京阪HD、三条駅周辺の再開発で都市計画提案を提出 観光交流拠点整備へ

2025年7月3日 13:29

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三条駅再開発の完成イメージ(京阪HD発表資料より)

三条駅再開発の完成イメージ(京阪HD発表資料より)[写真拡大]

 京都市東山区の京阪三条駅周辺再開発を計画している京阪ホールディングス(HD)は、京都市へ都市再生特別地区の都市計画提案書を提出した。ホテルと商業施設で構成する新たな観光交流拠点を整備する計画で、西の鴨川、東の東山の景観と調和した地域のランドマークとし、京都市に殺到する訪日客を呼び込むことを目指している。

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 計画場所は地下にある京阪三条駅の地上部分(東山区大和大路三条下る東側大国町など)約6,400平方メートル。過去に再開発計画が何度も浮上したが、二転三転して実現せず、京都市が2002年、駅前ロータリーを整備しただけで、計画決定までの暫定利用として飲食店街や駐車場などに利用されてきた。

 三条駅周辺が2024年末、国の都市再生緊急整備地区に指定されたのを受け、京阪HDは市内の高さ規制に見合う延べ床面積約2万7,000平方メートルで、ホテルと商業施設が入る観光交流拠点の整備を提案した。

 施設内には鴨川の風を感じながら、京都市内を一望できる展望テラスを設けるほか、駅前広場に植栽とベンチ設置を進め、緑を感じられる滞在空間とする。商業施設は訪日客向けに日本を感じられる店舗を誘致し、東山観光の玄関口とする。同時に地下の三条駅から快適に移動できる動線を整備する。

 三条駅は淀屋橋駅(大阪市中央区)と京都市を結ぶ京阪本線の終点で、三条駅と出町柳駅(京都市左京区)を結び、京阪本線と一体運用される鴨東線の起点。京都市営地下鉄東西線の三条京阪駅や路線バスとの交通結節点になっている。

 三条駅近くの三条大橋は江戸時代、東海道の西の拠点だった歴史を持つ。現在も訪日客でごった返す祇園が目と鼻の先にあり、京都市最後の一等地といわれてきたが、古い市営住宅が残り、観光客の訪問は限定的。再開発が近いとされてきたこともあり、民間の商業開発も進んでいなかった。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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