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SBI証券、株未経験でも信用取引ができる「はじめて信用」 空売りも可能に
SBI証券は14日、株式の取引経験がなくても信用取引ができるサービス「はじめて信用」の提供を開始すると発表した。口座開設には所定の審査が必要となるが、株式の取引有無は問わず、売建(空売り)も可能。投資初心者向けの売建可能なサービスの提供は、主要ネット証券5社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券)では初という。
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はじめて信用のターゲットは、投資未経験者だ。投資経験を持つ人は対象外となり、通常の信用取引口座と併用は不可のため、すでに口座を持つ人は利用できない。投資初心者向けに提供することから、レバレッジは1倍(委託保証金率100%)、建玉上限金額は500万円とし、リスクを抑える仕様にしている。
その他は概ね通常の信用取引と同様で、最低委託保証金額は30万円、維持率は20%。金利・貸株料・品貸料も通常と変わらない。はじめて信用で取引に慣れたら、希望に応じて通常の信用取引への変更も可能という。
近しいサービスとしては、マネックス証券が展開している「スタート信用」がある。こちらも初心者向けサービスで、建玉上限も同額の500万円だが、リスクの取り方が異なる。取引できるのは買建のみで、リスクを抑えるため、売建を不可にしている。さらに無料サービスとして、損切りを自動で行える「みまもるくん」を提供。事前に損切り決済率を設定すれば自動決済する機能で、初期設定値はマイナス10%となっている。一方でレバレッジは通常同様、最大約3.3倍で提供している。
はじめて信用では、信用取引の最大の特徴とも言える売建の機会を、投資初心者に提供する。SBI証券は同サービスの提供により、初心者でも「市場の下落局面での収益機会をとらえることができるようになる」と位置付けている。
同社の2024年3月期第1四半期決算は、人流回復や国内株の上昇基調などにより収益・利益ともに過去最高を達成。営業利益は約184億円で、前年同期比51.3%増となった。
口座開設も順調に増えており、23年6月末時点の証券口座数は約1,047万口座と、主要5社で最多。信用取引口座も最多の約102万口座で、2位の楽天証券の約1.6倍を誇る。はじめて信用は株安が続く環境下でも、新規口座開設を促す手段となり得る。
はじめて信用の申し込み開始は、23年8月18日を予定。SBI証券は今後も、「業界最低水準の手数料で業界最高水準のサービス」を目指し、商品提供・サービス拡充を図っていくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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