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氷河期周期の決定要因を解明 天文学的要因が気候に影響 東大らの研究
天文学的要因((a)気候歳差と(b)自転軸の傾き)の日射に対する効果のイメージ図(画像: 東京大学大気海洋研究所の発表資料より (c) クレジット:渡辺泰士他)[写真拡大]
地質時代区分では、現在は完新世と呼ばれる。これは最終氷期が完了した今から約1万年前から、現在までを指す。それ以前の更新世と呼ばれる258万年前から1万年前までの時代は、ほとんどが氷河時代だった。
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同じ更新世でも、今から100万年前を境に、それ以前は氷期・間氷期周期が4.1万年だったのに対し、それ以降は10万年周期に変化した。だが、これがなぜ起こったのかは謎だった。
東京大学大気海洋研究所は15日、地球の自転軸の傾きと公転軌道の離心率の変動幅のわずかな違いが、氷期・間氷期サイクルの主要な周期を決めていたと発表した。
東大、海洋研究開発機構、国立天文台、国立極地研究所からなる共同研究チームは、気候モデルを用いた大規模数値解析により、現代との違いが顕著な約160~120万年前の氷期・間氷期サイクルでの天文学的外力影響の解明を進めた。その結果、氷期の開始時期は、自転軸の傾きと公転軌道上の夏至の位置の変化の前後関係が決め、氷期の終了時期は公転軌道上の夏至の位置により決まると結論付けている。
また解析結果は、海底堆積物コアに含まれる底生有孔虫の殻の酸素同位体比に記録された、約160~120万年前の氷床量変動をよく再現しているという。さらに4万年周期の気候変動の幅は、大気中の二酸化炭素濃度にほぼ依存しないことも明らかにされた。
地球は自転軸が2万5,772年周期で1回転する歳差運動を伴ない、気候変動を左右する。それに加え、地球の公転軌道は、数万年単位で変化し、北半球が夏至となるタイミングで地球が公転軌道上のどこに位置するのかが、気候変動を左右する。
自転軸の向きと公転軌道の両方が複合的に、氷期・間氷期の周期を決め、これらの関係が今から100万年前を境に変化し、その前後で氷期・間氷期の周期変動が生じたのだ。二酸化炭素濃度変化より天文学的外力の影響のほうが、気候変動周期に及ぼす影響が大きいという今回の結論は、現代人にとっても気休めになるかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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