ユカリアの上場後の収益動向は2024年12月期の「9.9%増収、20.7%営業増益」に続き今期は、「19.6%増収(237億2000万円)、27.6%増益(29億2500万円)」計画。

 上場初値から昨年5月末の1215円まで買い進まれ11月中旬の743円まで整理、時価は900円台トビ台。住友生命などのコーナーストーン投資が、市場株価の「しっかり」を支えている。創立20周年を機とした株式上場策にどう対応していくべきか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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