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今期計画、一転大幅増益/中計強気:オーテックの背景と足元の現実
オーテック(東証スタンダード)。工場やビルの空調自動制御設備の建設・施工・メンテナンスが主軸。四季報秋号のパラパラ読みで出会った。今回は「ここ数期に比べ今期予想が大幅増益」で、「好材料を抱えている企業」を条件に読み漁った。
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オーテックの収益動向はこんな具合。2021年3月期は「13.8%減収、13.2%営業減益」。22年3月期「8.3%増収、営業利益横這い」。23年3月期「2.9%増収、1.6%営業増益」。それが今3月期計画は、「9.0%の増収(285億円)、28.0%の営業増益(25億円)」。第1四半期は前年同期比「17.1%増収、4400万円の営業黒字転換」。
前期決算に際して発信した「今後の見通し」を確認した。「原材料価格の高止まりや慢性的な技能労働者不足もあることから、厳しい環境が続くものと思われる」としながらも、「当社が関連する建設業界では、大型再開発案件の共有継続と製造業の省力化・デジタル化に向けた設備投資の増加が期待される」としている。建設業界が抱える喫緊の課題が、フォローの風となりうると見通しているわけだ。
第1四半期の主軸の環境システム事業に関し「完成工事高は前年同期比17.3%増(63億9500万円)。新設工事が34.9%増、既設工事が11.2%増、保守工事2.6%増」と、想定通りの流れが起こったことを示した。
好材料を・・・と受け止めたのは、「(仮称)小石川合同庁舎(文京区)」の工事受注。延床面積9533.17平方メートル/建築面積1781.17平方メートル、地上6階/地下2階/塔屋1階。オーテックの競争相手は大手・中堅を含め、少なくない。オーテックはこれまでにも「参議院新議員会館」「仙台合同庁舎B棟」などの複数の公的な建屋の空調自動制御設備を手掛けている。そして今回は・・・。こうした実績は、今後の事業展開を捉える上で大きいと言える。
至2025年3月期の中計も強気の構えだ。「売上高300億円(21年3月期比28.2%増)、営業利益30億円(57.9%増)、ROE8%以上」を目標値として掲げている。
本稿作成時の時価は2600円台半ば、予想税引き後配当利回り2.7%余。9月7日に急伸してつけた3400円の整理場面だが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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