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CaSy、行政との連携や暮らしのサービスの拡大に注力 今後はM&Aも積極的に検討
CaSy、行政との連携や暮らしのサービスの拡大に注力 今後はM&Aも積極的に検討[写真拡大]
会社概要
加茂雄一氏:株式会社CaSy代表取締役CEO兼CFOの加茂です。よろしくお願いします。会社概要について簡単にご説明します。ビジョンは「笑顔の暮らしを、あたりまえにする。」で、ミッションは「大切なことを、大切にできる時間を創る。」です。
提供サービス
現時点では、家事支援サービスが売上構成比の97パーセントを占めています。家事支援サービス以外では、ハウスクリーニングや整理収納といった、お客さまの時間を創れるようなサービスラインナップを広げています。
サービス形態としては、サブスクリプション形式の定期利用のサービスと単発のスポット利用があります。売上構成比としては、8割のお客さまが定期利用で2割がスポット利用となっています。
また、先ほどお伝えしたとおり解約率も低い水準でとどまっていることから、安定的な成長ができていると考えられます。
CaSyとは
家事支援サービス会社は、日本には4,000社近くあると言われています。その中における我々の特徴は、オンラインで完結できることです。最もDX化されているサービスと言えます。お掃除やお料理といったサービスの実施以外の、依頼やマッチング、決済、キャストとのやり取りはすべてオンラインで完結できるのが特徴です。
沿革
沿革について、2024年11月期の更新分をお伝えします。今期は、後ほどご説明する成長戦略に基づき、2024年2月に「MoNiCa」をリリースしました。加えて、地方自治体(行政)との連携も進めてきました。
スライドに記載のとおり、2024年4月以降、墨田区・葛飾区・台東区との連携を開始し、5月には経済産業省主催の実証事業に参画しています。また、2024年11月には、福井県と連携協定を締結しています。
2024年11月期 決算概要
2024年11月期の決算概要をご説明します。売上高は前年同期比13.8パーセント増の17億6,100万円、営業利益は前年同期比65.6パーセント減の700万円、当期純利益は前年同期比73.1パーセント減の500万円となっています。
通期業績予想との比較について、売上高は17億200万円から18億5,600万円の間とレンジでお知らせしていましたが、予想の範囲内となっています。
営業利益以下はゼロというかたちでお伝えしていましたので、そちらを超えている状況になります。
売上高の推移
売上高の推移です。約80パーセントの構成割合を占める定期サービスは、堅調な成長を継続しています。先ほどお伝えしたように、CAGRは13パーセントから16パーセントを継続しており、2024年度の売上高は17億6,100万円となりました。
後ほど詳細をご説明しますが、2025年度の予想値は、19億3,700万円から21億1,300万円の間としています。
利益の推移
利益の推移です。売上総利益は、売上高の増加に伴い成長を継続しています。我々の規模ではまだ売上高の成長を優先する方針をとっていますので、獲得できた売上総利益は黒字を達成できる範囲内、もしくは赤字にならない範囲内で投資に回していきます。
特に投資については、将来的な売上成長につながる広告宣伝投資や、エンジニアを中心とした人的資本への投資を中心に行っていきたいと考えています。
その方針に基づき、2022年度以降の営業利益は黒字を継続しています。
主要KPIである定期UU数の推移
主要KPIである定期UU数の推移です。2024年11月末時点では、約7,400名の定期のお客さまにご利用いただいています。
お客様登録数の推移
お客さま登録数の推移です。2024年11月末時点では、約19万人のお客さまに会員登録をしていただいています。
キャスト登録数の推移
キャスト登録数の推移です。2024年11月末時点では、約1万8,000名の方にご登録いただいています。
お客様の定期解約率とキャストのチャーンレート
お客さまの定期解約率とキャストのチャーンレートは、いずれも改善傾向にあります。お客さまの月次定期解約率は2.7パーセントとなり、前期比で0.1ポイント改善しました。2024年度のキャストのチャーンレートは2.0パーセントと、前期比で0.1ポイント改善しています。
売上総利益LTV/1人当たり月次売上総利益の推移
売上総利益LTVと1人当たり月次売上総利益の推移についても、改善傾向にあります。
CaSyの今後の成長イメージ
当社の成長戦略についてご説明します。
時間を創る暮らしのプラットフォームへの方針
我々の目指す「時間を創る暮らしのプラットフォーム」を実現するために、現在は2軸での戦略を考えています。
1つ目の横軸は、サービスラインナップの増加です。現在は家事支援サービスを中心としていますが、今後はハウスクリーニングや整理収納、その他暮らしのサービスも展開していきたいと考えています。
2つ目の横軸は、お客さまとキャストの増加です。それぞれの事業の厚みを増していきたいと考えています。
具体的な戦略について、ご説明したとおり、サービスラインナップは拡大させていきます。家事支援サービスは、家事代行クラウド「MoNiCa」と行政との連携を強化していきたいと考えています。また、どちらも積極的なM&Aを成長戦略の1つとして検討していきたいと思います。
家事支援事業の課題解決プラットフォーム MoNiCa(モニカ)
家事代行クラウド「MoNiCa」は、2025年2月にリリースし、約1年が経過しました。予算どおり、目標どおりに進捗しています。現時点で利用している企業も増加しています。また、会社ごとのトランザクションも増えている状況です。
家事支援市場に関係する法整備
行政(地方自治体/経済産業省等)との連携について、スライドに記載のとおり、国が具体的な取り組みを示しています。
我々への影響が大きいのは、2024年5月からの「ライフステージを支えるサービス導入実証等事業」の開始です。こちらは福利厚生サービスを導入した場合、経済産業省が費用の3分の2を負担し、エンドユーザーは3分の1の価格で利用できるというものです。
地方自治体との取り組み
行政との連携に関する進捗です。先ほど、沿革のところでお伝えしたとおり、地方自治体との取り組みとして、墨田区、葛飾区、台東区と具体的な連携を開始しています。
経済産業省「家事支援サービス福利厚生導入実証事業」への採択
経済産業省の実証事業は、福利厚生サービスの導入が前提となっています。この取り組みにより、新たに133社と契約を締結することができました。
家族時間・ゆとり時間創出に向けて福井県と連携
2024年11月には、福井県と連携協定を締結しました。県単位での協定は、家事支援事業として初めての取り組みです。県と協力しながら、家事支援サービスの普及に努めていきたいと考えています。
その他暮らしのサービス領域:アップセルの伸びしろ
サービスラインナップに関する進捗です。
ワタキューグループと高齢者向けのサービス提供に向け合弁会社を設立
主要株主であるワタキューグループと、高齢者向けのサービス提供に向けて合弁会社を設立しました。ターゲットは、CaSyがまだリーチできていない高齢者です。
CaSyは、アプリおよびクレジットカードでの申し込みという手軽さが売りであり、共働き世帯をメインターゲットとしています。
このプロダクトとは別のかたちで、日本の高齢化を市場の機会として捉え、ワタキューグループの力を借りながら展開していきたいと考えています。
その背景から、2024年11月に合弁会社を設立しました。2025年11月期中のサービス開始を目指しています。
M&A:株式会社すっきりマイスターの子会社化
2025年2月には、株式会社すっきりマイスターを子会社化しました。家事支援サービスに加え、ハウスクリーニングサービスも成長させていきたいと考えています。
2025年11月期 業績予想
2025年11月期の業績予想です。売上高は19億3,700万円から21億1,300万円のレンジで示しており、前年同期比10パーセントから20パーセントの成長を見込んでいます。営業利益以下はゼロとしています。
売上高の見通しについては、新規の行政連携や「MoNiCa」事業など、新規事業の不確実性が高いため、レンジで示しています。
また、営業利益以下をゼロとするのは、将来的な売上成長の実現に向け、獲得した売上総利益を広告宣伝活動に充てるためです。また、競争優位性の礎となる、エンジニアを中心とした人的資本投資にも回していきたいと考えています。
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