アスカネットは25年4月期2Q累計減益だが通期2桁増益予想据え置き

2024年12月11日 10:10

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  アスカネット<2438>(東証グロース)は12月9日に25年4月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。前期第3四半期から連結決算に移行したため前年同期の非連結業績との単純比較で見ると増収減益だった。フューネラル事業は堅調だったが、フォトブック事業の需要回復が遅れた。ただし通期2桁増益予想を据え置いた。中間期の進捗率は低水準の形だが、下期が需要期となる季節要因がある。積極的な事業展開により、通期ベースでの収益拡大を期待したい。株価は安値圏で軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■25年4月期2Q累計減益だが通期2桁増益予想据え置き

 25年4月期第2四半期累計(中間期)の連結業績は売上高が34億02百万円、営業利益が15百万円、経常利益が19百万円、親会社株主帰属四半期(中間)純利益が2百万円だった。前期第3四半期から連結決算に移行したため前年同期の非連結業績(売上高32億51百万円、営業利益90百万円、経常利益1億04百万円、親会社株主帰属四半期純利益65百万円)との単純比較で見ると増収減益だった。フューネラル事業は堅調だったが、フォトブック事業の需要回復が遅れた。

 セグメント別(内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は売上高が15億76百万円で営業利益が3億04百万円(前年同期は売上高が15億14百万円で営業利益が2億88百万円)だった。増収増益と順調だった。売上面は自社営業強化によって新たな葬儀社との契約獲得が順調に進展し、遺影写真加工サービスが伸長した。利益面は、画像加工部門のオペレーター増員に加えて、クラウドサービス利用料の増加などでコストが増加したものの、増収効果や生産性向上効果で吸収した。

 写真集関連のフォトブック事業は売上高が17億39百万円で営業利益が1億91百万円(同、売上高が16億64百万円で営業利益が2億85百万円)だった。売上面はBET社の新規連結が寄与して増収だが、プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」においてウエディング関連が低調だったことに加え、一般消費者向け「マイブック」とOEMも海外旅行回復遅れや撮影写真アウトプット減少の影響で厳しい状況が継続した。利益面はコスト削減を推進したものの、材料費や人件費増加、稼働率の低下で減益だった。

 空中結像プレートASKA3Dの空中ディスプレイ事業は、売上高が89百万円で営業利益が1億51百万円の損失(同、売上高が75百万円で営業利益が1億64百万円の損失)だった。国内市場では一定の成果を上げたものの、海外代理店経由の販売が低調だった。利益面はコストコントロール等により損失が縮小した。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億10百万円で営業利益が25百万円の損失、第2四半期は売上高が16億92百万円で営業利益が40百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が24年4月期比9.7%増の77億20百万円、営業利益が16.2%増の5億20百万円、経常利益が12.9%増の5億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が前期の特別損失に計上した投資有価証券評価損の剥落も寄与して51.4%増の3億24百万円としている。配当予想は24年4月期と同額の7円(期末一括)としている。予想配当性向は35.5%となる。

 フューネラル事業の堅調推移、フォトブック事業における生産効率化、空中ディスプレイ事業の拡販に加え、前期計上したM&A費用や特別損失の剥落なども寄与する見込みだ。セグメント別売上高の計画は、葬儀関連のフューネラル事業が4.8%増の34億40百万円、写真集関連のフォトブック事業が11.7%増の40億40百万円、空中結像プレートASKA3Dの空中ディスプレイ事業が71.4%増の2億50百万円としている。

 売上面は、フューネラル事業では新規顧客の積み上げなどによって堅調な増収を見込む。フォトブック事業では市場環境の回復を楽観視できないものの、新商材の取り扱い開始やBET社の新規連結により増収を見込む。空中ディスプレイ事業ではサイネージ用途での高単価案件の獲得に注力する。利益面は、フューネラル事業ではオペレーションセンターの効率的な運営を推進して利益率の維持を目指す。フォトブック事業ではM&A費用の剥落や生産効率化により増益を見込む。なおBET社についてはPMI関連費用が発生するため、のれん償却を加味すると利益寄与は限定的の見込みとしている。空中ディスプレイ事業では増収や粗利益率改善の効果で損失縮小を目指す。

 第2四半期累計(中間期)の進捗率は低水準の形だが、下期が需要期となる季節要因がある。積極的な事業展開により、通期ベースでの収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏で軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。12月10日の終値は461円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円73銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の7円で算出)は約1.5%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS374円12銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約81億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【株式市場特集】名古屋証券取引所バリュー株に脚光!低PER・PBR、高配当銘柄が続々(2024/10/28)
【株式市場特集】日米選挙控え、金関連株と自社株取得銘柄に注目(2024/10/21)
【株式市場特集】為替と金利動向も見据え、相場の方向性を探る(2024/10/15)
【株式市場特集】中東危機で株式市場に異変、日経平均と個別株の反応に乖離(2024/10/07)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事