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日常でよく見聞きする! イギリス英語のスラング特集 (12)
イギリス英語のスラング特集、今回は「L」と「M」から始まるスラングを1つずつ紹介しよう。どちらもわりと日常的に使用されるスラングで、見聞きする機会も多い。実際に出くわしたときに戸惑わないよう、例文とともに確認しておこう。
【前回は】若者のフランクな日常表現:イギリス英語のスラング特集 (11)
■Lurgy
感染しやすいけれどそれほど深刻ではない病気のことを、イギリスのスラングで「lurgy」と言う。「He's caught the dreaded lurgy.」のように、「dreaded」とセットで使われることが多い。
このスラングの由来ははっきりしている。1950年代に人気を博したラジオのコメディーショー「The Goon Show」が初出である。1954年11月9日に放送されたエピソード『Lurgi Strikes Britain』にて、主人公が「Dreaded Lurgi」と呼ばれる非常に感染力のある、しかし、後に架空と判明する流行病と戦った。
もちろんこれは、ショーの脚本家が考えた(現実においてはもちろん、ショーのなかでも)架空の病気である。しかし、そのユーモラスな展開からこの表現は広まり、今ではスラングとして完全に定着するに至ったのだ。
なお、エピソードのタイトルからわかるように、最初は「lurgi」という綴りだった。この語尾がいつしか「y」に変わり、今でも咳や風邪などを軽く揶揄する際によく使われている。
・He's come down with the dreaded lurgy.
(彼、ひどい風邪を引いちゃったみたい)
この例文のように、風邪などの一般的な病気に対して、少しユーモラスなニュアンスを込めるために使われる。「dreaded」とは言うものの、実際、それほどひどいわけではない。
■Miffed
「miffed」とは、「イライラする」、「ムッとする」、「むしゃくしゃする」といった意味のスラングだ。深刻な怒りではなく、些細なことで不機嫌になったり、少し気に障ったりしたときに使われる。
「annoyed」や「irritated」に近いが、それよりやや程度が軽い状態だろう。イギリスでは日常的によく見聞きするポピュラーなスラングだ。
オックスフォード英語辞典によると、「miffed」の発祥は19世紀前半にさかのぼるとある。ただそれ以前から、些細な口論や意見の不一致を意味する「miff」という言葉が存在していた。現在、「miff」という形はあまり見られなくなったが、17世紀前半から使われている伝統ある言葉である。
なお、この「miff」は擬音語だという説がある。人が不機嫌なときに発する「フンッ!」というような音が由来だという説だ。ともあれ、それが時間の経過とともに形容詞化して語尾に「ed」がつき、以下の例文のような形で使われるようになった。
・John was a bit miffed about having to work on the weekend.
(週末に働かなければならないということで、ジョンは少しムッとしていた)
・She was miffed at him for forgetting their anniversary.
(彼が記念日を忘れたので、彼女は少しイライラしていた)(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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