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25日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で4日続伸、テック指数は0.5%下落
*18:00JST 25日の香港市場概況:ハンセン0.5%高で4日続伸、テック指数は0.5%下落
25日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比83.27ポイント(0.48%)高の17284.54ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が20.15ポイント(0.33%)高の6120.37ポイントと4日続伸した。ハンセン指数は昨年11月28日以来、約5カ月ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は1199億1180万香港ドルにやや縮小した(24日は1295億8390万香港ドル)。
企業業績の改善基調が相場を支える流れ。香港で本格化している上場企業の決算では、利益の上積みや、業績持ち直しを示唆する内容が多く見られる。また、中国政府の経済対策や市場支援策に対する期待感が続いていることもプラス要因だ。中国と欧米の通商対立が激化しつつあることや、米株安などを嫌気した売りが先行したものの、下値は堅く、指数は程なくプラスに転じている。米中関係を巡っては、ブリンケン米国務長官が26日まで中国に滞在し、王毅・外交部長らと会談する予定だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国不動産の上げが目立つ。中国海外発展(688/HK)が6.3%高、龍湖集団HD(960/HK)が3.7%高、華潤置地(1109/HK)が3.0%高で引けた。著名アナリストの強気見通しも好材料。UBSの中華圏不動産リサーチ責任者、ジョン・ラム氏はこのほどメディア取材に対し、3年にわたり弱気スタンスを示していた中国の不動産セクターについて、政策支援を理由に楽観スタンスに転じたことを明らかにしている。ラム氏は2021年1月、中国恒大集団(3333/HK)の株価が急落すると予測し、的中させたことで有名なアナリストだ。中国海外発展については、1〜3月期決算の営業利益が前年同期比で22%増加したことも引き続き材料視している。
医療・医薬セクターも高い。中国医療集団(8225/HK)が10.1%、薬明合聯生物技術(2268/HK)が5.4%、石薬集団(1093/HK)が4.8%、中国生物製薬(1177/HK)が2.2%ずつ上昇した。
決算動向を手がかりにした値動きでは、ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車(2333/HK)が5.3%高。1~3月期の利益が前年同期比で19倍に拡大した。中国石化上海石化(338/HK)が3.8%高。同社の四半期決算は純損益が黒字に転換した。そのほか、増益決算を明らかにした銘柄では、白物家電大手の海信家電集団(921/HK)が4.2%高、原子力発電所運営で中国最大手の中国広核電力(1816/HK)が3.4%高と値を上げている。
半面、ネット関連の一角は安い。ライブコマース・プラットフォームの東方甄選HD(1797/HK)が9.4%、電子書籍ストア運営の閲文集団(772/HK)が3.2%、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が1.8%、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(700/HK)が1.4%ずつ下落した。ハンセン科技(テック)指数は0.5%逆行安している。
一方、本土市場は小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.27%高の3052.90ポイントで取引を終了した。医薬株が高い。銀行株、不動産株、自動車株、エネルギー株、素材株、運輸株なども買われた。半面、発電株は安い。インフラ関連株、証券株、食品・酒造株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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