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ジャクソンホール会議開幕、その重要度は?
●24日からジャクソンホール会議
毎年市場の注目度の高く、主要中央銀行のトップらが参加するシンポジウムであるジャクソンホール会議が24日~26日に行われる。
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昨年は3年ぶりに対面開催となり、パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演が株価を大きく動かした。
今回の最大のテーマは、利上げを停止するか?継続するか?だが、パウエル議長の発言に注目が集まる。
●2022年のジャクソンホール会議
昨年は7月のCPIで鈍化傾向が見られ、インフレ鈍化の兆候があったことから、早期利上げ停止への期待が高まっており、市場も楽観視し強気だった。
だがパウエル氏は「インフレ低下を確信するには程遠い」と釘を刺した。鈍化しても、引き締めが必要との認識を示していたのだ。
パウエル氏の発言はタカ派と捉えられ、市場からは失望売りが広がり、NYダウが1000ドル以上も下落する場面があった。
●2023年はどうなる?
パウエル氏も市場との対話を意識した発言となるだろう。
これまで通り、早期緩和への楽観論を戒めつつ、データを見ながら判断するというスタンスは崩さないと思われる。
しかし2022年に比べて、インフレ率は大幅に鈍化しており、大きく状況は変わっている。今年は一歩踏み込んだ発言をせざるを得ないだろう。
1年前から政策金利は3%上昇したが、経済への副作用は思ったより軽微であるというのが、大方の見方である。
だが今秋に再開される新型コロナ禍で猶予されていた学生ローンの返済再開や、中国恒大の破産申請など中国景気への懸念もあり、これ以上の利上げには世論が神経質になっている。
これらへの言及があるかも注目される。
今回のジャクソンホール会議には植田日銀総裁も出席するが、日本も他人事ではない。足元では円安が進行しており、為替介入ラインともされる145円を突破する場面があった。
ジャクソンホールの動向を見極めていると見られており、米国の利上げ姿勢に対し、明確な動きがあれば、円安・円高と大幅に振れるリスクも否定できない。
急激な円安が進むとなれば、介入せざるを得なくなるかもしれない。24-25日が相場にとっても大きな転換点となるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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