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新型コロナ関連の経営破綻、2023年は前年比40.2%増の3201件に
東京商工リサーチが2023年12月の「新型コロナ」関連の経営破綻の状況を発表し、2023年に入り新型コロナが鎮静化したものの、業績の回復が見られず破綻企業の件数が高止まりしていることが分かった。
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■2023年のコロナ関連破綻は3,201件
5日、東京商工リサーチが2023年12月の「新型コロナウイルス」関連の経営破綻(負債1,000万円以上)状況を発表した。12月の破綻件数は278件で、前年同月比14.4%増となり前年を上回る状況が続いている。
2023年全体の件数は、前年比40.2%増の3,201件。月別で最も破綻件数が多かったのは3月の328件、次いで8月(300件)、6月(299件)となっており、12月(278件)は23年で4番目に多い件数だった。
反対に破綻件数が少なかったのは9月(234件)、11月(235件)、1月(245件)の順。2022年9月(206件)に破綻件数が200件を超えて以降、16カ月連続で200件超えとなっている。
また2020年からの累計では、破綻件数が8,044件。負債1,000万円未満の小規模破綻は385件あり、合計で8,429件となった。
新型コロナの鎮静化により、売上などの業績が回復しつつある企業が増える一方、業績回復のめどが立たない企業も少なくない。そこにコロナ関連融資の返済、物価や人件費の高騰によるコストアップとなり、2024年もコロナ関連の破綻企業は高止まりする可能性が高いとしている。
■東京都は破綻件数が唯一の1,000件超え
負債額1,000万円の小規模倒産を含めた累計の件数8,429件を都道府県別で見ると、倒産件数が最も多かったのは東京都の1,737件で、唯一の破綻件数が1,000件超え。次いで大阪府が801件、福岡県が466件、愛知県が419件、兵庫県が376件、神奈川県が355件、北海道が344件などとなっている。
反対に件数が少なかったのは、鳥取県の17件、高知県の26件、徳島県の34件、宮崎県のと山梨県の各35件、和歌山県の40件、秋田県の48件など。
西日本で破綻件数が100件を超えた府県は、先の大阪府や福岡県、兵庫県に加え、京都府(215件)、広島県(212件)、熊本県(103件)の6府県。一方東日本で100件以上だった都県は12都県(愛知県を含めると13都県)ある。元々の企業件数の違いはあるものの、コロナ関連の破綻企業の件数は東日本に多めだ。
都道府県別の企業数における破綻企業の割合で最も高い都道府県は、東京都の0.415%で、唯一の0.4%超え。次いで福岡県が0.344%、宮城県が0.331%、大阪府が0.294%、栃木県と群馬県が各0.275%、京都府が0.271%、富山県が0.267%、兵庫県が0.259%と続いており、破綻件数の割合では東西日本における目立った格差は見られない。
■業種別では飲食業が最多の1,313件
負債1,000万円以上の破綻件数3,201件を業種別で見ると、最も破綻件数が多かった業種は飲食業で1,313件。コロナの鎮静化以降に客足が回復しても、売上の回復に至らず経営破綻に至っている。以下、建設業が976件、アパレル関連(製造・販売)が566件、飲食料品卸売業が326件、食品製造が236件、貨物自動車運送業は225件、宿泊業が219件と続いている。
破綻の形態別で見ると、倒産した7,846件の中で破産が7,111件と9割超を占めている。元からの業績不振にコロナによって経営破綻に至り、再建が難しい状況が多い。その他では取引停止処分は286件、民事再生法が237件、特別清算が183件などとなっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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