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ネオジャパンは調整一巡し上値を試す展開へ、25年1月期は大幅増益予想、主力事業が好調に推移
ネオジャパン<3921>(東証プライム)は、自社開発のグループウェアdesknet‘s NEOクラウドサービスを主力として、製品ラインアップ拡充による市場シェア拡大戦略、アライアンス戦略、東南アジア市場開拓戦略を推進している。25年1月期は大幅増収増益で過去最高業績予想としている。主力事業が好調に推移し、コスト面では人件費やソフトウェア償却費が増加する一方で広告宣伝費が減少することも寄与する見込みだ。第2四半期累計が大幅増益と順調であり、24年9月より実施したクラウドサービスの価格改定効果なども勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■自社開発グループウェアのクラウドサービスが主力
ビジネス・ITコミュニケーションツール開発企業である。自社開発のグループウェアdesknet‘s NEOのクラウドサービス(月額課金収入)を主力に、大企業向け中心のプロダクト(パッケージソフト販売のライセンス収入およびサポートサービス収入)も展開している。
海外展開は19年6月米国子会社DELCUIを設立、19年12月マレーシアに合弁会社(連結子会社)NEOREKA ASIAを設立、21年2月タイに子会社Neo Thai Asiaを設立、24年4月フィリピンに子会社NEOPhilippineを設立し、拠点開設は3カ国となっている。当面は投資が先行する形だが、ASEAN全域においてグループウェアdesknet‘s NEOブランドの確立を目指す。
24年1月期の売上高構成比は、グループウェアを中心とするビジネスICTツールのソフトウェア事業が69%(クラウドサービスが45%、プロダクトが24%、技術開発が1%)、子会社Pro-Spireのシステム開発サービス事業が31%、海外事業が1%、調整額が▲2%、営業利益構成比はソフトウェア事業が94%、システム開発サービス事業が8%、海外事業が▲2%、調整額が0%だった。
■ユーザー数は増加基調
グループウェアdesknet‘s NEOは、すべての組織のDX推進を支えるオールインワン改善プラットフォームである。多機能・使いやすさ・高品質・低価格を強みとしている。業種・業態・規模を問わず幅広く企業・官公庁・自治体に採用され、自治体・政府機関1100以上(都道府県庁18含む)に導入されている。24年9月には多くの新機能を追加した最新バージョン8.6の提供を開始した。
グループウェアdesknet‘s NEO以外の製品ラインアップとしては、ノンプログラムで誰でもWebアプリを簡単に作成できるノーコード業務アプリ作成ツールAppSuite、新しいコミュニケーションツールとしてのセキュリティ特化型ビジネスチャットChatLuckも提供しており、グループウェアdesknet‘s NEOとの連携を強化している。
24年2月には、グループウェアdesknet‘s NEOのパッケージ版であるスモールライセンスとエンタープライズライセンスを統合、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteのパッケージ版であるスモールライセンスとエンタープライズライセンスを統合し、それぞれパッケージ版ライセンスとして販売開始した。
24年6月には、カスタマーコミュニケーションハブとしてNEOPORTの提供を開始した。メール、チャット、動画音声メッセージなど多様化するカスタマーとのコミュニケーションチャネルを共通のプラットフォームに統合し、AI・自動化技術も活用してチームでの顧客対応業務を効率化させるクラウド型の新しいコミュニケーションツールである。24年8月にはビジネスチャットChatLuckの新バージョン6.5の提供を開始した。
なおユーザー数は24年1月期末時点で、desknet‘s NEOのプロダクト累計販売実績が23年1月期末比4.6%増の438.4万ユーザー、クラウドユーザー数が7.9%増の52.1万ユーザー、AppSuiteのプロダクト累計販売実績が79.8%増の31.1万ユーザー、クラウドユーザー数が31.8%増の5.8万ユーザーとなっている。
■さまざまな賞を受賞
24年9月にはスマートキャンプ社が運営する「BOXIL SaaS AWARD Autumn 2024」において、グループウェアdesknet‘s NEO、ビジネスチャットChatLuckが2部門で計3つの賞を受賞した。また日経BP発行の「日経BPガバメントテクノロジー 2024年秋号」で発表された「自治体ITシステム満足度調査2024―2025 グループウェア/ビジネスチャット部門」において1位を獲得した。
24年10月にはアイティクラウドが主催する「ITreview Grid Award 2024 FALL」において、グループウェアdesknet‘s NEO、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuite、ビジネスチャットChatLuckが、それぞれ4部門で最高位であるLeaderを受賞した。
■成長戦略
中期業績目標値には、26年1月期売上高78億75百万円、営業利益16億95百万円、当期純利益11億70百万円、1株当たり利益78円50銭、1株当たり配当31円、配当性向39.5%を掲げている。
成長戦略として国内累計販売ユーザー数1000万ユーザー、グループウェア国内トップシェアを目指し、グループウェアdesknet‘s NEOを核とするエンタープライズ向け製品ラインアップ拡充戦略、市場シェア拡大戦略、シナジーが見込めるアライアンスへの戦略投資、マレーシアの合弁会社を拠点とするクラウドサービスの東南アジア市場開拓戦略などを推進している。
東南アジア市場開拓戦略では、23年9月にフィリピン経済特区庁(PEZA)と適切なICTシステムの開発と導入に関する基本合意(MOU)を締結した。海外政府機関とのMOU締結は同社にとって初となる。24年7月にはマレーシアの連結子会社NEOREKA ASIAが、グループウェアdesknet‘s NEOとノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteでマレーシア投資開発庁のデジタル改革加速を支援すると発表した。24年10月にはNEOREKA ASIAが、Solsis(Dataprep Holdingsの連結子会社)と販売代理店契約を締結した。マレーシア政府機関などへの販売拡大を目指す。
■戦略投資
24年3月に米国FanKave社との「FanVoice AI」のサブライセンス契約締結、および日本での「FanVoice AI」サービスの提供開始を発表した。音声・動画による「顧客の生の声」をAIが分析し、顧客のニーズや感情などの定性データを収集できるAI VoC(Voice of Customer)サービスである。日本企業では初のサブライセンス契約となる。
24年10月には横浜市と共同開発の傷病者情報共有システム(仮)の実証事業を開始した。ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteおよびグループウェアdesknet‘s NEOを活用して救急現場のDXを支援する。
■サステナビリティ経営
サステナビリティ経営への取り組みとして23年5月にサステナビリティ委員会を設置、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明した。24年3月には横浜市が取り組む「横浜健康経営認証」において最高クラスの「横浜健康経営認証クラスAAA」に認定(認証期間は24年4月1日から2年間)された。24年3月には経済産業省と日本健康会議が進める健康経営優良法人認定制度において健康経営優良法人2024(大規模法人部門)に認定(5年連続)された。24年6月には厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」を取得した。またスポーツ庁が推進する「Sport in Lifeコンソーシアム」に加盟した。
■25年1月期大幅増益予想、さらに上振れ余地
25年1月期の連結業績予想は売上高が24年1月期比6.4%増の70億37百万円、営業利益が23.8%増の16億05百万円、経常利益が17.8%増の16億19百万円、親会社株主帰属当期純利益が14.8%増の10億98百万円としている。
第2四半期累計は売上高が前年同期比4.4%増の33億66百万円、営業利益が40.8%増の8億47百万円、経常利益が38.4%増の8億96百万円、親会社株主帰属中間純利益が25.0%増の6億02百万円だった。大幅増益だった。ソフトウェア事業、システム開発サービス事業とも好調に推移し、広告宣伝費の減少なども寄与した。
ソフトウェア事業は売上高(外部顧客への売上高)が5.1%増の23億58百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が56.0%増の8億77百万円だった。売上高の内訳はクラウドサービスが6.6%増の15億41百万円(グループウェアdesknet‘s NEOクラウドが7.2%増の12億89百万円、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteクラウドが30.6%増の1億07百万円、ビジネスチャットChatLuckクラウドが11.8%増の39百万円等)、プロダクトが1.9%増の7億77百万円、技術開発が10.7%増の39百万円だった。クラウドサービスが順調に拡大した。グループウェアdesknet‘s NEOの期末時点のプロダクト累計販売実績数は4.0%増の443.1万ユーザー、クラウドユーザー数は5.1%増の53.7万ユーザーとなった。
システム開発サービス事業(子会社のPro-SPIRE)は売上高が1.1%増の10億03百万円でセグメント利益が8.3%増の30百万円、海外事業は売上高が20.4%減の54百万円でセグメント利益が61百万円の損失(前年同期は7百万円の利益)だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億87百万円で営業利益が4億36百万円、第2四半期は売上高が16億78百万円で営業利益が4億11百万円だった。
通期連結業績予想は据え置いて大幅増収増益・過去最高業績の見込みとしている。主力事業が好調に推移し、コスト面では人件費やソフトウェア償却費が増加する一方で広告宣伝費が減少することも寄与する見込みだ。第2四半期累計の進捗率は売上高48%、営業利益53%、経常利益55%、親会社株主帰属当期純利益55%と順調であり、24年9月より実施したクラウドサービス価格なども勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
配当については6月14日付で配当政策の変更および配当予想の上方修正を発表した。25年1月期より中間配当を実施する。これに伴って25年1月期の年間配当予想を1円上方修正し、24年1月期比5円増配の28円(第2四半期末14円、期末14円)としている。予想配当性向は35.6%となる。
■株価は上値試す
株価は9月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。10月29日の終値は1902円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円55銭で算出)は約24倍、今期予想配当利回り(会社予想の28円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS427円03銭で算出)は約4.5倍、時価総額は約268億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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