ケンコーマヨネーズは25年3月期上振れ余地

2024年5月15日 10:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は5月13日の取引時間終了後に24年3月期連結業績を発表した。外食分野を中心とする売上回復、価格改定、生産性向上などの効果により、前回予想を上回る大幅増益で着地した。25年3月期は不透明感などを考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としているが、上振れ余地がありそうだ。なお25年3月期の配当は連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は決算発表を機に年初来高値圏から急反落の形となったが、1倍割れの低PBRなども支援材料であり、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期大幅増益、25年3月期小幅営業・経常増益予想

 24年3月期の連結業績は売上高が23年3月期比7.7%増の887億24百万円、営業利益が28倍の29億49百万円、経常利益が18倍の30億99百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が5.6倍の27億35百万円だった。配当は23年3月期比13円増配の30円(第2四半期末10円、期末20円)とした。配当性向は17.7%となる。

 コスト面では原材料価格・エネルギーコストが高い水準で推移したが、外食分野を中心とする売上回復、価格改定、生産性向上などの効果により、前回予想(2月13日付で上方修正)を上回る大幅増益で着地した。なお特別利益では投資有価証券売却益が2億67百万円増加した。

 調味料・加工食品事業は売上高が8.5%増の691億01百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が25億71百万円(23年3月期は2億35百万円の損失)だった。サラダ・総菜類は価格改定効果やBtoBtoC戦略による小型サラダの増加などにより、マヨネーズ・ドレッシング類は価格改定効果や量販店向けマヨネーズの増加などにより、いずれも好調だった。タマゴ加工品は高病原性鳥インフルエンザ感染拡大に伴う供給制限を解除して回復基調だが、通期ベースでは減収だった。

 総菜関連事業等は売上高が5.5%増の187億14百万円、利益が30.0%増の9億36百万円だった。価格改定効果に加え、生鮮売り場向け商品など販売カテゴリーの拡大、宅配など販売チャネルの拡大などの効果により大幅増益だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が214億02百万円で営業利益が1億99百万円、第2四半期は売上高が223億61百万円で営業利益が5億83百万円、第3四半期は売上高が233億40百万円で営業利益が15億44百万円、第4四半期は売上高が216億21百万円で営業利益が6億23百万円だった。

 25年3月期連結業績予想は、売上高が24年3月期比1.4%増の900億円、営業利益が8.5%増の32億円、経常利益が6.5%増の33億円、親会社株主帰属当期純利益が17.4%減の22億60百万円としている。配当予想は24年3月期比4円増配の34円(第2四半期末17円、期末17円)としている。連続増配で予想配当性向は24.2%となる。

 不透明感などを考慮して小幅な営業・経常増益にとどまる予想としているが、上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は決算発表を機に年初来高値圏から急反落の形となったが、1倍割れの低PBRなども支援材料であり、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。5月14日の終値は2043円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS140円37銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の34円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2439円95銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約337億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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