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猫にまつわる英語表現には、意外なほど多彩なものがある。今回取り上げるのは「copycat」だ。現代でも広く使われるポピュラーな言葉だが、どんな背景を持ち、どのように使われのか、その成り立ちや広がりを探ってみたい。
【こちらも】「猫のような泥棒」とは? 猫にまつわる英語イディオム (12)
■Copycatの意味
「copycat」を直訳すると、「真似をする猫」とでもなるだろう。ただし実際の意味は、猫そのものとはあまり関係がない。
これは、他人のやり方や作品、アイデアをそっくり模倣する人を意味する。
日本語で言えば「猿真似」になるだろうか。同じような意味を持つ言葉にもかかわらず、動物の種類が異なるのが興味深い点だ。
こういう点においても、英語圏との動物観や文化の違いが反映されていると見て取ることもできる。
■Copycatの由来
「copycat」の正確な由来は定かではないが、「Online Etymology Dictionary」によると、飼い猫が互いの行動を真似することがあるという観察にもとづいて生まれた語、とされている。
19世紀末のアメリカで、すでにこの言葉はある程度普及していたようだ。1880年代のアメリカの著作や新聞において、「copy cat」と呼ばれる人物についての記述が確認できる。
他人の行動や作品を模倣する人を侮蔑的に指す名詞として使われていたが、その後、「真似をする」「模倣する」という意味の動詞としても一般化した。
現代において、この語は日常会話だけでなく報道やビジネス、犯罪や創作分野などさまざまな場面に使われている。
たとえば、過去の事件やフィクションを模倣した犯罪を指す「copycat crime(模倣犯罪)」という表現は、ニュースや報道で頻繁に登場する。SNSでも、他人の投稿やコンテンツを模倣する行為は「copycat」と批判される。
例文
・Many movies in this genre are simply copycats of earlier box office hits.
(このジャンルの映画は、過去のヒット作の単なる二番煎じであることが多い)
・She accused her classmates of copycatting her project idea.
(彼女はクラスメートが自分の企画アイデアを真似したと非難した)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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