JSPは25年3月期2Q累計小幅減益だが進捗率順調、通期減益予想据え置き、低PBRが魅力

2024年11月5日 09:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  JSP<7942>(東証プライム)は10月31日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。小幅減益だった。売上面は製品価格改定効果などで増収だが、利益面では高付加価値製品の販売減少などが影響した。そして通期減益予想を据え置いた。通期ベースでも大幅増益だった前期の反動などを考慮している。第2四半期累計の進捗率は概ね順調だが、下期の需要回復を期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■25年3月期2Q累計小幅減益だが進捗率順調、通期減益予想据え置き

 25年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比7.5%増の713億88百万円、営業利益が1.3%減の32億04百万円、経常利益が2.0%減の35億44百万円、親会社株主帰属四半期(中間)純利益が7.8%減の25億76百万円だった。

 小幅減益だった。売上面は製品価格改定効果などで増収だが、利益面では高付加価値製品の販売減少などが影響した。なお営業外では為替差損益が37百万円改善(前期は為替差損24百万円、当期は為替差益13百万円)したが、デリバティブ評価損益が1億64百万円悪化(前期は評価益1億12百万円、当期は評価損52百万円)した。

 押出事業(その他に区分していた子会社分を当期より押出事業に変更、前期も変更後に組替)は売上高が1.0%増の239億34百万円、営業利益(全社費用等調整前)が22.5%減の8億05百万円だった。食品容器用を中心とする生活資材製品は食品トレー向けを中心に順調だったが、産業資材製品における高付加価値製品の販売減少、建築土木資材製品における土木分野向けの減少などで減益だった。

 ビーズ事業は売上高が11.0%増の474億54百万円、営業利益が6.5%増の29億60百万円だった。発泡ポリプロピレン「ARPRO」を中心とする高機能材製品の自動車分野向けが減少したが、非自動車分野向けの好調推移や製品価格改定効果などで増収増益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が344億96百万円で営業利益が12億92百万円、第2四半期は368億92百万円で営業利益が19億12百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比8.1%増の1460億円、営業利益が7.5%減の70億円、経常利益が9.0%減の74億円、親会社株主帰属当期純利益が17.1%減の53億円としている。配当予想は24年3月期比15円増配の80円(第2四半期末40円、期末40円)としている。連続大幅増配で予想配当性向は39.6%となる。

 セグメント別(25年3月期よりその他を押出事業に統合、増減率は組替後)の計画は、押出事業の売上高が8.9%増の520億円で営業利益(全社費用等調整前)が12.1%減の19億円、ビーズ事業の売上高が7.7%増の940億円で営業利益3.7%減の63億円、営業利益の全社費用等調整額が▲12億円としている。

 25年3月期は需要の堅調推移や製品価格改定効果などで増収だが、不透明感、原材料価格上昇、固定費増加、大幅増益だった前期の反動などを考慮して減益予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高が49%、営業利益が46%、経常利益が48%、親会社株主帰属当期純利益が49%と概ね順調だが、下期の需要回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でモミ合う形だが、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月31日の終値は1966円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS202円23銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の80円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3635円60銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約618億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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