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米高裁判決でビットコインのETF化が加速か!?
●米高裁がSECの判断を却下
ロイター通信の報道によると、ワシントンの米連邦高裁は8月29日、米証券取引委員会(SEC)が6月に米デジタル資産運用会社・グレイスケール・インベストメンツのビットコインETF化申請を却下したことを、不当とする判決を下した。
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これを受けてビットコインは一時2万8000ドルまで上昇した。
SECはこの判決を受けて、ビットコインの現物ETFの申請に対する決定を10月まで延期することを発表した。この発表に対しては、約4%下落することとなった。
ビットコイン現物ETFに追い風かと思われたが、一筋縄ではいかないようだ。
●期待が高まるビットコインETF
2021年前半にはカナダでいち早く、ビットコインETFが承認されている。
米国では2021年にSECが初のビットコイン先物ETFを承認しているが、現物ETFの承認には至っていない。
2023年6月には、世界最大の資産運用会社ブラックロックが現物ETFを米SECに申請したことが話題になった。
大学でビットコインを教えていたことのあるゲンスラーSEC委員長が4月に就任したことで、承認の期待は高まっていたが、6月にはバイナンスやコインベースを提訴するなど仮想通貨に厳しい姿勢だった。
●ETF化はいつになるのか?
今回の判決では、先物ETFが承認されていることと比較して、SECの申請却下を“気まぐれ”と非難している。
ビットコインのETFが承認されれば、多くの買いが入ることが期待されビットコインの値段が上がるだけでなく、さらに他の仮想通貨のETFが続くことにも期待される。
ビットコインのETF化によって、幅広く個人投資家がウォレットを設定できる。暗号取引所と取引することなく、ビットコインという資産を手にすることが可能となり、規制のおかげで安全性が高まる期待もある。
今回の判決は追い風にも見えるが、信用度の高いブラックロックなどの申請も遅れてしまったという思わぬ副作用もあり、判決後の下落はそれに対する失望売りだった。
ビットコインETFの承認は堅いと見る専門家も多いが、SECの“さじ加減”次第で承認時期はさらに遅れることも考えられる。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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