BeeX、1Qの売上高・各利益は前年比2桁増、営業利益・経常利益の通期業績予想に対する進捗率は30%超と順調

2023年7月26日 08:45

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記事提供元:ログミーファイナンス

BeeX、1Qの売上高・各利益は前年比2桁増、営業利益・経常利益の通期業績予想に対する進捗率は30%超と順調

BeeX、1Qの売上高・各利益は前年比2桁増、営業利益・経常利益の通期業績予想に対する進捗率は30%超と順調[写真拡大]

会社概要

広木太氏:みなさま、こんにちは。株式会社BeeX代表取締役社長の広木太です。2024年2月期第1四半期の決算についてご説明します。本日は、弊社の事業概要、第1四半期の決算概要、業績予想、ならびに成長戦略についてお話しします。

まず、会社概要です。弊社は2016年3月1日に設立しました。2023年5月時点の従業員数は142名です。

事業内容としては、クラウド関連の導入・保守・管理事業、ならびにクラウド上のソフトウェア開発、アプリケーション開発などを行っています。クラウドを専業にしていることが、弊社の一番の特徴です。

BeeXのマルチクラウド対応力

クラウドと一口に言いましたが、その中で我々が何を取り扱い、何を行っているのかについて簡単にご説明します。我々が取り扱っているクラウドサービスは、3つあります。

Amazonの「AWS」、Microsoftの「Azure」、Googleの「Google Cloud」です。この3社は、クラウドにおいて圧倒的なシェアと成長率を持っています。

我々は、この3つのサービスのいずれかに特化するのではなく、「AWS」「Azure」「Google Cloud」を、お客さまのシステムの要望や特徴に応じて使い分けしたり組み合わせたりして提供していきます。

複数のクラウドを使うため、マルチクラウドという言い方をしています。弊社はそのマルチクラウドを提供している企業です。

さらに特徴的なことは、「SAP認定パートナー」となっている点です。SAPという会社は、聞き馴染みのない方もいらっしゃるかと思いますが、ドイツにあるERPのパッケージベンダーです。

ERPとは、企業における会計、販売、物流、生産管理、人事管理といった基幹業務を動かすためのシステムのことです。このERPシステムの分野における世界的なリーダーがSAPです。

SAPは、中堅企業以上の大企業を中心に数多くの日本企業が利用しています。弊社は、この基幹システムを先ほどお話しした3つのクラウドを組み合わせて、システムの構築や運用を行っていることが大きな特徴です。

事業内容

事業内容は、主に3つあります。1つ目は、クラウドインテグレーションです。

クラウドを導入する前のコンサルティング、その後の設計・構築を行っています。また、クラウド基盤構築後のSAPなどのシステムの移行や、クラウド上でのアプリケーションの開発なども行っています。

2つ目は、クラウドライセンスリセールです。クラウドライセンスとは、例えば1億円で一括で大きく売るというような従来の方法ではなく、従量課金型のモデルです。

「AWS」「Azure」「Google Cloud」を契約すると、それらの利用状況に応じて、毎月利用料をいただきます。電気代や携帯電話代などに近い課金モデルです。

3つ目のマネージドサービスプロバイダーは、運用保守のことです。我々が実際に構築したシステムの24時間365日の監視や、障害が起きた際の対応などを行っています。また、クラウドは日進月歩で進化していくため、新機能の導入などを運用サービスというかたちで提供しています。以上の3つがクラウド事業です。

この3つの事業をさらに2種類に大別すると、クラウドインテグレーションがフロー型のビジネスになります。先ほどお話ししたように、「このようなシステムをクラウド上に作りたい」というお客さまの要望に対し、その要望に応じてシステムを作って提供し、対価をいただくのがフロー型のビジネスです。

一方、クラウドライセンスリセールとマネージドサービスプロバイダーは、契約に基づいて毎月お金をいただくというストック型のビジネスです。フロー型とストック型を組み合わせて事業を行うことにより、安定した売上と利益を確保しつつ、しっかりと成長できるビジネスモデルが我々の強みだと考えています。

KPIハイライト

2024年2月期第1四半期の決算についてご説明します。まず、KPIのハイライトです。

売上高は16億7,700万円、営業利益は1億5,200万円となりました。その他、KPIについてはスライドに記載しているとおりです。

業績サマリ 前年同期比較

前年同期との比較です。売上高は34.1パーセント増、売上総利益は47.2パーセント増、営業利益は63.7パーセント増、経常利益は68.3パーセント増、純利益は68.6パーセント増となっています。売上高を大きく伸ばしつつ、利益という点でも前年同期と比較して大きく成長していることがおわかりいただけると思います。

サービス別売上高

サービス別の売上高、過去からの売上高の推移についてです。スライドのグラフで赤い線で囲んだ部分が、先ほど少しお話ししたストック要素で、マネージドサービスプロバイダーおよびライセンスリセールの数字になります。

四半期ごとに、ストックの売上が確実に伸びていることがおわかりいただけると思います。ストックの売上がしっかりとあり、順調に成長できているところが、我々の大きな強みです。

さらにフロー型のクラウドインテグレーションでもしっかりと人員を増強し、提供できるサービスを増やしながら、確実に成長できていることがおわかりいただけると思います。

クラウドライセンスリセール売上の推移

サービスごとの内訳について、いくつかピックアップしてお話しします。まず、クラウドライセンスリセールの売上の推移です。スライドのグラフを見ていただくと、四半期ごとにしっかりと伸びていることがわかると思います。

クラウドライセンスビジネスアカウント数推移

クラウドライセンスリセールを支えるビジネスアカウント数についてです。ビジネスアカウントという呼称は、クラウド業界独特のものですが、お客さまの数ではなく契約数を指しています。1つのお客さまにつき1つのアカウントを持っている場合と、カンパニー制のお客さまなどが複数のアカウントを持っている場合とがあります。

スライドのグラフでは、その総数を示しています。売上も伸びていますし、取引をしているアカウント数も増えていることがおわかりいただけると思います。

マネージドサービスプロバイダー売上、ユーザー数の推移

同じくストック型のマネージドサービスプロバイダーの売上とユーザー数の推移です。こちらのスライドのグラフからも、2023年2月期から2024年2月期第1四半期にかけて売上がしっかり伸び、かつ実際に取引しているお客さまの数も増えていることがおわかりいただけると思います。

クラウドインテグレーションビジネス推移

クラウドインテグレーションのビジネス推移として、スライドのグラフには対応プロジェクト数を記載しています。実際はプロジェクトの数に加えて単価も重要になりますので、このグラフの増減だけでは判断できない部分もありますが、2020年2月期と比べると、しっかりとプロジェクト数を増やせていることがおわかりいただけると思います。

我々としては、しっかりと人員を拡大しながら提供できるサービスを増やし、新しいクラウドインテグレーションを提供できているところが評価されたと認識しており、みなさまにも成長を見ていただける部分だと考えています。

貸借対照表の推移 ~健全な財務基盤~

貸借対照表の推移です。スライドを見ていただくと、健全な財務基盤が維持できていることがわかると思います。以上が2024年2月期第1四半期の決算概要でした。

2024年2月期 業績予想(当初予想から変更なし)

2024年2月期の通期の業績予想です。当初の予想から変更はありません。数字などの詳細はスライドをご覧ください。

2024年2月期 業績予想 進捗状況

2024年2月期の業績予想に対する、第1四半期の進捗状況です。売上高は24.3パーセント、営業利益は35.7パーセント、経常利益は35.8パーセントの進捗率となっており、非常に順調に推移しています。

2024年2月期 業績予想のポイント

業績予想のポイントについて2つお話しします。先ほど業績予想のスライドで見ていただいたとおり、売上高の伸びに比べて利益の伸びが小さく、こちらは投資家のみなさまに指摘される部分だと思いますので補足します。

何に投資するかと言いますと、我々は2つの分野に投資したいと思っています。どちらも、2025年2月期以降の成長のための投資になります。

1つ目はマーケティングです。コロナ禍によってあまり実施することができなかった展示会などのリアルイベントが、ようやく今年から活性化してきています。そのため、リアルイベントや、さまざまなマーケティング施策を新たに実施していきたいと考えています。

残念ながら、我々の会社名はまだまだ知られていないと認識していますので、認知度を上げていくことが大事だと思っています。そのため、今後はマーケティング施策として、リアルイベントあるいはWeb広告等の新たな仕組みを提供していきたいと考えています。

2つ目は人材採用です。「人材採用と人材開発」という表現が正しいかもしれません。我々はエンジニアの採用を非常に大事にしています。

先ほどご説明したクラウドライセンスリセールなどのストック型のビジネスは、エンジニアの採用ができなくても、成長させることができます。しかし、我々としてはクラウドインテグレーションやMSPも非常に大事だと思っています。この分野はやはり、エンジニアの確保がとても重要です。

また、マーケティングを強化し、その後の営業活動を推進していくためには、営業人員の増強も必要です。今後は、これらの人材を採用するためのさまざまな施策を打っていきます。

さらに、人材育成にも注力していきます。弊社は創業時から、社員の紹介による人材を即戦力として採用するかたちで伸びてきたところがあります。しかし、社員数が100名を超えている今は、やはり若手の採用にも取り組む必要があると思っています。

そうしますと、当然ながら人材育成も重要になりますので、しっかりと若手を育成しながら、人材を強化していきたいと思っています。このように、積極的なマーケティングと人材採用の2つに投資していきたいと考えています。

2024年2月期 業績予想

創業時からの売上高と経常利益の推移です。スライドのグラフを見ていただくと、売上高、経常利益ともに、しっかりと成長できていることがわかると思います。以上が2024年2月期の業績予想についてのご説明となります。

SAPシステムのクラウド化・S/4HANA化支援

成長戦略を3つご説明します。1つ目は基幹システムのクラウド化・モダナイズ化です。冒頭の事業概要でもお話ししましたが、我々はSAPシステムに非常に知見があり、多くの実績を持っていることが、大きな特徴かつ強みとなっています。

ご存じの方も多いと思いますが、このSAPには重要なポイントが1つあります。現在、日本のお客さまの中で一番使われている「SAP ERP 6.0」というバージョンは、標準サポートが2027年に、有償の延長サポートが2030年に終了します。それにより、多くの日本企業が「S/4HANA」という新しいバージョンにアップグレードする必要があり、その推進が社会課題となっています。

我々としては「S/4HANA」への対応と、それに伴うクラウド化の実施が非常に重要だと思っています。そのため、先ほどお伝えした人材採用にしっかりと取り組み、大きな成長につなげたいと考えています。

また、「S/4HANA」にアップグレードして終わりではなく、S/4HANA化後も定期的なバージョンアップが必要です。そのため、基幹システムのクラウド化とモダナイズ化に加えて、定期的なバージョンアップの支援をしっかりと提供していくことが、我々にとって非常に大きなポイントだと考えています。

お客様の基幹システムクラウド移行支援

SAPシステムをクラウド化すると、「一番難しいと言われている基幹システムがクラウド上でしっかりと動いているのだから、他のシステムもクラウド化したい」というニーズが高まります。

我々は、基幹システムのクラウド化を行いつつ、その周辺のさまざまなシステムのクラウド化を推進しています。それに伴い、クラウドインテグレーションやクラウドライセンスリセール、あるいは移行後のMSPなどが見込めますので、売上にも貢献します。

さらに、従来型のオンプレミス環境に比べ、クラウド環境はCO2の排出が少ないと言われており、クラウド上でCO2の排出量を確認することもできます。このように、サステナビリティという観点でもクラウド化は必須だと思っていますので、我々は企業のサステナビリティ化を、システムのクラウド化・モダナイズ化をともに推進していきたいと考えています。

DXを実現するプラットフォーム構築/アプリケーション開発

2つ目の成長戦略は、デジタルトランスフォーメーションです。略称である「DX」は、働き方改革などのさまざまなところで使われています。

我々がDXを推進する時に非常に重要視しているのは、今まで人間が勘で行っていた部分を、データに基づいて判断していく「データ駆動型」の企業に変えていくことです。せっかく集めたデータを活用できていないという企業も多いと思っています。

そのため我々は、まずシステムをクラウド化し、そのシステムのデータをさらにクラウド上に集約します。そして、クラウド上にない現場のデータも集約して、ユーザーが分析できるようにするのです。これがDXの第一歩として非常に重要だと考えており、力を入れていきたいと考えています。

また、アプリケーション開発にも注力していきます。新たなビジネスを展開するにあたっては、「攻めのDX」を実現し、お客さまのキラーとなるアプリケーションを開発することが重要です。

最近では、ローコード・ノーコードで簡単に開発できるツールもよく使われています。一方で、その企業のキラーとなるアプリケーションは、自分たちのノウハウをベースに作っていくことが大事だと考えています。

今までのやり方ではなくクラウドを活用したモダンアプリケーション開発のことを、我々は「クラウドネイティブ・アプリケーション」と呼んでいます。こちらに関しても、我々がこれまで多く手掛けてきて得意としている分野ですので、しっかり取り組んでいきます。

このように、DXに関しては、データの分析基盤の構築とモダンアプリケーション開発を提供していく考えです。

また、企業の内製化も重要です。DXにおいては、我々のようにベンダーに依頼してシステムを作ることも選択肢の1つですが、やはりお客さま自身がデータの可視化などをできるようにすることも必要です。

アプリ開発においても、我々が作る部分もありつつ、ローコードで自分たちで構築することも大事だと思っています。この内製化の支援についても、DXの柱としてしっかり行っていきます。

SAPサラウンドソリューション

繰り返しになりますが、我々はデータ駆動型の経営を実現することが非常に重要だと考えています。そのために重要なのがSAPデータの活用です。

クラウドを使ったデータ分析において、SAPデータの活用を推進していきたいと思っています。これは、SAPとクラウドの両方を知っている我々の強みです。

分析において重要なのはデータの民主化です。データサイエンティストのような特殊なノウハウがある人だけが見るのではなく、あらゆる社員が自分たちが使いやすいツールを使って解析する、セルフサービス型のBIのようなかたちに変えていくことが重要です。

我々は今、データを変換してためていき、エンドユーザーがセルフサービスで見て、解析できるようにするという一気通貫の支援に力を入れています。

代表導入事例(ロッテ様 データ連携基盤構築事例)

DXに関するトピックスとして、ロッテさまの基幹システムにたまったデータの連携・活用などの支援を行いました。先ほどお伝えしたように、お客さまが今後さまざまなデータを活用していくためには、我々が作るだけではなく内製化することが非常に重要です。

ロッテさまの事例は、我々がテクニカルなアーキテクチャのアドバイスなど、専門家としての知見や方法によって支援し、実際にお客さまがシステムを作り、実装していけるようにしたものです。

このようなかたちで、データ活用や内製化支援といったビジネスによって、企業のDXを推進したいと考えています。

マルチクラウド対応マネージドサービス

3つ目の成長戦略として、ストック型ビジネスのクラウドライセンスリセールとMSPについてご説明します。我々は単純にライセンスを売るだけではなく、クラウドがどのシステムでどのくらい使われているかをコストの可視化をする仕組みを提供したりすることで付加価値を提供しています。

マネージドサービスの推進

マネージドサービスについて、今後のDXの基盤として重要なことが3つあると考えています。1つ目はオブザーバビリティです。こちらについては後ほど補足します。

2つ目は自動化です。AIの活用をはじめさまざまな運用を自動化し、人の手をかけないようにしていきます。3つ目はセキュリティです。クラウドはインターネット上にあり、何かを間違うと非常に危険になるため、セキュリティをしっかり維持できるようにしています。

オブザーバビリティとは?

我々が今、力を入れているオブザーバビリティについて、簡単にご説明します。

従来のモニタリングは、システムに異常がないかどうかを把握するものです。我々がこれまでに入れた「AWS」のようなサーバーがきちんと動いているか、サービスが起動しているか、システムが正常かどうかを監視していました。

しかし、昨今では、先ほどご説明したクラウドネイティブ・アプリケーションのようなサーバーレスで稼働するさまざまなサービスがあり、かつ、これらがAPIで連携されているなどシステムが複雑化しています。よって、どこでどんな障害が起きているかがなかなか把握しづらい状況になっているのです。それを把握できるようにしようというのが、このオブザーバビリティです。

我々は、複数のクラウドやコンテナ、サーバーレスといったアプリケーションの状態を詳細に分析し、サービスがきちんと提供できているのか、何か問題があるならどこにあるのかをいち早く確認することが、DX時代の運用として重要だと考えています。

SAPオブザーバビリティサービスの提供開始

そのような意味で、2024年2月期第1四半期にSAPオブザーバビリティサービスの提供を開始しました。こちらは、我々が得意とするSAPの監視・運用をさらに強化していこうというものです。

オブザーバビリティのリーディングベンダーであるNew Relicのツールを使って、SAPのさまざまな情報をしっかりと可視化し、今後のDXの基盤となる「S/4HANA」化とセットで提供していきたいと考えています。

このように単純なモニタリングではなく、付加価値を高めながら、お客さまに安心して使っていただける安定したシステムと運用保守サービスの提供を新たに開始しています。

クラウドセキュリティー分野におけるリーディングカンパニーであるOktaの導入支援サービスを開始

もう1つのトピックスとして、クラウドセキュリティーについてお話しします。アイデンティティ管理ソリューション「Okta」向けのサービスの提供を開始しました。

アイデンティティ管理ソリューションとは、従業員向けのユーザー管理や、権限の管理、あるいは実際にシステムに入るためのサインオンなどを統合的に管理するものです。その中でもリーディングカンパニーであり、世界的に多くの実績を持っている「Okta」という製品があります。

こちらに関してはMSPもありますが、クラウドインテグレーションを提供することを考えており、すでにお客さまに対して構築などを実施しています。

このように、DX時代のクラウドを安心・安全に使っていただくためのさまざまなサービスを、MSPのようなストック型ビジネスやクラウドインテグレーションとして提供していきます。昨年に引き続きサービスメニューを拡大しながら、進めていく考えです。

広木氏からのご挨拶

お伝えしたとおり、2024年2月期第1四半期はしっかりと成長できたと思っています。今後も人材の開発・確保、あるいは新たなソリューションの展開をしっかりと行って、お客さまのパートナーになれるように邁進していきたいと思っています。投資家のみなさまにも、ぜひご支援いただければと考えております。ご清聴ありがとうございました。

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