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2億5000万年後の地球環境は哺乳類が絶滅か? 英ブリストル大らの研究
今から2億5000万年後の地球と仮説上の超大陸パンゲア ウルティマの、最も暖かい月の平均気温 (摂氏) を示す画像。(画像: ブリストル大学の発表資料より)[写真拡大]
現在、人類は地球上で栄華を極めているが、この状況は永遠に続かないのかもしれないという研究結果が、ブリストル大学の科学者を中心とする国際研究チームによって発表された。
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人類のような哺乳類が繁栄していくための好条件が、今の地球には揃っている。哺乳類が地球を支配する前の時代には、恐竜が繁栄する時代が約1億8,000万年も続いていた。恐竜時代の終わりはたった1発の宇宙からの大隕石襲来が引き金となったが、哺乳類時代の終わりは、地球自体の活動、つまりは、プレートテクトニクスによる大陸移動に起因する気候変動によるものになるという。
研究では、スーパーコンピューターによる気候モデルを用いた数値解析シミュレーションを実施。その結果、今から2億5,000万年後に形成される超大陸パンゲアウルティマ(パンゲア プロキシマとも呼ばれる)が、極度の高温化をもたらし、地球の多くの場所は生命の住めない状況になるという、人類にとっては非常に悩ましい結論が得られている。
高温化の原因の1つは、すべての大陸を統合する地殻活動による火山活動の増加だ。もう1つは、太陽が老化につれてより多くのエネルギーと熱を放出することという。火山活動の増加は、大気中の二酸化炭素濃度を高め(現在の2倍ほどになる)、温暖化をより促進させる。これに加えて太陽からの熱放射量増大(現在の2.5%増)と大陸効果による温暖化が相まって、気温は40~70度にも達し、地球生命にとどめを刺す。
地球の歴史を振り返れば、超大陸は10個の存在が確認されている。最も最近の超大陸はパンゲアと呼ばれ、今から2億~3億年程前に存在したと考えられているが、その頃の化石を調べれば、次に到来するパンゲアウルティマ時代の地球生命の運命が、詳しくわかるかもしれない。
超大陸が出現しては消滅する歴史が繰り返されてきた地球で、現在も生命が存続していることを考えれば、人類が生き延びられる可能性もどこかに隠されているかもしれない。
なお今回の研究成果は、9月25日に「Nature Geoscience」で公開されている。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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