11日の中国本土市場概況:上海総合0.3%高で続伸、金融株安で上値は限定的

2024年12月11日 16:47

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記事提供元:フィスコ

*16:47JST 11日の中国本土市場概況:上海総合0.3%高で続伸、金融株安で上値は限定的
11日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比9.87ポイント(0.29%)高の3432.49ポイントと続伸した。11月13日以来、約1カ月ぶりの高値水準を切り上げている。


中国経済対策の期待感が引き続き支えとなる流れ。翌年の経済政策方針を決定する「中央経済工作会議」は、11〜12日に開かれる見込みだ。来年スタートするトランプ米新政権の高関税方針に対応するため、一段の景気対策が打ち出されるとの見方が広がっている。9日に開催された中央政治局会議では、「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を来年実施する方針が確認された。市場関係者の間からは、預金準備率や政策金利が引き下げられると予想されている。ただ、上値は限定的。中国経済の鈍化懸念が依然としてくすぶっているほか、指標発表も気がかりだ。中国では16日に11月の小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計が発表される予定。10日公表された11月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が前年同月比6.7%増(予想は8.7%増)にとどまり、輸入は3.9%減(予想は0.9%増)に落ち込んだだけに、景気動向を見極めたいとするスタンスも強まっている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、不動産の上げが目立つ。華遠地産(600743/SH)と華麗家族(600503/SH)がそろってストップ(10.0%)高、緑地HD(600606/SH)が4.9%高、信達地産(600657/SH)が3.6%高で引けた。


素材株も物色される。製紙の宜賓紙業(600793/SH)がストップ(10.0%)高、鉄鋼の馬鞍山鋼鉄(600808/SH)が5.9%高、セメントの福建水泥(600802/SH)が4.1%高、非鉄の中国アルミ(601600/SH)が2.7%高で取引を終えた。消費関連株、ハイテク株、医薬株、エネルギー株、公益株、海運株、インフラ建設株なども買われている。


半面、大型金融株株はさえない。中国工商銀行(601398/SH)が1.7%、中国農業銀行(601288/SH)が1.6%、中国人寿保険(601628/SH)が2.2%、中国平安保険(601318/SH)が1.3%ずつ下落した。軍事関連株の一角も売られている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.33ポイント(0.83%)高の282.28ポイント、深センB株指数が6.65ポイント(0.54%)高の1244.97ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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