【どう見るこの相場】外国人投資家が買い込む自己株式取得・消却銘柄とは?好需給・割安株に注目

2023年5月16日 09:16

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■自己株式取得・消却の同時発表銘柄でキャッチアップ

 またまた「金曜日の引けピン」となった。週末にもかかわらず利益確定売りよりもリスクオンの買い物が優勢となり、翌週も株高が続くと示唆する相場アノマリーである。前週末12日の日経平均株価が、ほぼ高値引けの261円高の2万9388円と続伸して年初来高値を更新し、一昨年11月以来の1年6カ月ぶりの高値で引けた。米国では、地銀の経営不安が続き、債務上限問題で米国がデフォルト(債務不履行)に追い込まれるかもしれない緊急事態が続くなかで想定を上回って盛り上がった。

 この「引けピン」は、もちろん決算発表がピークを迎え、相次いだ好決算や増配、自己株式取得、株式分割などの好材料に株価が素直に反応したとするのが一般的な相場コメントだろう。事実、12日は東証プライム市場で246銘柄が年初来高値を更新した。しかしその一方で「引けピン」を一皮めくると需給相場であったとする裏観測もあった。「引けピン」は、外国人投資家が牽引したとするものである。東証の投資部門別売買状況では、4月月間で個人投資家や投信などの国内投資家が売り越しだったのに対して海外投資家は、2兆2303億円の買い越しとなり、大型連休中の5月第1週も1609億円の買い越しとなったからだ。青い目の投資家は、消去法的に日本株選好を強めているとされているが、「黒い猫でも白い猫でも青い猫でも鼠を捕る猫がいい猫」とする例えそのもので、大歓迎である。

 ということなら、国内投資家も買い敗けせずに消去法的に銘柄スクリーニングを進めなければならない。そこで要注目は、勝負の速い即断即決の好需給株の自己株式取得と自己株式消却を同時に発表した銘柄である。自己株式取得は、株主還元策の一角の資本政策であるとともに、自らが最後の買い手となる需要主体して買い出動し、自社株価が割安とアピールするアナウンス効果もある。事実、前週末12日には11日に決算と同時に自己株式取得を発表したウシオ電機<6925>(東証プライム)やホンダ<7267>(東証プライム)などが、値上がり率ランキングの上位に顔を並べ年初来高値を更新した。また取得した自己株式を即消却すれば資本効率はいっそう高まることになり、上場会社が東証から強く要請されているPBR1倍割れ解消のための有力ツールにもなる。

 この自己株式取得・消却銘柄は、消却予定日を区切って取得全株式を消却するか、自己株式取得とともにその以前に取得した自己株式を消却すると表明した銘柄で、自己完結型の好需給株となる。消却予定日を区切った銘柄では取得期間が1カ月、2カ月、3カ月、あるいは6カ月など短期間になるケースが目立つ。また取得上限金額を取得上限株式数で割り算をすると取得コストが導き出され、想定している取得価格が足元の株価水準より高い場合もある。

 例えば森永製菓<2201>(東証プライム)は、5月11日に消却期限を6月15日として自己株式取得・消却を発表したが、取得金額上限67億5000万円を取得株式数上限140万株(発行済み株式総数の2.97%)で割り算すると取得コストが4821円と計算され5月11日の終値4315円より上位となる。前週末12日の同社株は、5.2%高と大幅続伸し、連日の年初来高値更新となった。

 前週末12日の1日だけでもこの自己株式の取得と消却を同時発表した銘柄は12社に達した。今年年初から前週末まで同時発表の自己株式取得・消却の好需給・割安株にアプローチし、買い先行となった海外投資家に追い付け、追い越せとキャッチアップをするのも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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