好収益街道を走る、儲かる体制作りに定評のチャーム・ケア株とどう対峙すべきか

2024年9月11日 09:14

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 チャーム・ケア・コーポレーション(6062、東証プライム。以下チャーム・ケア)。近畿・首都圏中心に土地建物賃借方式を軸に、介護付き有料老人ホームを展開している。

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 前2024年6月期末のホーム数91/居室数6159室、開設orM&Aで取得後2年を経過した既存ホームの平均入居率は95.2%。四季報の業績欄の見出しを拝借すれば【続伸】。

 確かに、好収益状況が続いている。前期まで3期間の営業増益率は「26.48%、81.8%、28.3%」。配当も「17円、22円、30円」と増配を続けている。中長期目標として「売上高1000億円、経常利益100億円以上」を掲げているが、現時点で期間設定はない。問い合わせに対しIR担当者は、「今期末には期間も明記する予定」とした。

 チャーム・ケアの好収益の要因は、以下の2点に求められる。

 (I)高価格帯路線: これまでの例でみても、こんな具合。「入居時費用0~780万円/月額利用料金19万6000円~32万6000円」。そしてさらに、高価格帯方針に拍車をかけようとしている。前期も7つのプレミアム施設を開設している。例えば2023年にオープンした「チャームプレミアム御殿場山参番館」の入居金は0~2580万円、月額利用料金は24万8100円~67万8100円といった具合。

 (II)Iを支える背景として、「生産性の高い人材の適切配置により従来よりも数少ない人数で現場を回す体制構築(四季報材料欄)」が指摘される。先のIR担当者は、こう噛み砕いた。

 「アソシエイトリーダー:管理職と一般社員の中間職。リーダーをフォロー、時にその役割を果たす:を設け、業務内容とスタッフの配置を見直し最適化を図る。また少数精鋭化を実現し職員の処遇改善も進む。現に職員1人当たりの付加価値労働生産性が前々期の月平均56万8000円から、前期第3四半期時点で61万1000円となった」。

 そんなチャーム・ケアの株と、どう向き合うべきか。本稿作成中の時価は1400円台出入り。予想税引き後配当利回り1.95%水準。年初来高値1717円から株価暴落の8月5日の1164円まで下がり、戻り基調。

 過去9年半余の修正済み株価パフォーマンスは11.6倍強。IFIS目標平均株価1900円。前期のROE25.33%という「儲け上手」の体質を身に着けた企業に対しては、収益動向を追う中長期構えが肝要と捉えるべきだろうか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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