「ビズリーチ」展開:ビジョナルのIFIS目標平均株価9686円、どう対応するか!?

2023年8月7日 17:06

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 ビジョナル(東証グロース)。クラウドサービスを活用した、会員制転職サービス「ビズリーチ」を展開。

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 「人材流動化⇔転職⇔己を磨く」時代が指摘されている。転職自体は、昨日今日に始まったわけではない。転職仲介をはじめ人材斡旋を手掛ける企業も少なくない。が昨今CMを積極的に展開しているビジョナルのビズリーチに接し、唸らざるを得なかった。

 『ビズリーチは、即戦力のあなたにスカウトが届くハイクラス転職サイト』―「これからの時代は、自身の市場価値を把握しておくことが重要。スカウトを受け取ると、企業があなたに感じる可能性やキャリアの選択肢が分かる。どんな企業からスカウトが来るのか確かめてはいかがか」。

 至極、ごもっとも。そしてホームページには、こう付記されていた。「年収1000万円以上の求人が3分の1以上(2021年1月現在)」―「厳選された企業/(筆者注)ビズリーチ導入企業数累計2万3500社(23年1月現在)」―「一定の基準を満たした相談可能な登録ヘッドハンター数6200人(同)」。

 登録料無料だというから、己に自信がある人や市場価値を確認したい向きは登録だけでもしてみてはいかがか。

 2009年、ビズリーチを創業。2020年2月、ビジョナルを設立しグループ経営体制に。上場は、21年4月。実際の収益動はどんな具合か。

 20年7月期の「売上高:258億7900万円、営業利益:21億8600万円」が21年7月期「10.9%増収、8.3%営業増益」、22年7月期の「53.2%増収、251.3%営業増益」と騰勢を強め今7月期は「27.4%増収(560億円)、50.9%営業増益(125億円)」計画。

 開示済みの第3四半期時点の計画比達成率は「74.2%、80%」。上場を契機に一段と成長スピードに拍車がかかっている。

 設立者の南壮一郎社長は学卒後、モルガン・スタンレー証券を経て楽天へ。楽天ではプロ野球参入事業に携わるなど、自らが転職組。そんな履歴の中で、米国で流行り始めていたLinkedinに着目した。ビズリーチの原型とも言うべき「求職者と企業の人事部がダイレクトに繋がるプラットフォーム」である。

 起業(創業)したのは28歳の時。が右から左にことが進むほど世の中、容易ではない。まず、サービスを0からつくるためのエンジニアを探し始めた。しかしエンジニアとは何の縁もゆかりもなかった南氏は、早々に「人材確保」という壁にぶち当たった。悩んだ末、草野球チームのような「副業集団」形成にシフト・・・これが「千里の道の1歩」となった。

 新規事業の立ち上げ・軌道化には、フォローしてくれる斯界のプロも必須。その意味で09年の創業時から3年後の10年にVCのジャフコが第3者割当増資を引き受ける形で、約2億2000万円を出資した。ターニングポイントといえよう。

 ビジョナルの公開初値は7150円(公開公募価格5000円)。2年余が過ぎた本稿作成中の時価は7800円。21年12月に1万1550円までつけ22年6月の5300円まで利食いをこなしている。IPO人気から地相場に移行しているとみる。がIFIS目標平均株価9686円も、算出者の7人中3人が強気も4人は中立。対応の難しさを覚えるが、もし私が投資をする立場なら「配当実施を待つ」としておきたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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