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社員・株主・顧客の三方に優しい:ニチレキの内実と投資法
社員に優しい、株主に優しい、顧客に優しい企業。ニチレキ(東証プライム)は、そう称して決して過言ではない。道路舗装などの改質アスファルト・乳剤でトップ。
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『特別一時金(インフレ手当)の支給に関するお知らせ』と題するリリースを、3月28日に配信した。「昨今の物価高に対しグループの全社員(契約・嘱託社員)に一律10万円、パートタイマー・アルバイトに一律2万円を3月31日に支給する」という内容。
2022年12月末で有利子負債の4850倍近い利益剰余金(629億9900万円)を有し、かつFCF:270億9100万円を知ると「当然だろう。さもありなん」と言い過ごすこともできるが・・・
23年3月期は「9.1%の増収、6.3%の営業減益」も「4円増配42円配」。今3月期は「2.0%増収(800億円)、8.4%営業増益(82億円)、3円増配45円」計画。8年連続増配を示している。ちなみに本校作成中の時価1780円台。予想税引き後配当利回りは3.14%。
更には、22年末の自己資本比率79.2%の威力をまざまざと見せつけている。コンテナヤード(湾頭地区で海上コンテナを一時保管しておく施設)など、低速で重荷重を受ける箇所向けを想定した、改質アスファルトの新製品開発に着手している。
こうした新製品や新事業と前向きに取り組めるには、他人資本(借入金等)に主導権を握られないことが肝要だからだ。
そのことはニチレイの社員の約1割(約40名)が所属する、研究開発部門の存在にも指摘できる。営業利益の約1割を投じ、「道路の長寿命化、大規模更新(メンテナンス)に対応した製品・工法の研究開発」と取り組んでいる。
三方に優しい企業:ニチレキを株式投資の対象として俎上に載せた時、どう捉えるべきか。時価は1700円台終盤、前記のとおり好利回り。株価動向は1月の年初来安値1246円から5月の高値1795円まで買われ、揉み合い商状。
2012年3月期から前22年3月期まで「売上高5割増」と着実な歩み(年率平均4.42%)を続け、「純益5.2倍(17.98%)」としっかりした利益の積み上げを実現している。
過去8年強の調整済み株価パフォーマンスは85%余り。時価の予想PBRは1倍以下(0.64倍)。が、前期末の純資産は680億7500万円(60億6500万円増)と着実な増加傾向。低PBRは好材料視される公算が大きい。
株式投資の王道?とされる「インカムゲインを堪能しつつ、中長期保有」の対象企業と言えようか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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