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京都市のホテル客室稼働率、5月も90%近い高率 オーバーツーリズムが深刻化
京都市内のホテル客室稼働率が、5月は87.2%となったことが、京都市観光協会のまとめで分かった。客室稼働率の80%超えは2カ月連続で、うち68.0%を外国人が占めた。客室稼働率が80%を超すと予約が困難といわれるだけに、訪日客殺到によるオーバーツーリズムの深刻さがうかがえる。
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京都市観光協会によると、5月の主要ホテル108施設の客室稼働率87.2%は、4月の89.5%から2.3ポイント下がったものの、前年同月を4.5ポイント上回った。欧米と東アジアを中心に大勢の訪日客が押し寄せ、清水寺、祇園(ともに東山区)、嵐山(右京区)、伏見稲荷大社(伏見区)など有名観光地が混雑した状況が、宿泊客の数値に表れている。
平均客室単価は2万3,667円。外資系のラグジュアリーホテルが次々にオープンしていることや訪日客殺到による価格上昇で、前年同月を11.2%上回った。外国人の延べ宿泊数は65万2,457人泊と前年同月より16.1%増えたが、日本人の延べ宿泊数は前年同月を10.9%下回る30万7,540人泊。予約が取りにくかったことや訪日客で混雑するのを敬遠したことが考えられる。外国人宿泊客で最も多かった国・地域は米国だった。
京都市内主要旅館22施設の客室稼働率は75.0%。前年同月を3.3ポイント下回った。市内4百貨店の免税売上高は約30.6億円で、前年同月を48.1%下回っている。ブランドバッグや時計など高額商品購入が一巡したことや、少し円高傾向が出てお得感が下がったとする見方が出ている。
今夏の客室稼働率について、京都市観光協会は7月は73.8%、8月は67.6%と前年同期の7月75.4%、8月72.8%を下回る予測を出した。中東など国際情勢の不透明化で海外旅行を控える動きがあることを理由に挙げている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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