関連記事
12日の香港市場概況:ハンセン2.6%高で続伸、不動産セクターに買い
*18:00JST 12日の香港市場概況:ハンセン2.6%高で続伸、不動産セクターに買い
12日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比461.05ポイント(2.59%)高の18293.38ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が160.85ポイント(2.52%)高の6532.63ポイントと続伸した。ハンセン指数は6月20日以来、約3週ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1194億3190万香港ドルにやや拡大した(11日は1003億7990万香港ドル)。
米利下げ前倒し観測が相場を押し上げる流れ。米インフレの鈍化基調を受け、JPモルガンのエコノミストらは、米利下げ開始時期が従来の11月から9月に早まると予想した。11日に報告された6月の米消費者物価指数は(CPI)は、前月比で0.1%低下(予想は0.1%上昇)。マイナスに転じたのは2020年5月以来となる。米債券市場では米10年債利回りが急低下し、一時は3月中旬以来の低水準を付けた。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下期待も高まっている。指数は上げ幅を徐々に広げ、引けにかけて一段高となった。
一方、取引時間中に公表された6月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が8.6%増と上振れたものの(予想は8.0%増)、輸入が2.3%減と予想(2.5%増)に反してマイナスに落ち込んでいる。ただ、相場に与える影響は限定された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、香港不動産デベロッパーの恒基兆業地産(12/HK)が7.6%高、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が7.4%高、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が7.0%高と上げが目立った。
セクター別では、香港・本土の不動産が高い。上記した恒基兆業地産のほか、領展房地産投資信託基金(823/HK)が6.4%、新鴻基地産発展(16/HK)が6.2%、新世界発展(17/HK)が4.0%、世茂集団HD(813/HK)が14.3%、雅居楽集団HD(3383/HK)が7.8%、遠洋集団HD(3377/HK)が5.6%ずつ上昇した。
中国の銀行・保険セクターもしっかり。招商銀行(3968/HK)が4.7%高、中国農業銀行(1288/HK)が3.0%高、中国工商銀行(1398/HK)が2.8%高、中国平安保険(2318/HK)が3.2%高、中国人民財産保険(2328/HK)が2.2%高で引けた。
他の個別株動向では、アルミニウム中国最大手の中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が3.8%高。中間期決算の利益倍増見通しが好感されている。
半面、半導体セクターはさえない。華虹半導体(1347/HK)が1.7%、ASMPT(522/HK)が1.0%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が0.9%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が0.4%ずつ下落した。
一方、本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.03%高の2971.30ポイントで取引を終了した。銀行・保険株が高い。不動産株、医薬株、食品・酒造株やインフラ建設株の一角も買われた。半面、石炭・石油株は安い。公益株、ハイテク株、運輸株、自動車株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》
スポンサードリンク