リンガーハットはダイバシティ経営に積極姿勢、それだけでは株価材料にはならないか

2025年10月25日 19:26

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 リンガーハット(8200、東証プライム&福岡市場)。会社四季報は特色欄で「九州発祥。長崎ちゃんぽん“リンガーハット”と、とんかつ“濵かつ”が軸。直営店中心に、FCも展開」と記している。

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 収益・株価動向を確認していて「飲食業の宿敵は感染症/原材料費高騰」を改めて痛感し、「株価は正直」を痛感した。

 2020年2月期の「0.7%増収、35.1%営業減益」を入り口に、21年2月期「28%減収、54億300万円営業損失」-22年2月期「0.4%減収、14億6400万円営業損失」-23年2月期「11.2%増収、2億9200万円損失」と沈んだ。

 決算説明書で確認できるが、要因は「新型コロナ禍」-「原材料費高騰」である。24年2月期以降「6.1%増収、営業利益10億400万円」-前期で「8.9%増収、68.6%増益」と切り返し、今2月期も期初計画を上方修正「4.5%増収(457億4900万円)、68.6%増益(16億9400万円)」計画。

 が株価は本稿作成中の時価は2200円台前半。修正済み株価で10年近く前の水準:2700円台に達していない。

 佐々野諸延CEOは「コロナ禍や原材料費高」をカウントしながらも、「集客力⇔低価格⇔低コストの主力フードコートに頼り過ぎた」と言及。回復過程入りも「値上げを受け入れてもらえた⇔使用野菜100%国産」と確認しながらも、「未だ20年2月期の売上高472億円を回復していない」としている。

 その当たりを反映している株価は、正直者といえる。一つのメルクマールとして、売上高の回復がポイントになろうか・・・

 私は皿うどんが好き。好き嫌いに「理屈は不要」が持論。が企業の好き嫌いは別話。国策に準じるリンガーハットは評価に値するといえる。

 経産省が旗振り人になっている推進施策に「ダイバシティ経営」がある。多様な人材の能力を活かした経営。具体的には「女性の積極的登用」がある。例えばリンガーハットでは、こんな計画を公にして事を図っている。

 ★「女性社員の比率引き上げ」: 「2020年2月期15.5%を、23年3月末に18.6%/25年3月末30%」。

 ★「管理職の女性比率」: 「6.0%、/10.9%を15%」。

 ★「育休取得者」: 「1名/4名を5名」。

 言葉は適切でないかもしれないが、少子高齢化が進む時流にあり「女性の社会進出」は不可欠だからだ。

 株式投資の対象として見直す時、前記の「売上高の復権」⇒「時価のPER(47.93倍)逓減」が大前提となろうか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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