能登半島地震から半月 政府・民間企業からの支援が続々

2024年1月21日 17:55

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

14日には岸田総理が石川県輪島市と珠洲市を訪れ、避難所の視察など、現地の今の状況を確認した

14日には岸田総理が石川県輪島市と珠洲市を訪れ、避難所の視察など、現地の今の状況を確認した[写真拡大]

 2024年1月1日16時10分。石川県能登地方を震源地とするM7.4、最大震度7の地震が発生し、正月ムードに包まれていた日本列島を文字通り震撼させた。

 気象庁の発表によると、発生から2週間以上経過した今でも、能登地方やその周辺を中心に活発な地震活動が続いていており、1月16日現在、体に揺れを感じる地震は1400回を超えているという。住宅倒壊をはじめ、住宅火災、地盤災害、津波被害などの甚大な被害が発生している被災地では、一刻も早い復旧が望まれているが、まだ2月初旬くらいまでは震度5強程度か、それ以上の揺れに注意が必要とされているため、復旧作業や救出作業も困難している状況が続いている。

 14日には岸田総理が石川県輪島市と珠洲市を訪れ、避難所の視察など、現地の今の状況を確認した。翌15日には政府の災害対策本会議も開かれ、被災地の住宅支援を強化する方針が示し、16日には新年度予算案の予備費を1兆円に倍増することも決定する。今年度予算の予備費とあわせた財政措置を講じることで、被災者支援や復旧などに全力を注ぐ姿勢を示している。

 民間企業も、素早い被災者支援を始めている。

 中でも迅速な対応を見せたのが、コンビニ大手3社だ。3日にはセブンーイレブン・ジャパンが計1200本のペットボトル入り飲料水を石川県七尾市と富山県氷見市に無償提供したのをはじめ、ローソンも飲料水やパンなどの食料品の他、防寒用に使い捨てカイロなどを支給、さらに七尾市内の総合病院の医療従事者に向けて、栄養調整食品「カロリーメイト」5400個を送っている。ファミリーマートも、おむすびや菓子パン、飲料水などの支援物資を県内の避難所に届けている。また3社ともに全国店舗の各店頭での募金も開始している。

 被災地では、衛生面や健康面のケアも心配だ。そこで、石川県能美市に本社を置く歯科用品通販の歯愛メディカル<3540>は、歯ブラシ4700本や60枚入りの口腔用の除菌ウエットティッシュ2千セットを提供。繊維業界からは東レが、エコノミークラス症候群の予防策として医療用弾性ストッキング「ファインサポート」と、寒さ対策のために保温性の高い肌着「テクノサポート」を発送している。しかし、現地ではオムツや粉ミルク、生理用品やトイレットペーパーなどがまだまだ不足しており、各自治体などが支援を呼び掛けている。

 義援金や募金も、続々と集まり始めているようだ。

 輪島塗職人との親交も深い、総合住宅メーカーのAQ Groupは、石川県輪島市へ300万円の義援金を寄付した他、同社が展開する全国の展示場でも募金箱を設置し、被災地への義援金の募金を呼び掛けている。イオングループでも、全国各地の店舗・事業所で緊急支援募金を実施しており、溜まったポイントでの募金も受け付けている。

 個人の場合は個々に支援物資を送ると、かえって現場を混乱させたり、迷惑になってしまうこともある。支援の気持ちがあるのなら、物を送るのではなく、信頼できる企業が実施している募金に参加するのが一番だ。その義援金は、現地で本当に必要とされている物に形を変え、支援を必要としている人に届くはずだ。

 これから2月、3月に向けて、北陸地方はますます寒く、雪も多くなってくるだろう。被災地の方々が一日も早く、安心して安全に暮らせる日々を取り戻せることを心よりお祈りしたい。(編集担当:藤原伊織)

■関連記事
震災復旧・復興へ来年度予算案予備費1兆円に
在日米軍 能登半島地震被災者支援の物資輸送へ
原子力防災の備えに終わりや完璧ない 総理

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事