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【注目銘柄】K&Oエナは反落も業績上方修正にヨウ素関連人気も底流し押し目買い妙味
■ペロブスカイト太陽電池の原料としても注目
K&Oエナジーグループ<1663>(東証プライム)は、前日6日に36円安の2473円と3営業日ぶりに反落して引けた。この日前場取引所間中に2529円まで買われ、8月8日につけた上場来高値2589円に肉薄しており、全般業績が伸び悩むなか目先の利益を確定する戻り売りが優勢となった。ただ3連休前の米国市場で原油先物(WTI)価格が、7営業日続伸して1バーレル=85ドル台と昨年11月中旬以来の高値まで上昇したことや、今年8月14日に今2023年12月期業績を上方修正し、期初の減益転換予想が2ケタ増益と続伸することは不変であり、押し目買い妙味を示唆している。なかでも上方修正要因となったヨウ素事業では、被爆防止の安定ヨウ素剤や折り曲げられる次世代の太陽光電池「ペロブスカイト太陽電池」の各原料として需要が拡大していることも、側面支援材料視されている。
■ヨウ素の販売価格上昇に円安進行に伴う為替差益がオン
同社の今12月期通期業績は、今期第2四半期(2023年1月~6月期、2Q)累計利益が、期初予想を大きく上ぶれて着地したことを受けて上方修正された。売り上げだけは期初予想より15億円下方修正したが、営業利益は20億円、経常利益は23億円、純利益は14億円それぞれ引き上げ、売り上げ956億円(前期比10.0%減)、営業利益86億円(同17.7%増)、経常利益94億円(同18.5%増)、純利益57億円(同19.6%増)と見込み、利益は、期初の減益転換予想が2ケタ続伸とトレンドが変わった。売り上げは、ガス事業で発電用途のガス販売量が減少する影響で減収転換するが、ヨード事業では、ヨウ素販売価格の上昇と為替の円安が寄与して2Q累計業績の売り上げが54億5300万円(前年同期比52.9%増)、営業利益が32億1400万円(同78.5%増)と好調に推移したことが要因となった。今期通期の為替レートは、1ドル=135円(前期実績1ドル=131円)と想定しているが、足元の為替相場は、1ドル=146円台とさらに円安水準で推移しており、業績再上ぶれ要因として注目されている。
なおヨウ素は、同社の千葉県の南関東ガス田から開発・製造している国産資源の水溶性ガスの副産物として生産されており、主用途はレントゲン造影剤だが、このほかの需要も業績・株価材料として注目されている。まずロシアのウクライナ侵攻に伴いプーチン大統領が戦術核の配備を行っており、核兵器使用の際に甲状腺への被爆を防止する安定ヨウ素剤需要である。また積水化学<4204>(東証プライム)は、今年8月18日に軽量で折り曲げやすい「ペロブスカイト太陽電池」の量産に向け100億円を投資して製造設備を新設すると報道されたが、この原料需要も増加方向にある。さらに米国ハワイ州のマウイ島で発生した大規模の山火事では人工降雨剤としてのヨウ素銀にも注目が集まっており、世界シェア5%超のヨウ素メーカーとしてのビジネスチャンスの拡大が期待されている。
■WTI価格の1バーレル=85ドル台への再騰に連動しPER11倍、PBR0.7倍の割安修正
株価は、前期配当の権利落ち後の年初来安値1887円から原油価格上昇に連動して下値を切り上げ、今年8月にWTI価格が、1バーレル=84ドル台後半と昨年秋以来の高値となったことで上場来高値2589円へ37%高した。この高値時に発表した上方修正は材料出尽くし感を強めて2245円まで調整し、ペロブスカイト太陽電池関連人気に足元でWTI価格が1バーレル=85ドル台と持ち直したことも加わって2529円高値までリバウンドし戻り売りに押された。PERは11.5倍、PBRは0.78倍と割安であり、3連休明け後の米国市場のWTI価格の動向も手掛かりに上場来高値抜けから一段の上値追いに拍車をかけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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