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AWSの日本投資がもたらすものとは
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●AWSが日本へ2兆2600億円投資
アマゾン・ドット・コムの関連会社のアマゾン・ウェブ・サービスは19日(日本時間)、2027年までに東京と大阪のクラウドインフラに2兆2600億円を投資する計画を発表した。
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これを受けてアピリッツやJIG-SAWなどの国内の関連銘柄に大きく買いが入り、株価も大幅上昇した。
2022年は前年比37.8%増の5兆8142億円の売上だった日本のクラウド市場は、2027年には約2.3倍の13兆5761億円になると予測されている。
AWSの日本投資でクラウド市場が一気に加速するのだろうか?
●AWSと日本のクラウド市場
AWSは2009年から日本にオフィスを構えており、2011年にAWSアジアパシフィック(東京)リージョンを開設。2021年にはAWSアジアパシフィック(大阪)リージョンも開設した。
日本は特に生成AI関連市場の需要が旺盛で、米国や中国に次ぐ市場と期待されている。
AWSは投資拡大により、データセンターを日本国内に置くことで、重要な情報を国外に持ち出すことなく、国内で完結できることが期待されている。
●期待される経済効果は?
AWSの発表では、今回の投資で日本のGDP(国内総生産)に5兆5700億円貢献し、国内企業の雇用を年間平均3万500人支えると見込んでいる。
ただ、日本では生成AIへの需要はあるが、まだまだ関心は薄い。
ChatGPTについて大企業では10%近く普及しているが、従業員100人以下の企業ではその半分にも満たない。そもそも日本人の半数近くがまだChatGPTを知らないと答えたというアンケート結果もある。
一方で、生成AIに対する脅威は世界では厳しい目を向けられており、EU(欧州連合)では巨大IT企業の活動を規制する法律も今春から適用される。
日本のクラウド市場には伸びしろがあるのだろうが、今後規制する動きが出た時に走り始めたクラウド市場はどう動くかは、大きな課題となるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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