スマサポ 不動産管理DX推進、損益分岐点越えから利益拡大局面で上方修正

2024年8月13日 17:30

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記事提供元:フィスコ

*17:30JST スマサポ---不動産管理DX推進、損益分岐点越えから利益拡大局面で上方修正
スマサポ<9342>は8月9日の取引終了後、2024年9月決算の第3四半期決算を発表している。3Q累計で売上高は前年同期比35.5%増の2,037百万円、営業利益は106百万円(前年同期は74百万円の赤字)となった。

同時に通期業績予想の上方修正を発表している。売上高は2,513百万円から2,600百万円へ、営業利益は58百万円から100百万円へ上振れての着地予想となる。「スマサポサンキューコール」及び入居者アプリ「totono」の需要が高く推移、上方修正された数値でも高い達成率であるものの、4Qは閑散期にあたること、次期に向けた投資時期とする。

なお、同社は不動産管理会社向けソリューション提供事業の「スマサポサンキューコール」と「totono」が主力サービスとなる。「スマサポサンキューコール」は、不動産管理会社の先にいる入居者に対して生活サポートを提供するサービス。入居者に新生活をスタートするにあたって必要不可欠となる付帯商品の販売を行っている。具体的には、インタネット回線やウォーターサーバーなどを入居者に案内し、商品を提供する企業から顧客紹介料を得るビジネスモデルとなっている。不動産管理会社に加えて、不動産管理会社が抱えている入居者がターゲットになるため、主要KPIは入居者とのコンタクト数となる。24年9月期3Q末時点で累計の契約不動産管理会社数は783社(前期末比+56社)、累計の入居者とのコンタクト数は23万9,188件(今期目標に対する進捗率68%)。進捗はやや遅いものの、コンタクト数は、YonYで117%と成長継続中。なお、現在は、「スマサポサンキューコール」が同社の収益の柱で、安定収益に位置付けられている。

また、「totono」は入居者と不動産管理会社のコミュニケーションを円滑にし、入居中に快適なサービスを届けるプラットフォーム。電話が主になっている不動産管理会社と入居者のアナログなコミュニケーションを「totono」でデジタル化した。不動産管理会社は業務コストの削減ができ、入居者もアプリの中で必要な情報が網羅できる。同サービスは、不動産管理会社に月額のサブスクモデルで提供しており、チャットなどの問い合わせ代行などBPOとしてのアップセルも強化している。24年9月期上期時点のアプリダウンロード数は、20万8,714ダウンロードだったが、足もと8月2日発表で25万ダウンロードを突破。UIUXデザインを大幅リニューアルしたことに加え、管理戸数8万戸超、東証プライム上場のジェイ・エス・ビー社に導入が決まり、ハイスピードでのダウンロード数上積みが進んでいる。24年9月期3Q末時点での契約不動産管理会社数は121社(前期末比+17社)、アプリダウンロード数は24万2,746(今期目標に対する進捗率97%)。今まで、解約率はほぼゼロで、解約は1社だけとなっている。ただ、この1社も会社の体制に変化があり、やむなく解約となったようだ。不動産管理会社と入居者のコミュニケーションを活発化させ、不動産管理会社がこれまで得られなかった収益を得ることや、コミュニケーションをデジタル化することで業務負担を改善させる道筋が明確化しつつある。

トップラインは高成長が続いており、今後数年、年率2桁成長が期待され、営業利益に関しても成長が期待されよう。目先は、「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化に加えて、不動産管理会社のDX化に寄与する入居者アプリ「totono」の成長が見え始めており、中期的な成長イメージが描きやすい。《NH》

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