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中間期上方修正の東和薬品は、後発医薬品業界のイメージ刷新へ牽引役になるか!?
東和薬品(4553)は11月6日、第2四半期の開示1週間前に中間期の上方修正を実施した。期初の中間期予想に対し「売上高:27億円、営業利益:12億円、最終利益:35億円」を上乗せし、「前年同期比18.6%増収(1073億円)、営業利益2.17倍(70億円)、最終利益2.56倍(69億円)」。
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株価はこの修正を第1四半期(8月10日発表)の状況(前年同期比20.2%増収、123.1%営業増益、245.8%最終増益)から既に読み込んでいた。7月12日の1703円(年初来安値)が9月15日には2988円(同高値)まで買い進まれていたことに読み取れる。
周知の通りジェネリック医薬品業界は、日医工の「出荷試験工程の不正」の表面化を契機に苦境に晒されていた(いる)。東和薬品にも“飛び火”が危惧された時期もある。が「社内検査の結果、断じてなし」の結論を早々に公にし、懸念を払拭した。
表現は適切でないかもしれないが、「業界大手の一角の立ち位置にあった東和薬品は、業界のイメージ刷新のリーダー役、NO1の座を手に入れるチャンスを得た」とも言える。
今期のスタートダッシュ(中間期上方修正)は前23年3月期の26%増収も「81%営業減益、82%最終減益」の背景を、「発信通り」と裏付ける結果にもなった。
「東和薬品単体の国内セグメントは順調に推移した。連結利益の落ち込みは、(22年3月に)健康食品・医薬品などの企画・開発・受託生産等を手掛ける三生医薬の買収・子会社化に伴うのれん償却費など、販管費・一般管理費の増加、売上原価率の上昇による結果」としていた。
ただ一部には通期計画の上方修正を見送った点に「?」を付ける向きもある。それはIFIS目標平均株価(本稿作成中の時価2400円弱に対し、3150円)の算出者の姿勢にも示されている。5人中3人の強気に対し、2人は中立。が東和薬品の通期据え置きの言い分にも、相応の説得力を感じる。
「市場環境や為替動向で不透明な部分があり・・・」は主に「想定以上の円安効果(デリバティブ評価益31億円)」を指している。また研究開発費の費消(発生のずれ込み)から、下半期の研究開発費負担増が見込まれる。
どう対応するべきなのか。株価(株式市場)動向に軸足を置いて構えるのも一法、とみる。前記の株価急伸時、窓を開ける形となっている。開けた窓は埋めなくてはならない、窓埋めの下げは当然。対して直近の信用取引の取組は6100株の買い増で、2.79倍の買い長となっている。
株価動向を「森羅万象を映す鏡」と捉えるなら、時価の予想税引き後配当利回り2%強を背もたれに暫し様子見が賢明ではないか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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