エーザイ&ネクセラファーマに挑戦状を叩きつけた、大正製薬は勝てるのか

2025年12月30日 13:55

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 大衆薬品のトップ格企業:大正製薬がMBOで上場廃止となってから、1年半近くが経つ。60年余の上場企業の歴史に幕を下ろした時、複雑な思いにかられた。

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 長らくPBR1倍以下で推移。それを映し低株価が続いた。MBO価格も低かった。「一般投資家⇔少数株主を裏切る同族経営の蛮行」と捉えたからだ。見方は分かれるところだと思うが・・・とはいえ私の家の常備薬から、「パブロン(風邪薬)/アイリス(目薬)etc」は姿を消していない。

 調べてみたら大正製薬が最後に医療用医薬品を開発販売したのは、2022年のナノゾラ(関節リウマチ治療薬)。そんな大正製薬が11月末、3年近くぶりに医療用医薬品:ボルズィ(不眠症薬)を売り出した。薬業専門紙:日刊薬業で知った。惹かれたのは大正製薬の医療マーケティング本部1・2部長のインタビュー記事を同紙で読んだからだ。こんな風に語っている。

 「他の先行品にはない、投与の翌日にその効果(影響)が持ち越されない効能を有する」。

 「先行品と十分に戦える。しっかりと育てていきたい。ピーク時(発売8年度目)の予想売上高は薬価ベースで119億円、投与患者数は70万8000人に達する見込み」。

 「今後当社の医療用医薬品の中心的薬剤になっていく」

 不眠症薬の市場は、国内の服用者で約900万人とされる。私も服用組の1人。成人層でみれば、日本人の10人のうち1人以上が呑んでいる勘定になる。医療用医薬品で、大正製薬は果たして眠剤市場に風穴を開けることができるのか。

 逆に言えば先行メーカーは「大衆薬でおとなしくしていればいいものを」と、軽くいなすことができるのか。

 先行3企業の面子は、「MSDのベルソムラ/ワクチン開発で知られる米国企業:メイク・アンド・カンパニーの日本法人」「エーザイ(4523、東証プライム市場)のデエビゴ」「ネクスラファーマジャパン(4565、東証プライム市場)の:クービビック」。が闘う相手。

 エーザイの今3月期第2四半期の決算資料には、「デエビゴの伸びなどで増収増益。営業利益は前年同期比23.6%増:344億円に大幅に改善された」といった記述がみられる。

 一方の創薬ベンチャー:ネクセラファーマジャパンは、未だ赤字状態。が、第3四半期で「グービビックの売上高31億4900万円が加わるも、営業損失は59億700万円に拡大」と発信している。

 ともに眠剤製品は、着目されている状況。果たしてせめぎ合い・凌ぎあいはどんな展開になるのか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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