18日の中国本土市場概況:上海総合0.4%安で4日続落、ハイテクと不動産に売り

2023年12月18日 16:52

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記事提供元:フィスコ

*16:52JST 18日の中国本土市場概況:上海総合0.4%安で4日続落、ハイテクと不動産に売り
週明け18日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比11.75ポイント(0.40%)安の2930.80ポイントと4日続落した。10月23日以来、約2カ月ぶりに終値で年初来安値を更新している。


国内景気の先行きを不安視した売りが継続する流れ。足元では、景気鈍化を示唆する指標が相次いでいる。15日に集中して公表された11月の経済統計は、不動産関連の悪化基調が継続。鉱工業生産や小売売上高の伸びが前月を上回ったものの、アナリストの一部からは、「新型コロナウイルス禍の混乱を受けたベース効果の影響も大きく、中国景気の持ち直しを確認するには至らない」と指摘された。先ごろ公表された11月の消費者物価指数(CPI)がマイナス幅を拡大し、下落率は2020年11月以来、3年ぶりの大きさを記録するなど内需の弱さも目立っている。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)世界最大手の聞泰科技(600745/SH)が2.3%安、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が2.0%安、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が1.9%安、フラッシュメモリーの北京兆易創新科技(603986/SH)が1.6%安で引けた。


不動産株もさえない。新城控股集団(601155/SH)が2.9%、緑地HD(600606/SH)が2.5%、信達地産(600657/SH)が2.3%、金地集団(600383/SH)が1.9%ずつ下落した。素材株、医薬株、消費関連株、インフラ関連株、メディア・娯楽株なども売られている。


半面、海運株は急伸。寧波遠洋(601022/SH)がストップ(10.0%)高、寧波海運(600798/SH)が6.3%高、中遠海運HD(601919/SH)が6.0%高、中遠海運特殊運輸 (600428/SH)が4.6%高で取引を終えた。運賃上昇の思惑が浮上。スエズ運河に通じる紅海を運航する商業船に対し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が攻撃を続けていることを受け、各海運大手がスエズ運河の航行を見合わせると相次ぎ発表した。そのほか、エネルギー株、公益株、銀行株も買われている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.18ポイント(0.52%)安の224.94ポイント、深センB株指数が8.29ポイント(0.78%)安の1055.71ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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